てくてく日々是雑感

こんにちは。てくてくねっとの たま です。
日々のあれこれをつづります。

与那国の話

2005年01月27日 | Weblog

勢いがついてしまったので、与那国の話をもう少し。

与那国ではサトウキビ刈りのほかにも
いろんな仕事をしました。

ほぼ定職としていたのは家庭教師。
畑仕事も頼まれていろいろと手伝った。
畑の石を拾ったり、サトウキビ植えもやった。
測量のバイトでは道もないうっそうとした亜熱帯の森を
一日中歩いた。

特におもしろかったのはゴミ収集のバイト。
1週間だけパッカー車の後ろに乗って
島中のゴミを集めてまわった。

春先だったが気温は高く
生ゴミの袋を持ち上げると蛆虫がぼろぼろっと落ちた。
今のように分別もしなかったし
残飯なんてバケツからそのまんま
パッカー車に投げ込んだりした。

集めたゴミは島の北側にあるゴミ捨て場に
だだだ…と車から吐き出される。
焼却所はない。
燃えるゴミも燃えないゴミも、そのまま放置。

あちこちに小さなゴミの山があり
カラスがたくさん群がっていた。

このゴミ…
考えてみればほぼ9割、島の外から運ばれてきたものだ。
船や飛行機に乗せられて。
一方的に入ってきて、そのまま溜まっていく。
このゴミ捨て場もじきにいっぱいになってしまうだろう。

なんだか日本列島の縮図のように思えた。
当時は特にバブル前夜で、消費に走っていた時代。
自給率の低いこの島は、ゴミを山ほど輸入していた。
次つぎと島の外から入ってくるゴミ。
燃やしても埋めてもあふれかえるゴミ。

あの頃のことを思えば
企業も行政もゴミ問題に敏感になったし
循環型ライフスタイルも市民権を得てきたし
だいぶよくなってきたんだろうな。

でも与那国はどうだろう。
島の中だけでの自給自足はきびしいだろうし
外からのモノや人に頼っていかなければ
やはり難しいだろう。

モノはともかく、外から入ってくる人が
与那国にゴミを溜めちゃいけないな。

旅の人として与那国にいる以上、それをいつも
肝に銘じていたい、とゴミの山を見ながら
思ったのだった。



最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いろいろ (与那国のひと)
2005-01-30 07:35:31
 たまさんはじめまして。

20年前、与那国にいたんですか。あれから与那国は随分変わりました。一週道路・祖納港・飛行場・町並みと一新しました。しかし内実は一進一退のようです。20年前、たまさんが危惧された北浦野のゴミ捨て場は何の手だても無く、満杯となりました。おみとうしの通り、与那国は生活品とともにゴミを移入し続けたのです。この閉鎖環境では、ゴミを出さない生活術をあみだし、出たゴミも自然へ還元することを考え無い限り、ゴミは人と島を飲み込んでしまうはずです。



 合併を拒否した与那国島は必死の生き残り戦術を模索中で、やがてその全容が明るみにでます。活路を外へ向けて頑張ることになりそうです。
返信する
Unknown (たま)
2005-01-31 18:59:32
与那国の人さん、はじめまして。

書き込みありがとうございます。



一周道路…私がいた頃ちょうど計画が始まったところでした。工事の際の土砂の流出など気になっていました。

祖納港は知りませんでした。「Dr.コトー」の港の場面を観ながら「なんか久部良っぽくないなあ」と思っていましたが、あれは祖納だったのかしらね?



与那国のゴミ事情は、ほんとに日本列島の縮図のように思えてしまいます。

言い換えれば、与那国でもし循環型ライフスタイルが実現すれば、それは先鋭的なモデル事業となりますね。



「合併を拒否した与那国島は必死の生き残り戦術」とは…!?期待がふくらみます。





返信する
Unknown (与那国自立のビジョン)
2005-02-03 07:06:44
八重山毎日新聞 2005年 2月 2日(水) 



--------------------------------------------------------------------------------





花蓮との特区構想など提示 与那国

「自立ビジョン」素案まとまる

教育や環境特区も

専門職員の確保が課題に





 【与那国】与那国・自立へのビジョン策定推進協議会(島袋純座長)は三十日午後、同町中央公民館で町議会議員らに自立ビジョンの素案を報告した。同ビジョンは「自立・自治・共生」を基本理念に昨年十月の町民大会で採択された与那国町自治・自立宣言を基盤にしたもの。①住民主体の自治・島おこし・まちづくり②国際交流を通じた地域活性化と人づくり③IT・情報通信基盤の整備など定住条件の向上と国土保全への政策支援の強化を柱に、自治、産業交流、安心・安全、教育、環境の各分野ごとに取り組み方針を定めている。説明を受けた各議員はおおむね同素案に賛成だが、同協議会委員の間からは「ビジョン推進を図る専門的な職員が必要」という意見が出ており、行政規模の縮小を図ろうとする同町には専門職員の確保が今後の課題となりそうだ。

 同素案では国境交流特区構想として与那国|花蓮間の直行便就航申請、国境離島型開港申請、ノービザ入国の実現などが盛り込まれており、六月までには内閣構造改革特区本部に申請する予定。

 また、教育特区・環境特区構想を設け、中高一貫教育の実現、中国語教育など国際的人材育成プログラムの導入、希少動植物保護、動植物移入制限の強化を図る。

 住民自治分野では、自治の促進を図ろうと九月をメドに自治公民館の法人化、公民館条例の制定を推進し、公的業務を自治公民館に委託していくことも盛り込まれている。

 素案の報告にあたって尾辻吉兼町長は「自立ビジョンでは与那国|花蓮間交流の特区構想が最大のポイント」として教育・環境特区構想などを組み合わせ、役場内に特区推進室を設置し、同構想の実現に向けて国への申請を強化する方針を示した。

 報告を受けた東浜功一議長は「良いビジョン案で与那国に適した中身といえると思う。町民の声を取り入れ、町民、議会、行政が一丸となって自立に向かえるのではないか」と話す。

 同ビジョンは今後、十日をメドに同町HPに掲載、各家庭にチラシを配布して周知を図り、住民らの意見を反映するパブリックコメントを求めたあと、二月後半から三月上旬に町長に答申される。その後、三月定例議会に上程される見込み。







自立ビジョンの素案を報告した与那国町











返信する