青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

東三河に90年

2013年03月17日 17時52分14秒 | 豊橋鉄道

(市内電車の黄昏時@赤岩口車庫)

市内電車は、きれいに整備された豊橋駅の北口ターミナルから発車します。料金は全線一律150円。じーちゃんばーちゃんと学生と言う地方都市ではおなじみの鉄道利用者を乗せて発車する車両には見覚えが…たぶん元名鉄の岐阜市内線とか美濃町線を走ってた車両ですよねコレ。まあ豊鉄自体が名鉄の子会社だから譲渡の話も早かったんでしょう。


発車した路面電車は駅前大通を走った後、国道259号を左折。官庁街を走って市役所前から国道1号線に入ります。昔は各都市にあった路面電車ですが、現在国道1号の上を走る路面電車はここ豊橋だけ。確かに免許取って一番最初に黄色の矢印信号を見たのは豊橋市内だった事を思い出すのだが、一応教習で教わるけど実生活上ではほぼ出て来ないよな~。緑の矢印信号と同じだと思ってアクセル踏むとマジで路面電車とぶつかりますので、気になる人はもう一度教習所でもらった本を読み直してみてね(笑)。


1号線の上を実にトロトロと走り、東八町から県道4号線へ。東田と言う街を坂道で行くのだが、この坂道が軌道の部分が石畳でなかなか雰囲気が良い。写真を撮ってる時間がないのが残念だが。と言うか目の前に座った意外にもかわいい女子大生を前にして狭い車内ではカメラを出し辛い雰囲気がありw営業所のある競輪場前から、運動公園線が分岐する井原を過ぎると市内電車は終点の赤岩口へ。

 

赤岩口ではほとんど折り返しの時間もなく、支度をしてすぐ発車して行く駅前行きのモ780型。基本的に豊橋市内線の車両は全面広告のものばかりで、オリジナルカラーが何なのかがイマイチ分かりにくい。1990年代後半に名鉄の岐阜市内線に投入されたものの、10年足らずで名鉄が岐阜市内線から撤退。設備投資としては相当勿体ないと思うのだが、子会社の豊鉄と系列会社の福井鉄道に譲渡された上で二つの会社の車両の近代化に寄与する結果になりました。赤岩口の駅には豊橋鉄道赤岩口分区がありまして、全ての市内線車両の寝ぐらになっております。夕照に光る車庫のレールと、春霞の中で佇む豊橋の路面電車たち。なんだか黄昏気分。

 

赤岩口の駅。県道の真ん中に狭い狭いホームがあり、駅と言うよりは電停って感じの雰囲気。目の前の道は愛知県道4号線の多米街道と言い、豊橋から多米峠を越えて湖西市北部へ向かう道です。赤岩口はその峠に連なる山が迫った場所にあります。もうすぐ太陽が沈みそうな頃あい、写真を撮る自分の影が伸びて来た。返しはまた渋好みの古ーい車両が来ましたな!モ3200型、昭和31年製の50年選手です。

 

木製の引き戸に緑色のモケット。重々しいマスコンはディッカー式ですね。マスコンを回すたびに古いテレビのチャンネルを回すようなガリガリガリ!と言う音が響いて、路面電車らしい強烈な吊りかけ音を轟かせながら夕暮れの豊橋の街を賑やかに走って行きます。ちなみに競輪場前駅から運転士が女性に変わったのだが、結構重たそうなマスコンなんで女性には運転しづらい車両なんじゃないのかなあ。とぼんやり乗ってたら電車の直前に道路からはみ出て来た車が!大きな警笛と非常制動でギリギリのところで止まったのだが、あっぶねえ。


夕暮れの豊橋の街を往く古豪3200型が、最新鋭車両のT1000型「ほっトラム」とすれ違う。向こうはアルナ車両の次世代路面電車「リトルダンサー」シリーズ。豊橋鉄道としては80ウン年ぶりの市内線における自社発注車両なのだとか…距離自体も5km程度だし、そんな車両数も必要ないからコストのかかる自社発注は必要なかったんでしょうねえ。ちなみに少し前に町屋駅前辺りを走ってた都電7000型も豊橋に来てますので、ちょっと懐かしかったりする。


豊橋駅前に到着。赤岩口からは片道25分くらいですか。乗降はそんなにないけれど、信号待ちしたり渋滞してたりで意外に時間がかかる。専用軌道がないからしょうがないのかもしれないが…それでも大正14年からかれこれ90年近くの市民の足。車社会のこの三河の地でよく頑張っていると思うのだが、これからも健闘のほどをお祈り申し上げる次第で。


