青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

主なしとて 春な忘れそ

2018年03月11日 21時51分30秒 | 中央東線

(裏高尾 梅と三脚 咲き乱れ@荒井梅林俯瞰)

約15年に亘り、豊田区の189系を中心に運行されていた「ホリデー快速富士山」。来週のダイヤ改正以降は幕張から転属するE257系5連での運行となる事がかねてから発表されていましたが、現行の189系で運転される「ホリ快富士山」はこの週末が最後と言う事になりました。運用を外れる189系は老朽化により4月をもって廃車される事もあり、お名残り乗車や撮影も年明けからはヒートアップしてる感じもあったんで、ラストランはどこで撮ろうかなあ…と考えた結果勝手知ったる裏高尾で撮る事にしました。子供を叩き起こして連れて行った裏高尾は、朝もはよから三脚の林。三脚と脚立が高いからって別に何もエラくないとは思うんだけど、なんか妙にマウンティングされているような気がして肩身が狭いです(笑)。


裏高尾一円には梅林が散在していて、この時期小仏峠に向けて順々に花を付けて行くのでありますが、今日のポイントはその一つである荒井梅林。花の咲き加減はちょうど見頃と言う感じ。場所的には湯の花トンネルの慰霊碑の山側になりますが、中央道の八王子JCTの管理道路から軽めの俯瞰アングルを組んでみました。朝から空模様は雲多めベースなので、思い切って逆光側に構えてます。


思い切って逆光側に陣取ったものの、晴れて欲しい時に晴れず、曇りでいい時に曇らないのが撮り鉄あるある。薄日ベースでも太陽直射のド逆光だと露出のコントロールに苦労します。ダイヤ改正でE351を引退に追い込むE353、スーパーあずさ4号で東上して来ました。花を密集させて梅林からアタマをちょっと出したところで切るのが定番アングルみたいですが、散在する梅の木の花模様と、裏高尾のひなびた山村感を取り込みたくてちょっと広角に撮ってみた。ごちゃごちゃしているのはお許しだ。



本命の「ホリデー快速富士山」。今日は国鉄特急色のM51編成。平成も30年になるというのに、首都圏でここまで長い間国鉄型の特急車両が生き長らえてきたこと自体が奇跡のような列車ではあったのだけど、それだけにファンも多い列車でしたよね。ホリ快だけでなく、豊田区の189はGWやお盆とか年末年始の多客期に臨時の特急運用に入るのが定番で、189の特急は時刻表に「一般型特急車両で運転」なんて書かれてた。当初はE351やE257に比べてややもすると「格落ち」的な意味で「一般型」という表記をしたんだろうと思うのだが、ファンの中ではいつしか「一般型」と書かれる189の存在とそのヒストリーの方が、よっぽど大きく特別なものに育って行ったように思います。

国鉄時代から、東線のエースであった車両の最後の定期仕業。
万雷のシャッター音の嵐の中、50人以上の大勢のファンが見送りました。

東風ふかば にほひ起せよ 梅の花 主人(189系)なしとて 春な忘れそ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする