青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

始まりは今日も雨

2012年11月29日 21時13分23秒 | 上田電鉄

(氷雨降る表参道@北向観音参道)

今回の旅行は日~月の日程だったので、翌日の月曜日は当然平日。
久々に平日の観光地と言うものを体験しましたが、いや~平日って人いないんすね。観音様に続く表参道、人っ子ひとりいません。天気も悪いし、そもそも別所温泉自体がそんなメジャーな観光地ではないのかもしれないけど…一応「信州の鎌倉」という愛称で、名刹・古刹の多い場所ではあるんですが。上田から別所線に揺られて、後ろに山を抱いたどん詰まりにある別所温泉へ。小ぢんまりとした温泉地ですが、結構旅情溢れる場所なんじゃないですかねえ。

さて、翌朝。もそもそと始発が出る前に起きる。こーいう時の早起きは苦にならん。とりあえず爆睡中の二人を起こさぬようにそっと部屋を出てみるが…信州の早朝めっちゃ寒いっす(笑)。そして夜明け前だからしょうがないんだけど当たりを付けていたポイントが暗過ぎてどうにもならないのでありましたwと言う訳で少し走って車庫のある下之郷で出庫準備とか見学してみる。乗務員氏が早朝から忙しくスタンバってる中で三脚持ってウロウロするのも迷惑なので写真は遠慮しましたが、側線から回送で別所温泉までの送り込みを出す風景とか早朝ならではだね。



まだまだ夜は明け切らないですが、今朝は舞田から。
さっき下之郷から送り込まれた別所温泉発の2レ上田行きが到着。
駅の横に駐車場があって、パークアンドライドが出来る駅です。



昨日の夜と同様、独鈷山の稜線と言うのはなんか絵にしたくなるもので…
少し白み始めた空、霜の降りた塩田平にくっきりと独特のラインを描きます。
下之郷発の第2便は別所温泉行き101レ、舞田の駅を静かに発車。



101レは別所温泉から4レとして上田へ。「自然と友達」のラッピング電車1002Fです。
…って、「自然と友達」って何なんだろうw
パークアンドライド用の駐車場に、軽自動車で付近の通勤客が何人か送り込まれて来ます。
意外にも朝早くから乗客が集まった吐く息白い朝のホーム、そうだ、今日は平日だったんだね。
この1000系、上田方の車輛にシングルアームのパンタが2個装備されてるので、上田方を撮ると勇ましい雰囲気ですな。



上田発の別所温泉行き1レ、1104+1004Fが舞田からの勾配を上がって行きます。
これから雨確定のどん曇りの朝ですから光量は望めませんので、どアンダーでレールを光らせてみる。
細い短尺レールのヨロヨロした感じが、いかにも地方私鉄って感じですねえ。
上田の電車ってみんな運行番号が表示されてるんだけど、車番の末尾と同じなのはたまたまなんでしょーか。



さっき別所温泉へ上がって行った1レが6レで返して来ました。
八木沢の駅、集落、そして電車を待つ高校生。
ちょっと圧縮しすぎて電柱が煩くなっちゃったな…

ポツポツと降り出した雨に追われて宿に。
世間は週の始まり、月曜の朝をのんびりと過ごす事に違和を感じながら…


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円い月夜の物語

2012年11月28日 23時00分00秒 | 上田電鉄

(夜の帳の中で@別所温泉駅)

宿に入って子供と温泉に浸かり、メシを食って布団の引かれた部屋でダラダラ…と言うのは旅の醍醐味でございますねw
んで、寝る前にもうひとっ風呂。共同浴場の「大湯」にでも行って来ようってんで手ぬぐいとカメラを担いで宿を出たついでに、ちょこっと夜撮。別所温泉駅の階段上からの定番構図、「上田交通スタイル」とでも言うべき瀟洒な大正モダンを思わせる駅舎です。「BESSHO ONSEN STATION」ってレタリングが渋いね。