新豊橋の駅に戻ると、すっかり雰囲気は帰宅ラッシュ…
ホームに待つのはしでこぶし&桜編成。先発の桜編成で車を止めてある高師に向かいますが、車内は3両立ち客が出る混雑ぶり。部活帰りの高校生、買い物帰りの家族連れを乗せて、夕暮れ迫る渥美線はどこにでもあるよーな都会の電車の車内風景。ま、一応中京圏にある人口40万近くの都市ですからね。駅ビルで買った家への土産物は「豊橋名物ヤマサのちくわ」。本当なら「知立藤田屋の大あんまき」が良かったんだが、売ってる場所忘れちゃったよ。


夕陽が高師の駅の窓を染めて、どっとホームに押し出された乗客が家路へ。
東三河に90年の歴史を持つ鉄道、豊橋鉄道渥美線&豊橋市内線の旅でした。
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いちめんのなのはな

2013年03月16日 02時35分25秒 | 豊橋鉄道

(オールステンレスの誇り@1800系車内)

今はなき「東急車輛」の銘板の横に「Made in Japan by TOKYU CAR MANUFACTURING CO.LTD under license from THE BUDD COMPANY Philadelphia,Pa,U.S.A」の表記がありますが、東急車輛のお家芸であったオールステンレスの鉄道車両の製造技術は、戦前から名門のステンレス加工メーカーだったアメリカにあるバッド社との技術提携で生まれたものです。簡単に和訳すると、「この車両は日本の東急車輛でアメリカのフィラデルフィアにあるバッド社とのライセンス契約に基づき作られたのものなんですよ」と言う事ですね。バッド社との提携で生まれた東急7000系は、日本初めてのオールステンレス車両として画期的な昭和の名車。そして初代の日比谷線直通車だったのですが、そんな東急と日比谷線の直通運転も今週でひっそりと終わりになりますなあ。バッド社はのちにボンバルディア社として航空機の分野で有名な存在となりましたが、そんな鉄道の歴史のひとコマを物語る銘板です。


三河田原の駅から、渥美線に沿って走る県道をチャリチャリと漕いで行く。適当に線路が見えたらロケハンしてみて、雰囲気が良さそうだったら電車を待ってみるのんびりサイクリング。とても暖かい土曜日でして、チャリンコちょっと漕いだら汗ばむくらいの陽気。梅は咲いたか、桜はまだかいな…と待っていると、桜編成がやって来た。

 

やぐま台と豊島の間の耕作地に、沿線では一番大きそうな菜の花畑が車窓から見えたのでチャリンコで。なるほど満開間近の菜の花一面、さすがに菜の花の本場いすみ鉄道には負けますけど、立派なもんです。惜しむらくは豊鉄の沿線の菜の花畑ってだいたいが線路から見て北側にあるんで、どうにも菜の花を絡めて順光で撮れる場所が少ない。夕方遅くになるといいんじゃないかなと言う場所がほとんどなのがもったいないなあと。
菜の花の薫りと言うのは意外と強烈なものがあり、群落の隣で構えているとちょいと鼻につくもの。暖かさと花の薫りに誘われた虫もブンブンと舞う中で、しでこぶし&つつじ編成を収めますが、アウトカーブの構図だとダイヤモンドカットが引き立ちますな。


やぐま台駅にて。
三河田原から四つ目、そろそろくたびれて来たのでチャリを駐輪場に置いて豊橋方面へ。豊橋鉄道は地方私鉄ながら未だにツーマン運行を行っており、駅員不在の駅毎に車掌氏が乗車券の回収のためホームに降り立ちます。駅間距離の短い路線ながら、前側に出口がある駅では前寄りに、後側に出口がある駅では後ろ寄りにそれぞれ移動しキップを改める。自動放送も入ってないから、次が前寄り出口の駅だと車掌室から車内を前まで歩いて来て、運転台の横に入ってハンドマイクで車内放送をしたりしてます。さすがに前寄り出口の駅はドア開閉は運転士がやったりしてますが、セカセカと車内を歩き回る姿は大変だなと。

  

大清水駅の交換風景。昼下がりの明るい日差しを受けてピッカピカ。こうして見ると、彫りの深さが味わえる旧塗装の味わいもなかなかのものです。低い屋根のかかった郊外電車然とした大清水駅は、豊鉄渥美線のほぼ中間にある有人駅。

 

