第19回初島ダブルハンドヨットレース

スタート10分前。長い一日になりそうです
photo by キワムの写真館 © Kiwamu Takahashi

レース前日、せっかく超ラグジュアリーなアド号クオーターバースにお泊りさせてもらったのに、暑さと蚊の攻撃にあって午前2時まで眠れず苦しんで、やっと寝付けたと思ったら5時には目覚ましの音。はぁー眠い。外に出てみると、む、無風…。

いよいよ楽しみにしていたダブルハンドの朝です。クルーをお願いした某業者?H氏とともにやや緊張気味に朝6:15ドックアウト。海面に出てみると、おぉー来てます来てます、朝早くから逗子沖に68艇のクルーザーが集まってきています。本部艇ティブロンを目指して一直線。エントリーを済ませセイルアップ。ティブロンにだどさん発見!行ってきま~す!


今年はまったり(ぼてぼて?)スタートです
photo by キワムの写真館 © Kiwamu Takahashi

ごくごく弱い南寄りの風で初島へはポートののぼりです。アウター寄りに位置取りするけど、エンジン切るとヒャー、風無くラインにたどり着けません。2~3分遅れてやっとラインを切りましたが全艇見事に漂っているのでまったく問題ナシでした~。

見事なまでの無風…。舵はノーコンなのでセンター固定しとくしかありません。ブームを押さえてぐっっと我慢のセーリング(浮いてるだけ)。1時間経ってもアウターがすぐそこ。で、結局4時間のた打ち回っても江ノ島。ずっっっっとシモで固まってヘルム取ってたので肩がコチコチになってしまったので、ちょっとだけヘルムを交代してもらい、水分取ってリフレッシュ。


振り返ってパチリ。風、ない…。

その後ずいぶん経ってからやっとそよそよと風が入り始めました。無風から微風へ。フェロちゃん前だけどすぐそこ!早々と沖出ししていった艇が半分ほど。空は曇ってきて風も依然弱め。これじゃあガツンとしっかりしたサーマルも入って来そうにありません。むしろ、岸も良いです。やっとカミ側に座れるようになった風は、なんと岸寄りから入ってきた西っぽい風でした。で落ち着いて南西。

南へ向かって長~いスタボーのクローズ。どうしてもフェロちゃんほど角度がとれません。気にしすぎて合わせると失速。差が縮まったり拡がったりの神経戦です。おぉーーーーい!海広いんだから、もっと離れて走ろうよーーー!でもなぜかいつもどおりにつるんでいる2艇です。

後ろにいると分が悪いので、もう角度の差は気にせずに、ドライブモードで行きます。じわりじわりとシモに並びその後左フレのパフがちょこちょこ入り始めていい感じにアタマを出してきました。
フェロちゃんはこれを嫌ってタック。わたしたちはまだ伸ばします。これでひとまずバイバイです。これからは海援隊と二人旅♪。暫く走ってからタック。やっとしっかりした風が入ってきました。だんだん風は更に左にふれて、南。もう初島へ向けられます。ここまでならよかったんだけど、結局その後さらに左に振れ切り南東みたいな風向へ。なんとこれでオーバーセイルの角度です。もともと初島北東側のカーム地帯を嫌って、やや沖目を狙っていたのに、今年は結局ラルもナシ!だったので、さらなるロスとなりました。岸に行ったフェロちゃんはそのまま向けられてるだろうから絶対絶対前。

そのうち、霞んで見えなくなっていた大型艇が初島を回って折り返して来ました。サクラ、ガイアを見送り、アド号もジブトップで快走!みんなガンバレー。ちっこいのも頑張ってるゾ~。まだ後ろに大きいのが沢山いるので、68艇中8番目に低いレーティングのホビー号としてはまずまずの位置ですかね。

その後、H氏の過激なガイドで初島を超小回り!一番最初の長い根をかわしたらすかさずタックして港の入口の岸壁ギリギリまで上りもう一発タック。今度はゴロタの浜に沿ってタック。ホテル下の浅瀬もギリギリでかわしベアダウン。ひぇーーー、かな~りビビリましたが、H氏のガイドを信じて超小回りを敢行。外を回った海援隊もかなりビビったかも。初島アプローチ大賞受賞確実。

このあたりいい風吹いてます!初島灯台マグ0度を15:40に確認。スピンはちと厳しい角度だけどフィニッシュ目指してスタボーアビームでまっしぐらです。残航24マイル。残り時間5時間20分。このままで行けば十分フィニッシュに間に合いそう~。気づけば雨ですが気分は行け行けホイホイ!です。さぁ目指せ逗子~!

