ずいぶん堅苦しいタイトルをつけてしまった。これは2/25(月)、奈良ホテルで開かれた時事通信社の会員制講演会(内外情勢調査会奈良支部 2月懇談会)の演題である。
荒井知事が講師を務めるのは2度目だが、今回は初めて、自らが編成する初の予算を直接説明するという趣旨で、参加者もいつもより多い約150人が集まった。
20年度予算は、2年ぶりの対前年度比減少で、前年度と同様、基金を150億円取り崩すなど厳しい財政運営を迫られている。重点投資分野は妊婦死産問題や平城遷都1300年祭に関連し、医療や観光など。
http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/nara/080221/nar0802210330002-n1.htm
すでに、このブログでも話題になっていたが、県立医大付属病院(橿原市)と県立3病院の整備に充てるため、東京の「代官山iスタジオ」を売却し、売却益のうち約40億円で基金を新設する。知事は「代官山(周辺に集まる層)は若者に偏っている」とコメントしていた。もっと幅広い層が集まる場所に同スタジオの機能を移す、ということだろう。
http://www.shibukei.com/headline/5028/
観光については、平城遷都1300年祭の関連予算は約25億円で、うち約10億4400万円を負担金として事業協会に拠出する。知事は「平城宮跡周辺は、奈良のランドマーク、いや日本のランドマークにしたい」とも語った。
また奈良市の若草山周辺を中心にバリアフリー化を進めるため約5億3600万円、渋滞緩和のため観光客に公共交通機関への転換を促す「パーク・アンド・バスライド」のシミュレーション事業費などで約3億3700万円、市町村などと連携した大型観光キャンペーン費用として約1900万円を盛り込んだ。
知事は、2010年に日本で開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)にも触れ、各国の要人に「2010年祭の祝典に参加してほしいと思っている」と語る。「しかし、この会議自体を奈良に誘致するのはムリだと分かっている。何しろ泊まるところがないから」と言ってから、あわてて「いや、こんな立派なホテル(=奈良ホテル)の中でそんなことを言うのは、大変失礼なのですが…」と自分でフォローしていた。
また先日、中国の国務委員・唐氏が奈良を訪れ、中国から日本へ渡った高僧・鑑真和上が創建した唐招提寺などを訪ねたことに言及。唐氏が「奈良には、中国で失われたものが残っている」「古いものをとても大事にしている」と語ったことを引き合いに、四月に訪日する「胡錦濤国家主席が(大阪経由で)奈良に立ち寄られるかも知れない」と示唆した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008021702088207.html
締めくくりに知事は「私は口べたで、気の利いたことも言えないし、オチも付けられないので退屈されたことでしょう」と謙遜されていたが、とても実のある講演会だった。
約30ページ・フルカラーの配布資料は、レーダーチャートで主要5分野(暮らし、健康・福祉、環境、経済、財政)における奈良県の実力(強み・弱み)を分かりやすく示し、予算説明の部分でも、左ページに現状(レーダーチャート)、右ページにこれに対応した20年度予算の項目と金額、という風に、極めて論理的・合理的に組み立てられていた。だから、予算にもメリハリがついている。
確かに語り口こそ平板で、基本的には原稿を見ながらのお話だが、ちゃんと項目も計数も知事の頭の中に入っていて、それを誤りなく分かりやすく話してくれている、ということが聴衆に伝わり、とても好感が持てる講演会であった。
荒井知事が講師を務めるのは2度目だが、今回は初めて、自らが編成する初の予算を直接説明するという趣旨で、参加者もいつもより多い約150人が集まった。
20年度予算は、2年ぶりの対前年度比減少で、前年度と同様、基金を150億円取り崩すなど厳しい財政運営を迫られている。重点投資分野は妊婦死産問題や平城遷都1300年祭に関連し、医療や観光など。
http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/nara/080221/nar0802210330002-n1.htm
