昔、広島の食卓に嘗てよくのぼったものに、「めんぱち」という魚があった。 本当の名は誰も知らない。 ただ皆そう呼んでいた。 体調3㎝ 高さ2㎝ 厚さ7㎜程の小さな魚である。 色は銀色で縦縞が三本黒く走っている。 目がハッキリしているところから、「めんぱち」と呼んだのではなかろうかと思う。 子供のころにはよく食卓に上った。 ツミレにして、団子状の物を吸い物の中で火を通して頂く。 昨日スパーの鮮魚売り場で見つけた。 帰ると水洗いをよくして、ミキサーで粉砕して、卵、小麦粉を混ぜて小さな団子を作り、かつお出汁のすまし汁の中に放り込み、よく火を通して頂いた。 幾年ぶりだろうか。奥さまはあまりお気に召さないらしいが、私は懐かしさから、昨夜と今朝の食事はこれが中心であった。
戦後の食糧難時代、栄養満点の食べ物であったように思う。体全体捨てる所など無い。 全て粉砕して胃袋に入っていくのである。お昼も当然に頂いた。頂きながら思い出した。 生姜を入れるとより美味しかった事を。 さっそく入れて火を入れなおして、「三時のお八つ」もこれで済ました。 高蛋白で、ミネラル十分なお八つである。
夕食の献立は、豚肉の生姜焼き、ポテトサラダ(卵、キュウリ入り)、めんぱちのツミレ汁、頂いた瓜の酒粕漬、カボチャの豚肉煮・・・・。 また体重が増えそうである。