第62回 大島レース

 
大島レースから帰って来ました!
大島レースは、ここ最近運営スタッフをやっていたこともあり、チョット思い入れのあるレースです。今まで何度か他のチームで参加させてもらったけれど、自分たちのフネで出るのは今回が初めてです。なので準備大変でした。1年半前に買い替えたこのフネは、外洋レースで今まで何度も勝利している元ENZOさんなので、装備は一通りそろっているのですが、新しいカテゴリー3をクリアするために、無線機の購入から始まって、国際VHFの開局申請、トライスルの新調、その他コマゴマした安全備品を買い揃えて、レーティングも特急でギリギリ申請、そして人集めと、直前まで準備に奔走し、もうひっちゃかめっちゃかになりながらようやくエントリーに漕ぎつけました。ふー。

吹きすぎても困るけど、吹かないのも困る。でも雨だけは絶対に勘弁してほしい。などと贅沢なことを言っていましたが、ありがと神様~。青空のもと、元気にドックアウトです。イイ風は期待薄だけど、とにかく気持ちの良い初夏の海、いよいよ葉山をスタートして、熱海沖の初島を廻り、大島を廻って帰る85マイルのオーバーナイトレースの始まりです。


ドックアウト前、ノープロのオーナーさんやガイアもぎもぎも加わってパチリ。


行ってきます~

今のところ、北東っぽい風、そのあと東~南東に振れて行く予報です。初島まで240度。スタボでピンに向かい、即ジャイでポートのスピンスタートです。すでに東っぽくなっているのでアングルも丁度良く、弱いながらもスピンが十分はらむ気持ち良い軽風で快調に進みます。そして予報どおり南東→南まで回って来ました。ここでスピンをおろしますが、確固たる意志の沖出し派がヘッドアップしていきます。ホビはラムから離れすぎないよう慎重に進みます。風はさらに振れて南西みたいになってきて、のぼりきれなくなってきました。LMからMHにチェンジ。

このままでは恐怖の真鶴カームエリアに向かって一直線なので、タイミングを見計らって返します。アングル悪く、あさっての方を向いてしまいますが仕方ありません。そしてプランよりもやや岸よりからのアプローチになり、初島に近づくころにはまた大きく左に振れ戻したので、岸寄り組はちょっと分が悪くなってしまいました。沖は、かなりのオーバーセールだったはずだけど、あっさり逃げ切られてしまいました。第一レグはちょい負けな感じ。初島灯台をマグ0に見てロールコール。


回航後は大島へ南下する通称大島の「渡り」レグ。潮も強く、どのタイミングで大島へ向けるかがキモとなる前半のターニングポイントです。川奈の方へしばらく南下するのが昔からの定石のようですが、ここ数年は早めにヘディングを大島に向けたフネが成功しているパターンもあったりで難しいところです。初島廻ってから即タックした船が何艇か。ホビはそれらのフネがかなり落とされて大島の左に向いてしまってるのを見てしばらく岸へ伸ばします。

その先で、大きく右振れした強い風のエリアに入りました。18ktを超えてきたのでNo.3にチェンジ。これで大ゲインです。初島を後ろが寂しい状態で廻ったホビは、大型艇の後に続くフリートのトップに近い位置に踊り出ました。ほんとにわからないものです。でもまだ始まったばかりなのでこの先も何が起こるかわかりません。時折チコっとスプレーかぶるくらいの風をしばらく走り、千波へ向けタックします。


18:00のロールコールのポジション。大島へ南下する「渡りレグ」です。
ホビは初島の遅れを帳消しにして岸寄りを進みます。

交代で夜支度をして、航海灯をつけてナイトに突中です。イイ風は長くは続かず、このあたりから風がヘロってきました。再びMLにチェンジ。はっきり見えていた先行する大型艇の3艇は、風が落ちる前に渡り切ってしまったようで、あっという間に見えなくなりました。風向も定まらず、ごく弱い東~北の風がチョロチョロ入ります。その上岸に寄せられる潮で、千波越えはひじょーーーーに苦労しました。すぐそこで、ザッバーーーン!と波が砕ける音。真夜中に、声が聞こえるくらいの至近距離でデットヒートを繰り返します。ヘディングは南ですがCOGは東とか北とか。脂汗をかきながら長い事のた打ち回り、ようやく竜王へ向けて廻り込みます。


24:00のロールコールポジション。
これは、たぶん、というか絶対緯度を言い間違えてますゴメンナサイ~
でもグレートピープルさんと千波の沖で何度もミートしたので、そのあたりにいたはず。すごいぞ。

