てくてく日々是雑感

こんにちは。てくてくねっとの たま です。
日々のあれこれをつづります。

「ファーストフード・ネイション」

2008年03月15日 | 映画
 
 「ファーストフード・ネイション」という映画を観ました。
 ルポルタージュ「ファストフードが世界を食いつくす」(草思社刊)を元に
 映画化された ファーストフード業界の実態を暴く物語です。

 「食の安全性」のみならず「格差社会」「環境問題」などへの
 問題提起になっています。

 映画では、ハンバーガーチェーン店の本社幹部、
 牛の生産現場、精肉工場と、そこで働くメキシコからの密入国者、
 店舗で働く学生、それぞれに焦点をあてて問題をあぶりだしています。

 中でも精肉工場の労働環境は悲惨です。
 命がけで国境を越えて仕事を求めてやってきた密入国者たちの
 弱みにつけいるような劣悪な境遇。
 1時間に60頭分の処理をするというライン稼動の早さのため
 従業員の作業が追いつかない。
 動物の血や糞便が肉に混入することなど日常茶飯事。
 ケガも多く、それに対する補償もない。
 
 あまりのひどさに、どこまでフィクションなの?現実なの?と
 逆に疑いたくなるほど。

 牛が牛肉になっていく過程はあまりに残酷で機械的で
 命をいただくことの神聖さが全然感じられなくて
 ただ、重さだけがずっしりと石を飲み込んだように残る。

 何も変わらず、救いのない映画の結末に
 巨大産業に押しつぶされる無力を感じつつ
 やはりこれも、知らなければならない事実、
 伝えなければならない現実、だと思う。




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