別所温泉駅に停車中の54レ上田行き。
以前来た時はダイヤモンドカットの東急7200が主力車両だったんですが、上田は恵まれてるよなあ。
駅舎もその時と比べればきれいに塗り直されてるし、車両も変わってるしね。
そもそも上田交通は東急が筆頭株主の系列会社なんで、車両に関しては手厚い保護を受けてはいるのだけど。



駅のはずれに鎮座する丸窓電車@モハ5250型。戸袋の丸窓が特徴の、塩田平で長く愛された電車でした。
上田交通=丸窓電車と言っても差し支えないですよね。
上田交通の電気の昇圧に伴い、東急から5000系青ガエル(ハチ公前にある奴だ)が導入され引退。
今でも上田のシンボル的な扱いにて、ここ別所温泉の駅で保存されております。



夜なのに、月明かりでほのかに独鈷山の稜線が浮かんでますな。
このギザギザの稜線は塩田平のどこからでも良く見えます。
舞田と八木沢の間の農道の踏切から夜に浮かぶ独鈷山を眺めていたら、突然踏切が鳴りだした。



54レ別所温泉行きが光跡を引いて、塩田平を登って行きます…
良く見たら「まるまどりーむ号」じゃねえかw
光跡バルブだとその辺りは何にも分からねえな。



急いで別所温泉の駅に戻ると、やっぱりもう発車の時間で再び光跡バルブ風味に(笑)。
別所線は下之郷から先は1閉塞(1列車しか入れない)になっちゃってるから、返しも早いです(泣)。
30分間隔くらいで走ってるから、下之郷~別所温泉にもう1個くらい交換駅を作ってもいいような…
と思って調べたら、交換駅計画はあるそうで。八木沢駅らしいですが。
それはやめてw

まるまどりーむ号を見送ったら、空には丸い月が煌々と。
すっかり冷えた体を大湯で温めて、宿に戻るとしましょう。
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静かな静かな 里の秋

2012年11月26日 23時30分00秒 | 上田電鉄

(カモン!観音@北向観音)

別所温泉のランドマークである北向観音。信州の神社仏閣界のトップに立つ長野の善光寺と向かい合わせになって建っており、善光寺とセットで回るとご利益がアップするらしい。宿の若女将の説明では「善光寺は来世、北向観音は現世」の功徳に効能があるとか…信州の古刹の名に恥じず、天長2年(西暦825年)の開山と言うから相当な歴史を持ってまして、この観音様の周りには別所温泉の温泉街が広がっております。この別所温泉への湯治客、北向観音への参拝客のために作られたのが上田温泉電軌。現在の上田電鉄別所線なのですね。鉄道が開通する→その近くの温泉場まで鉄道を、と言う流れは全国にあって、その手のローカル私鉄ってのは相当あったようです。だいたいが廃止かバス転換されちゃったけど、今残るのは福島交通(飯坂温泉)とか伊予鉄道(道後温泉)とかくらいでしょうかね。古来から日本人は参詣にかこつけて温泉でのんびり、というレジャーのスタイルが大好きですからなあ。

今回は富山地鉄の時と違ってあくまで家族サービスが主眼ですから、一日中別所線に張り付いてどーこーと言うのもなかったのですけど、二日目は雨でする事もなかった&子供が乗りたがったと言う事で、結局別所温泉~上田間を往復しフル乗車までしてしまいました。全線乗ると片道570円×オトナ2名×往復、ヨメさんに「こーいう電車って運賃高いと思わない?」って聞いてみたら「まあ(子供も)喜んでるし遊園地のアトラクションみたいなものだと思えば…」だって(笑)。○ィズニーランドだって単価がこれくらいのアトラクションはあると思うので、片道30分も楽しめるならそれはお得なのかもしれない。発想の転換かw

初日は宿に入る前に夕方の中野~八木沢付近で何枚か。それも宿に入る前にヨメと子供を中野駅に放置し、「次の別所温泉行きに乗って八木沢で降りろ」と指令を出した挙げ句舞田~八木沢間で三脚を出すと言う鬼畜ぶり(笑)。「え?え?八木沢ってどこ?2つ先??こんな電車乗った事ないし!」とか言われたが気にしない。