大清水駅に入線するカラフルトレイン菜の花編成。カラフルトレインシリーズでも巡り合わせか一番出会わなかったのがこの菜の花編成でした(笑)。菜の花編成を菜の花と撮りたかったんだけどなあ。後ろのゴルフ練習場の前あたりから老津に向かってしばらく菜の花が続く地帯があったのだが、逆光でなかなか撮り難しく…交換相手の旧塗装編成が、駅の手前のカーブをキイキイ言いながら回って来ました。


この後は、三河田原の駅にチャリを返却して再び新豊橋方面へ。睡眠不足とチャリンコ漕ぎですっかりオネム、三河田原の駅から電車に乗って意識がまったくなくなるまで眠りこけてしまいました。起きたら小池の駅だったので、朝に立ち寄った柳生橋の築堤でもう一回。春の陽は西に傾き、ちょっとセピア色の斜光線の菜の花築堤を往くつつじ編成を。菜の花築堤に入り日薄れ、見渡す山の端霞深し。


新豊橋駅まで戻り、あらかた撮るのも乗るのもお腹一杯。そろそろ帰ろっかな~とも思ったのだけど、天気もいいしせっかくだからシメに市内線を一往復乗って帰ろう。と言う訳で豊鉄の旅は、あともう少しだけ続くんじゃ。
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所詮オイラは電車好き

2013年03月12日 22時01分07秒 | 豊橋鉄道

(うららの春の柳生橋@柳生橋~小池間)

さて、本宿での撮影を終え、改めて豊橋鉄道に戻って来ました。まずは行きに高師から新豊橋までロケハンした中で菜の花の咲きっぷりが良かった柳生橋~小池間を目指します。まあ目指すと言っても柳生橋駅は新豊橋の次駅、右側にJRの豊橋駅構内が途切れてすぐに到着しちゃいました。サークルKの裏に1面1線の新しいホーム。駅の真横の川が市内を流れる柳生川、それに架かるのが柳生橋。乗って来た電車と小池で交換した新豊橋行きが、ゆっくり柳生橋の駅に滑り込んで行きます。


柳生橋から小池にかけて豊鉄の線路は東海道線をオーバーパスして行きますが、その築堤の上に咲く菜の花が見事に満開。県道沿いの歩道橋で構えていると、地元のファンとおぼしきおっちゃんも一人写真を撮りに歩いて来た。会釈しつつやって来たのはカラフルトレイン桜編成三河田原行き、鮮やかなピンクの車体が、春めいた豊橋の街に華を添えて。


柳生橋から再びロケハンしつつ乗車。菜の花築堤で東海道線を跨ぎ、築堤を下って新幹線をくぐると小池。小池からは国道との立体交差によるミニ地下区間があり、地下を出ると愛知大学前。南栄~高師にかけては高師緑地の松林の中を走ります。高師でかなりの乗客が下車し、坂を下って田園地帯に出ると芦原。思わず中和ビルを探したくなる向ヶ丘と言う駅を過ぎ、畑の中を走って菜の花に囲まれた植田。次の大清水でさらに乗客が降りると車内はごらんのように閑散として、貨物側線が残る老津から杉山と交換駅が続きます。杉山で対向電車の交換待ちをして、キャベツ畑とビニールハウスの風景を右に、一昔前の住宅街を左に見ながらやぐま台。やぐま台から豊島~神戸で渥美半島の中心部にある台地上の小さなサミットを越え、終点の三河田原まではあと一つです。って閑散とした車内で汗ばむくらいの春らしい陽気にうつらうつらとしてたら降りる気が萎えちまったよ(笑)。


ちょうど駅の手前に菜の花の小群落を発見、これじゃあいかんと一念発起して終点一つ手前の神戸で下車。一緒に旅行帰りかアタッシュケースを持ったご婦人二人も下車。土曜の午前中に帰るなんて、海外からの帰りとかなのかいな。乗って来た旧塗装と、柳生橋で見送った桜編成がここで交換。三脚を背負ってホームを降りるアタクシの横を通り過ぎる妙齢のご婦人二人が去った後、静かな住宅街に響いた音は郵便屋さんのバイクの音だけだった。


神戸の駅の豊橋寄りで構える。
かように閑散とした末端区間でも、全線15分ヘッドの豊鉄は時間通りにすぐやって来ます。三脚広げてカメラをセット、のんびり構図を詰めてる時間もないのでちと慌ただしいが、効率がいいと言えばいい。あっという間に踏切がカンカンとなり始め、森の向こうからカラフルトレインしでこぶし編成が登場。「しでこぶし」って言われても平成ノブシコブシを思い出すくらいでどんな花なのかは全く知りませんが、モクレンの仲間で東海地方に分布する貴重な落葉小高木であるらしい。