すでに、このブログでも話題になっていたが、県立医大付属病院(橿原市)と県立3病院の整備に充てるため、東京の「代官山iスタジオ」を売却し、売却益のうち約40億円で基金を新設する。知事は「代官山(周辺に集まる層)は若者に偏っている」とコメントしていた。もっと幅広い層が集まる場所に同スタジオの機能を移す、ということだろう。
http://www.shibukei.com/headline/5028/
観光については、平城遷都1300年祭の関連予算は約25億円で、うち約10億4400万円を負担金として事業協会に拠出する。知事は「平城宮跡周辺は、奈良のランドマーク、いや日本のランドマークにしたい」とも語った。
また奈良市の若草山周辺を中心にバリアフリー化を進めるため約5億3600万円、渋滞緩和のため観光客に公共交通機関への転換を促す「パーク・アンド・バスライド」のシミュレーション事業費などで約3億3700万円、市町村などと連携した大型観光キャンペーン費用として約1900万円を盛り込んだ。
知事は、2010年に日本で開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)にも触れ、各国の要人に「2010年祭の祝典に参加してほしいと思っている」と語る。「しかし、この会議自体を奈良に誘致するのはムリだと分かっている。何しろ泊まるところがないから」と言ってから、あわてて「いや、こんな立派なホテル(=奈良ホテル)の中でそんなことを言うのは、大変失礼なのですが…」と自分でフォローしていた。
また先日、中国の国務委員・唐氏が奈良を訪れ、中国から日本へ渡った高僧・鑑真和上が創建した唐招提寺などを訪ねたことに言及。唐氏が「奈良には、中国で失われたものが残っている」「古いものをとても大事にしている」と語ったことを引き合いに、四月に訪日する「胡錦濤国家主席が(大阪経由で)奈良に立ち寄られるかも知れない」と示唆した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008021702088207.html
締めくくりに知事は「私は口べたで、気の利いたことも言えないし、オチも付けられないので退屈されたことでしょう」と謙遜されていたが、とても実のある講演会だった。
約30ページ・フルカラーの配布資料は、レーダーチャートで主要5分野(暮らし、健康・福祉、環境、経済、財政)における奈良県の実力(強み・弱み)を分かりやすく示し、予算説明の部分でも、左ページに現状(レーダーチャート)、右ページにこれに対応した20年度予算の項目と金額、という風に、極めて論理的・合理的に組み立てられていた。だから、予算にもメリハリがついている。
確かに語り口こそ平板で、基本的には原稿を見ながらのお話だが、ちゃんと項目も計数も知事の頭の中に入っていて、それを誤りなく分かりやすく話してくれている、ということが聴衆に伝わり、とても好感が持てる講演会であった。
奈良でJリーグを目指す「都南クラブ」が3月2日に10時から橿原多目的球技場で試合があります。 奈良が好きな人来てください。
iスタジオの機能は他の場所に移すそうですが、
講演会を開けるほどのスペースを確保することは
出来ない見込みだそうでした。
独立行政法人となった東京国立博物館の
ご好意を受けることができることとなり、
まずは安堵しています。
今後も東京圏へ奈良の魅力を発信できればと思っています。
今週末にはもう東大寺で修二会が始まりますね。
東京では居ても立ってもいられません。(笑)
私は、直接聞いていないので何とも言えませんが、知事は何か勘違いしているんじゃないでしょうか。どう考えてもおかしい。宿泊施設の収容数より、世界規模の会議の出来るホールが、まず無いでしょう。100年会館は1800人、公会堂は300人、此では無理です。またアフターコンベンションも昼間の観光コースは大丈夫ですが、二次会、三次会の設定が難しいです。京都・大阪・神戸は、これらが全部揃っている訳で、こんな所と太刀打ち出来ません。
また、世界規模のコンベンションも、年間毎日有る訳では無く、ポツポツでしょう。こんなの相手に装置産業のホテルが食指を動かすかは???です。まぁ、有ったら使うかも知れませんが。
第一APECの会場など、水面下では決定していますよ。おこぼれ位は来るかも知れませんが・・・。
> 内外情勢調査会の講演会を聴くには何か特別な資格が必要なのでしょうか?
この会は会費制です。会費は相当高く、ほとんどが法人の会員です。私は勤務先が会員なので、聞かせていただきました。
http://naijyo.or.jp/geturei/
ゆうきさん、ブログ拝見しました。その中で
> 県内における就職率は一向に伸び悩んでいるように、その県民の大半が外の府県に
> おける文化に見事に染まっている。県外で就学し、県外で就職し、県内で寝食はする。
とお書きでした。確かに県外就業率は日本一ですが、学生(生徒・児童)は、県外から受け入れる方が多いのです。有力な私学があるからだと思います。それなのに、就職では出て行ってしまう、というところが大問題なのですが。
> 講演会を開けるほどのスペースを確保することは出来ない見込みだそうでした。
> 東京国立博物館のご好意を受けることができることとなり、まずは安堵しています。
そうでしたか、やはり賃借料が高いのですね。東京国立博物館には法隆寺の宝物館もあり、素晴らしい所ですね。
> 宿泊施設の収容数より、世界規模の会議の出来るホールが、まず無いでしょう。
> アフターコンベンションも昼間の観光コースは大丈夫ですが二次会三次会の設定が難しいです。
> また、世界規模のコンベンションも、年間毎日有る訳では無く、ポツポツでしょう。
> こんなの相手に装置産業のホテルが食指を動かすかは???です。
以前コンベンションビューローの方にもお聞きしたのですが、奈良県内では、結構盛んにコンベンションが行われているのだそうです(全国平均並み)。しかし、おっしゃるように、会館が不足しています。
会館と宿泊施設とコンベンション数。ニワトリが先かタマゴが先かではなく、これら「すべて」をジワジワと引き上げていかないと、いつまで経ってもレベルアップが図れません。知事はその1つとして、室数が全国最下位という宿泊施設を例に上げられたのだと思います。
> 京都が「大型ホテル・ベッド」ならば、奈良は「旅館・畳」でいかないと。外国人は
> 日本らしさを必要としているし、観光客は「非日常的な」生活を求めてやってくる。
> そのニーズをしっかりと受け止められれば、奈良にも観光客が戻ってくるはず…。
それは良いご意見です。私は知事・副知事の公舎あたりを高級和風旅館にリニューアルして、迎賓館として使えば良いのではないかと思っています。
> 夜だったら、居酒屋がたくさん並び、おいしい地酒が楽しめるエリアを作ってみる
> とか。時間が遅くなったり、酔ったりして泊まらざるをえない状況を演出してみたり。
「鹿男あをによし」で、最終電車がなくなるまで飲んでいた居酒屋は、もちいどのセンター街奥の「蔵」でした。泊まったのは奈良町の「静観荘」で(いずれもドラマの設定は明日香村)。ああいう風情のあるお店がたくさんできれば、宿泊客も増えるでしょうね。
> 朝だったら、ヨーロッパのように広場に市場が開くとか。
> 地元の商品や食材を並べて、地元の人間も楽しめるスペースにする。
> 地元民が満足出来る場所になれば、観光客も満足できる場所に近づける
ポイントは「地元の人間も満足できる」ですね。県下各地の直売所は、朝からたくさんの地元民で、ごったがえしています。地元民も行きたくなるような朝市が各地にできれば、間違いなく観光客は増えるでしょう。
ゆうきさんのような建設的なご意見は、ぜひ、県庁が開設している「なら県民電子会議室」にご投稿下さい。ユーザ登録が必要ですが、簡単なものです(もちろん無料)。
http://www.kenminconf.pref.nara.jp/index.cgi
そうなんですか、相当高いのですか、内容的にはかなりよさそうですよね。。
自分は業界の代表ではありませんが、深謝致します。
>奈良ブランドの強化のためには何をすればいいだろう。
>まずは、観光都市にはお土産はお土産でも、お菓子のお土産は欠かせないものである。
だが、奈良には特に目立ったお土産はない。
>僕は、近年関西でも広まってきているイチゴの「あすかルビー」を使ったお菓子を作っていただきたいと思う。イチゴやったら、女の子にも人気がでると思います。
今、お土産は沢山買って近所や知り合いに配るモノでは無く、自分で食べたり使ったりするモノに変わりました。そういう訳で、お土産然としたモノは売りにくくなっています。また、皆さんは舌が肥えていて、美味くないと売れません。しかし、売る側の理論として、その日に消費して頂ければ良いのですが、お土産と云うのは日持ちするモノでないと商品になりにくいです。日持ちするモノは、どうしても加工処理方法が限定され、なかなか美味いモノが作りにくいと言えます。例えばショートケーキが日持ちしないのと同様ですねぇ。
しかし、こういう事を突破していかないと、商品開発は出来ません。「あすかルビー」良いじゃないですか。是非とも関係者に御願いしたい所です。
>それと、宿泊施設について。
>荒井知事は大型で高級なホテルの建設を提唱されていますが、僕は3階建てくらいの和風旅館を造られては、と思う。宿泊客が京都に流れている。でも、京都で泊まるのはホテルが多いと思われる。奈良が生き残るためには、京都と同じことをやってはいけないのである。京都が「大型ホテル・ベッド」ならば、奈良は「旅館・畳」でいかないと。外国人は日本らしさを必要としているし、観光客は「非日常的な」生活を求めてやってくる。そのニーズをしっかりと受け止められれば、奈良にも観光客が戻ってくるはず…。
>まあ、奈良が観光客と観光産業について、本格的に考えるようになっただけでも前進なのかな。
自分は旅館をやっています。旅館ってのは、物凄く手間のかかる業種です。料理を作る、布団の上げ下げ、配膳、宿泊予約、清掃、リネン、物品の管理他多数、全て手作業です。工場のラインなら機械化も可能ですが、旅館はそうはいきません。また、社員もなかなか若手の人材になり手が少なく、また着物の着方から教えていく必要も有ります。着物なんて、普段着ないでしょう!?