中野駅に到着する1001F上田行き。

 

八木沢駅に到着する1004F別所温泉行き。これにヨメと子供を強制乗車させましたw
終点別所温泉の手前の八木沢駅は、塩田平の田園に古い木造駅舎が立つ素敵な駅です。

  

駅横に立つ丸ポストも、狙って立てたんだとしたらあっぱれの郵政省仕様。
カラッと晴れた晩秋の空気は、既に少し冬の香がするような…
風をさえぎってくれるだけでありがたい待合室は、光の中に。



別所温泉から流れる湯川を渡る。別所温泉に向かってこの辺りは結構な上り坂です。
旧型車があえぎあえぎ登っていた坂道も、東急から池上・多摩川(イケタマ)線系統の程度のいい車両を購入したのでスーイスイ。
晩秋の陽が傾いて、斜光線がいい感じになって来ましたなあ…



斜光線に包まれて塩田平を下る1004F。
晩秋の塩田平はどこもかしこも野焼きが行われてまして、稲藁を燃やす煙が集落のあちこちから上ってます。
撮り鉄には「バルサン」なんて呼ばれて忌み嫌われる野焼きの煙ですが、上手く使えば美味しい晩秋の季語。
WB変えて、斜光線は半逆光気味にサイドに当てて、段々畑状の田んぼに陰影を付けたいので若干アンダーってトコでしょうか。
この一枚だけ三脚立ててガチ撮りしました(笑)。

ローカル私鉄の終着駅ちょい手前ってハマるよなあ。
静かな静かな里の秋…そんな歌がぴったりの、八木沢界隈の風景です。
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ロクサンななくり

2012年11月25日 22時50分59秒 | 上田電鉄

 

(EF6325@文化むらで放置プレイ)


えー、先々週に富山に行ってるのにも関わらずまた出掛けているのですが、信州は塩田平の別所温泉に来ております。こないだは個人の愉しみ、今回はアタシもたまには温泉でも行きたいとおっしゃる家族向けサービスと言う事で…たまには家族水入らず、夕方前に旅館に入ってひとっ風呂浴びてメシ喰って、寝る前にもう一回温泉入って川の字で寝るっつー黄金パターンも良いのではないでしょうか。富山はとにかくストイックに撮りまくりの旅でしたからな。別所温泉には来た事は何回かあるけど、泊まるのは初めて。紅葉の盛りを過ぎた塩田平は連休最終日にてあらかた人は引き上げており、今宵の宿も我々だけです。

さっき小一時間夜の別所線を撮って来ました。師走を控えてさすがに夜はかなり冷えるけど、冷えた体にプンと硫黄の香りのするちょいと熱めな温泉は沁みるね。別所温泉の湯は、「ななくり(七苦離)の湯」と言って俗世の垢を流すらしいですが、俗世の垢しかないあたくしはどうすればよいのでしょう(笑)。

画像は昼間に立ち寄った横川でのヒトコマ。
ロクサンがいぱーい。

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ヨメのオーダー

2012年11月23日 22時26分26秒 | 日常

(人混みの中のタンコロ@極楽寺検車区)

富山地鉄関連のエントリーを書き切ったら燃え尽き症候群みたいになってしまったw
あ、先週末は江ノ電の極楽寺検車区の開放、通称「タンコロまつり」に行って来たんですよ。子供が江ノ電ファンなのでちょっと連れて行ってやろうくらいに考えてただけだったんだけど、誰も同業者っぽい人間がいなかった富山地鉄帰りの身にはアホみたいに混んでる関東の鉄道のイベントは辛すぎた(笑)。
さて、世間的には三連休なのですが私は申し訳ありませんが四連休、自分ばかり遊んでいるのでそろそろヨメのガス抜きも必要と思われる。どこかへ連れて行ってやらないといけないのかなあ。とキーを叩く後ろで温泉くらい連れてけ!とか言ってるしねえw
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