その後、竜王越えも苦労します。ここのあたりで後続にまたキャッチアップされはじめます。ホビは今回3番目に低いレーティングなので仕方ないです。でも頑張って走ります。

3:38竜王をマグ0に見てロールコール。この時はダンゴでした。
海の上にいると東の空はもうこの頃にほんのり明るくなるんですねぇ。波浮の漁師さんたちも漁に出て行きました。明るくなった頃、電池切れとなり、1時間半ほどダウンビローで目を閉じます。次に目が覚めた時も、セイルがばっさばっさいっているので風はまだひょろひょろみたいです。うう。



ひょろひょろ風の中を漂います


朝ごはんのギョニソパン。雰囲気盛り上げアイテムとしてマスタードを。ほらイイ感じ!

元気ドリンク飲んでシャキッとして、さあ、勝負の最終レグです!ごく弱い風の上りですが、暫く耐えていたら案外早い時間帯に安定した軽風になりました。COGで10度以上落とされていますが、無理して上らず、とにかくスピード重視で外取りシートで走ります。太陽がギラギラで気温があがり、その後、念願の南風が入ります。スピンを揚げて丁寧に滑らせます。同クラスのライバル艇が前に2艇。なんとしても差を詰めていかなくてはなりません。


12:00のロールコール

南西ブイの西側を通り、見慣れた景色になった頃には風は10ktを超えてきました。北西に寄せられる潮に乗り、ホビは西側に弧を描くような航跡で沖側を進んだことが功を奏し徐々にゲイン。同クラス艇と亀城近くでついにミートです。よく追いつきました!押さえのジャイブを入れてそこからはぐいぐい行きます。

フィニッシュが見えてきました!
長いレースでしたが、13:41無事フィニッシュ!!うれしい瞬間です。うー、ソワソワします。何度もスクラッチシートを確認。でもまだ計算間違いってこともあるし、確定するまで歯を見せてはいけません~。

結果、第62回大島レース勝ってしまいましたッ!日本最古の伝統の外洋レースでIRC総合、ORCCともに優勝という結果に、もぅ、目が白黒してしまいます。ほら、こういうの慣れてないので~。苦労して準備に駆けずり回った甲斐がありました。

バルクヘッドマガジンは、「第62回大島レース、ホビーホーク完全大勝利!」という見出し。wow!勝利じゃなくて、「大勝利」だって。
ホビの名が、こんな風に出るのは初めてのことです。今までクラブレースとオープンレース専門だったので、実は今回がIRC,ORCCとも公式戦デビュー。メンバーに恵まれ、みなさん素晴らしい働きで勉強になりました。そしてフネの上は陽気で前向き。いつものことながら激しく楽しかったです!!感謝です。どうもありがとうございました。

解散してマリーナをウロウロしていたら、フェロちゃんがフィニッシュするとの情報!タイムリミットぎりぎりです。居ても立ってもいられず、○尾さんのフネでそこらへんの人と一緒にフィニッシュを見に行きました。カームに苦しんで絶望的だったはずなのに、最後まで諦めずに走って来ました。そして29時間走ってタイムリミット7分前に無事フィニッシュ!みんな、すばらしい笑顔でちょっと感動。自分たちの優勝ももちろんうれしいけど、こんな風に爽やかな達成感を共有できるのがロングレースの魅力ですね。

また、出たいです!!


フェロちゃんもタイムリミット内にフィニッシュ!よかった!

今日は余韻に浸かった一日でした。日焼けして、夜通しレースして、心地よい疲労感にひたっています。そして時々、口角があがってにやけてしまい、職場ですっかり怪しい人です。でもいいんです。まわりには、こんなに充実した楽しすぎる週末を送った人なんてそうは居ないはずだから。

大島レース 深夜の漂流メンバー:8人
ひーさん、ろってん、Teruさん、S根さん、リゲ子、I川さん、ホセ、わたし。
久々に、小学生絵日記 出たよ!

第62回大島レースリザルト
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コメント
 
 
 
やったね! (やまじん)
2012-05-30 08:17:06
すごぉ~い! やったね。

「鼻」じゃなかった「花の大島レース」完全優勝

いつかはうちも出てみたいです
 
 
 
ありがとうございます (su)
2012-05-30 12:13:28
やまじんさんありがとうございます。
ホビが出て、他にもそう思ってるフネがいっぱい出てくれればいいなーと思います。(*^^*)
 
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