縦アングルに変えてもう一枚。今度は最近デビューしたカラフルトレインつつじ編成。深紅紫と言う感じのカラーリング、菜の花の海を泳ぐようなイメージで前ボケにして撮ってみました。あんまりボケ味を活かす写真よりかっちりした写真の方が好みではあるんだが…F2.8なんかで撮るのは久し振りだにゃあ。

   

上下合わせて2、3本を神戸界隈で撮影し、下り電車に乗車。最後の一区間は街道沿いの量販店を見ながら、入り江のような底の浅い川を渡るとあっという間に終点の三河田原へ到着。見掛け上は2面3線の広い構内を持ちますが、現在駅の周辺の再開発途上と言う事で、先行して新しくなった駅舎に隣接する1線のみを利用しているようです。駅前には伊良湖岬へ向かうバスターミナルとタクシー溜まりがあって、下車した客はそれぞれ次の行き先に向けての行動を取る結節点なのかなと。松電の新島々みたいなもんか。
田原の街自体は戦国時代からの城下町であって、周ればそれなりの名所旧跡もあるようですが、現在は田原市と言えばトヨタ自動車の国内生産拠点の一つである田原工場を抱える企業城下町。昔っからトヨタのおかげで財政面では相当恩恵を受けてるようです。


まあ、一泊でもする日程ならその辺りの史跡めぐりなんざを絡めた文化の薫り高い行動(笑)に出ても良いのですが、所詮タイトな日帰り遠征。そしてオイラは電車好き!三河田原の駅でレンタサイクル(タダ)を借り、沿線をゆっくり撮り歩いてみようと思います。土休日は豊鉄もサイクルトレインを実施してるんで、疲れたら電車にチャリンコ乗っけて戻って来ればいいんだしな。

正直、チャリンコなんか乗るの久し振り。
そしてレンタサイクルに過度な期待をしてはいけないのだが、案の定ギアはなかったw
続く。
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タカシ、朝だよ!

2013年03月10日 10時20分45秒 | 豊橋鉄道

(渥美線の中核@高師駅)

さて、夜の東海道をひたすら西下したどり着きましたのは豊橋鉄道渥美線・高師(たかし)駅。豊橋市街の南部に位置するこの駅は、渥美線の検車区を擁する運転上の中核駅。乗客流動上も一つの節目になってるようで、新豊橋基準を10とすると、高師までが7、この先の大清水までが2、そして終点の三河田原まで行くのが1くらいのもんでしょうか。周辺は住宅街で、豊橋までの運賃も160円と意外に高くない。車社会の中京圏は朝夕の渋滞も激しいですから、定時性のある鉄道にもアドバンテージがあるんでしょうねえ。
駅員配置の有人駅にて、改札の駅員氏から渥美線フリーきっぷ@1,100円を購入。新豊橋~三河田原間が540円ですから、1往復プラスαでモトは取れます。ちなみに今回は高師駅に併設されたパーク&ライド用の駐車場を利用したんですが、一日500円ですんで車で来るなら新豊橋よりこちらに来たほうがいいと思いますよん。


高師駅は島式ホーム1面2線。交換可能な構造はしておりますが、日中ダイヤでは外側の1線を使うだけで交換はないみたいです。乗客は駅舎からこのように島式ホームのどてっ腹に付いた切り欠き階段を使って乗車しますが、なるほどこれじゃあ安全上も交換はしにくいかもなあ。交換すると完全に客はホームに封じ込めになっちゃいますもんね。まあ、こう言う日常の雰囲気があるのも地方私鉄の魅力だとは思う。ホームが狭いため、到着電車の乗降を優先し、それが終わってから次の電車の客がホームに上がると言うルールが定着しているようです。

 

高師駅から踏切を挟んで南側に位置する高師検車区。
何本かの側線と検修庫がありまして、今日は出番のない車両たちが休んでます。
前述の通り、現在の渥美線電車は全て1800型(元東急7200系)ですから、雰囲気としては一昔前の池上線の雪が谷大塚みたいな?目蒲線の奥沢でもいいけど、このコチャコチャした感じは雪が谷大塚だね。うん。渥美線は日中全線15分間隔とこれまた意外なる高頻度運転で、10編成のうち7編成がレギュラーで出庫するようなのでここに残留してるのは非番組って事ですか。非番組の中にはグリーンとなぎさ編成ことグラデーションブルーが…うーん、この二つは色のバリエーション的には営業に入ってて欲しかったのだが(笑)。

