岸 信介、佐藤 栄作、皆長州の出である。古くは、伊藤博文。
太平洋戦争、つまり日中戦争で、海岸線を持つ県で爆撃被害をあまり受けたことがない県といえば山口県である。 山口県人は、岩國は長州とは一線を画して考える。吉川家は、毛利家の家来としか考えていない。防州、長州二州が毛利家で、岩州岩國は家来の吉川家なのである。
現在では瀬戸内海臨海工業地帯として、主にセメントや化学工業地帯であるが、昭和20年以前は寂しい漁村であった。だから空襲などなかった。 岩国を除いては。
そこに戦争に関する感覚が広島や長崎、絨毯爆撃を受けた東京人とは違うように感じる。
二十年以前に、長府(現在下関市長府)の尊攘堂博物館(長府博物館)を訪ねたことである。長府博物館は、耕山寺境内にあり、あの高杉晋作が奇兵隊で、決起した所である。
その裏手は、長府毛利家の墓地であり、平素は立ち入り禁止であるが、たまたま嘗ての家臣のみなさんによる、清掃奉仕がなされていたのには驚いた。 主従関係が今でも続いているのである。
山口県出身の総理が誕生すると、きな臭くなる。 国民の血を糧に国防を膨らまし、近隣諸国との緊張関係を作ることにより、世論を操作する手法は未だに通用すると思っているらしい。
今回の政府の特徴は、何といってもセメント利権者のカタマリであることだろう。
公共事業以外にその欲求を満たすことはできない。小野田セメント、徳山セメント、宇部セメント、麻生セメント。全てこの内閣の中核人物の関係した企業である。
安倍総理が「経済界の首脳」と会談したそうである。従業員の給与をあげて欲しいとお願いしたそうだ。 嘗ての「社会党」が言っていたようなことを、30年後自民党の総裁が経済界にお願いする姿を見るとは思わなかった。自民党の社会党化である。
「時代は変わった、紅茶煮ソネット」、という流行語が流行ったことがある。今やまさに自民党わ変わった、社会党になった。ただし武力を持った社会党である。要するに、計画経済の上に、国防を築き上げ国際的に発言力を大きくしようとしているに過ぎないという、幼稚な政策なのである。
同じ国民を騙すなら、ハリネズミのような国家を目指すべき。どっか一箇所刺激を受けると相手かまわず、巡航ミサイルとの雨が相手国の降り注ぐシグシステムを持つべきである。
因みに山口県には、自衛他の基地は岩国以外見当たらない。広島は昔の姿を変えて、隣接する海田町に第13旅団があ存在し、善通寺、米子、日本原の各支隊をもつ。今でも中四国を配下に置く軍事都市なのである。軍港呉は、潜水艦基地として全ての潜水艦がここを母港とする。横須賀、長崎はその他の軍事用艦船の母港である。広島の平和活動団体からは、一度も基地撤去の声を聞いたことがない。