で、旅館文化と云うモノが段々廃れていく傾向にも有ります。和歌山の大型旅館の夕・朝食バイキングなどはこの典型ですねぇ。着物での配膳は、ここには有りませんし、会席の料理もまともに出ていません。しかし、子供と中国には受けます。子供はカレーやハンバーグ、などを好み、また中国人の食事量は凄いです。バイキングは、この種の方々には好評です。因みに私も昨年の夏に体験して参りました。
で、現状から察すると、旅館を新たに、と云う方は、そう簡単には居られない事と、旅館と云う業種にチェーン展開している会社が少ない事が挙げられます。また知事は、高級ホテルって言ってます。高級ホテルのチェーンは有りますが、高級旅館のチェーンは有りません。そういう理由で、手っ取り早くやると、「ホテル」ってなるでしょう。
>奈良には根本的に宿泊客が少ない。どうすれば、解決出来るのか?
>「奈良は朝が面白い、夜が面白い」と宣伝しているが、いまいちパンチが弱い気がする。何が楽しいのか、伝わってこないのだ。
>例えば夜だったら、居酒屋がたくさん並び、おいしい地酒が楽しめるエリアを作ってみるとか。時間が遅くなったり、酔ったりして泊まらざるをえない状況を演出してみたり。僕は未成年なので分からないのだが…(笑)
>朝だったら、ヨーロッパのように広場に市場が開くとか。地元の商品や食材を並べて、地元の人間も楽しめるスペースにする。
>地元民が満足出来る場所になれば、観光客も満足できる場所に近づけるのではないか、とたまに思ってしまう。
これって物凄く大切な事です。私は、日本中見渡しても、観光客だけで経済の廻っている地域を今まで見たことが有りません。京都・大阪は、会社が多く、会社帰りの方々が遊んでいます。つまり奈良に昼間の定住人口が少ない事が挙げられます。また、生駒・学園前周辺の人口は有るわけですが、旧市街地の空洞化はひどいモノです。生駒・学園前の方々は生活圏が大阪なので、気の利いたモノの調達は全て大阪で済ましてしまい、奈良市内は生活物資の調達だけです。また、お金が無くなりかけると奈良で遊び、金を使うのは大阪・京都と決めている様です。これはお金をかけてでも遊ぶ、と云う受け皿に奈良がなり得なかった事でも有ります。つまり旧市内に目が向いていないんですねぇ。
定住人口増加は、非常に大切です。観光客は、地元の人との会話なども楽しみですし、地元の人が遊んでいる所へ観光客が混ざっている、と云うのが、成功している地域の特徴です。しかし、これには時間も手間もかかります。が、役人は斯様な手間を極端に嫌い、ハコ物に走る傾向に有ります。道路やムダな公共施設建設がこの典型です。今回のホテルも、県営プールを取り壊して、です。プールはまだまだ使用可能なのに、です。
貴殿は、ユーザー視点で見て居られますが、観光を楽しむのは何も国賓級の人々ではなく、圧倒的多数は一般庶民です。この庶民感覚を忘れてしまうのは非常に怖い事です。知事は、普段から税金で良い所ばかりを自分の懐で払わずに使っているので、高級高級とばかり叫ぶのでしょうが、私たちはこんな高級は要りません。むしろ、サラリーマンの方々が一生懸命働いて、その上での楽しみとして使って頂く、位のモノをさせて頂きたい、と考えて居ます。
市民の目で、色々教えて下さい。宜しくお願いいたします。
博物館の向え(尾田組さんの跡地?)で新しい商業スペースが誕生するらしい。ふれあい回廊「夢しるべ 風しるべ」の命名らしい。観光地活性化の起爆剤になりそうな予感がする。
賛否両論あるかもしれないが、いい方向への起爆剤になってほしい。