 

時刻はまだ土曜日朝の7時前、それでもそれなりの客が主に豊橋方面へ乗車するようで、とりあえず始発駅の新豊橋に向かってこちらも乗車します。南栄、愛知大学前、小池、柳生橋と乗客を乗せ、新豊橋までは10分ちょい。新豊橋駅はJR線の北側に頭端式の島式ホーム1面2線、到着すると反対側に止まってる電車が三河田原に向かって出て行くので、常時どちらかのホームには出発電車が待っております。ホームで待たされる事がないってのはいいやね。左側の黄緑色の電車が、今回の「カラフルトレイン」プロジェクトによって生まれ変わった「しでこぶし」編成。


さて、新豊橋まで出て来て、まだ時間は7時を少し過ぎたあたり。周りの人々は足早にどこかへ向かって行き、一人改札にぽつんと取り残されました。手元にはフリーきっぷ、改めて三河田原に向かって行ってもいいんだけど、どうしようかな。と考えてアタクシが向かった先は…


名鉄。
ちなみに快速特急新鵜沼行き。
話が違うやないかい!(笑)。
続く。
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色とりどりのダイヤたち

2013年03月09日 23時00分00秒 | 豊橋鉄道

(菜の花100万本プロジェクト@豊橋鉄道渥美線)

昨晩のWBC、ビハインドの土壇場で同点打を放った井端に対し、思わず「井端あっぱれ。明日名古屋行って来るww」と言ってしまったので有言実行してみる。ってか、まあ最近新規の地方鉄道も開拓してないなと思っていたところにヨメさんから一日おヒマを頂いてしまいましたのでね。せっかくなんでちょっと頑張って日帰りで豊橋くんだりまで足を伸ばしてみました。真夜中の家を出て、国道1号をひたすら西へ向かうのなんて超久しぶり。それこそ全盛期(?)はみんなを引き連れて深夜の1国ドライブ、浜名湖常滑蒲郡、中京笠松名古屋へと練り歩いた事もありましたさ。もうそんな元気ないかな~なんて思ってたけど、昔取ったキネヅカと言うべきか、寝てなくてもさして疲れもせず豊橋くらいだったら行けてしまうものなのですね。
豊橋鉄道は、豊橋から渥美半島の背骨に沿う形で半島中央部の田原市までの約20kmを結ぶ渥美線と、市内の路面電車を持つ地方私鉄。名古屋鉄道の連結子会社として、東三河を中心に交通・不動産事業を展開している会社でございます。温暖な事で知られる渥美半島、豊橋鉄道では「菜の花ライン計画」として沿線に100万本の菜の花を植え、伊良湖の「菜の花祭り」とコラボする形で観光需要の喚起に努めているようで。菜の花&鉄道ってーと真っ先に思い出すのは千葉県のいすみ鉄道が有名ですけど、両方とも温暖な半島にある鉄道線という事には共通点がありますね。


さて、その豊橋鉄道の鉄道線、渥美線の主力車両は1800型。ダイヤモンドカットの元東急7200系と言えば上田交通でも主力として活躍した車両ですからすでにお馴染みですよね。名鉄の子会社なのに東急のお下がり?と言うのも理由があって、当初利用電圧を600V→1500Vに昇圧する際に名鉄から中古車両を導入したんだけども、吊り掛けモーターのオンボロ車両ではどうにも加速度が弱くてスピードアップが出来ず、やむなく東急から7200系を大量に回してもらって改めて設備の近代化を図ったんだそーな。7200系と言えばステンレス・18m・3扉・短編成ユニットと言う駅に近くて一階がコンビニで家賃が安くて隣に若くてかわいい女子大生が住んでる部屋くらいの地方私鉄に求められる条件を全て具備した優良物件ですからなあ(笑)。東急での引退後全部がどっかの私鉄に引き取られて使われた、文字通りの「引く手あまた」の車両な訳です。

そんな豊橋鉄道の1800型、今年より新たに「カラフルトレイン」として生まれ変わり、「咲き香る渥美半島の花々をデザインした10色のカラフルな電車」をコンセプトに、既に4編成はリニューアルされてデビュー済みなんだそうです。
春の香りの渥美半島に、華やかな電車たち。
初訪問の豊橋鉄道、そんな出会いも楽しみな一日の顛末は、明日以降に続く。
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