アビームで走ること1時間、風が少し後ろに回りスピンが揚がる角度になりました。私はガイとシートを持ちティラーを股に挟んでポールアップし、H氏がセットしてホイスト。難なく成功。ホッ。風もやや落ちてきてタイムリミットとの戦いなので、慎重にヘディング見ながらスピンで角度のロスにならないよう走らせます。でも、この風は長くは続きませんでした。前を走ってるフネがあさっての方向いてるのでもしやと思ったら、バサっと振れて前からの風。しばし安定せず風見はクルクル回ってたけど、やがて北風に。むぅ。

淡々とクローズを走ります。南と北のケンカは終わって、北風が徐々にあがってきました。もうちょっとだけでもシフトすればいいんだけど、真のぼりでは残り時間が相当厳しいス。でもまだ振れ振れの神様が降りてきて風を曲げてくれるかもしれないし、とにかく逗子に向かって祈るような気持ちで走ります。日も暮れて航海灯を点灯。ついにナイトに突入。

三浦半島に近づいても依然クローズが続きます。時折北東っぽい強めのパフが入りヒールもきつくなりトラベラーちょい落としながらの走り。ダブルハンドでのナイトって結構強烈。冷静に考えると恐ろしいような、ビビるって言うか、でもそれもチョット快感みたいな。全身ずぶ濡れで寒くてガタガタ震えてるけど、なんとも言えない独特な気持ちの高揚感があってナチュラル・ハイ状態でした。

白10秒の江ノ島灯台、赤2秒の葉山新港の灯台を確認。残り時間が厳しいのはわかってる。わかってるけど、もうここまで来たら諦めずに最後まで行くしかありません。時間を気にして気を揉むのが嫌だったので、8:20を最後に時計を見るのをやめました。とにかくガンバロー!ということを確認しあい、あとはもう奇跡を信じて超超超ストイックモードに突入。

真っ暗闇の中、薄暗いライトに浮かび上がるテルテールに目を凝らしながら無言で走ってたら、夢なのか幻覚なのかよくわからなくなってきて、テルテールの毛糸がセールのそこらじゅうからモジャモジャ生えてきて毛糸だらけになり、「 ギャー、(@o@) もうどれ見りゃいいのよ~ 」 状態(-_-;)。 結構限界に近かったのでH氏にちょこっと交代してもらおうかとも思ったけど、今回は艇長としての出場だから、こんなふうに上手く走らせられなかった事も、DNFになっちゃったとしても、それもすべて自分の責任!と思いやっぱり最後までやることにしました。

フィニッシュの本部船の黄色い回転灯を発見!遠くからえらい明るく見えていたのはリビエラの灯りだったみたいです。あと少し!ガンバロー!と思って走り続けましたが、一瞬本部船が動いたような気がして恐る恐る時計を見たら。
ふー。ここでジ・エンドでありました。残り直線で1マイルちょっと。14時間頑張って走ってきて、15分足りなかったってところでしょうか。あまりにも無情で、ぐやじ~!雨も潮も鼻水も涙も一緒でぐちゃぐちゃです。でもすぐに、最後までベスト尽くして頑張ったよなぁと思ったらスッキリ晴れ晴れした気持ちになりました。うん、まぁ、これは自己満足の世界だから。DNFはDNF。でもいいんだー 誰にも評価されなくても自分の気持ちの問題なので。

機走でマリーナに向かうと、葉山から参加の何艇かが同じ向きに走っていました。みんなすぐそばにいて同じように最後まで諦めずに走ってたんですねぇ。長いレースを終えて同じ気持ちを抱えながらホームポートへ帰ってきました。
そしてマリーナに着いてもっと驚いたことは、もう22時近くだというのに、応援に来てくれたクラブのサポート隊が雨の中到着を待っていてくれたことです。ショアクルーばりに空いてるポンツーンに誘導してくれて、もやいとってくれて、先にフィニッシュした大型艇の仲間も加わって一緒になってセールをたたんでくれました!これは、本当に嬉しかったですね。持つべきものは仲間です。葉山軍団はただ騒がしいだけじゃないんですっ。

ん~!初島ダブルハンド2007終わりました。色々あったけど今年も楽しかった!来年も絶対やります~。リベンジ~! 
…とこうやって、またダブルハンドにズッポリとはまって行くのでした。
ZMYCのみなさま。今年も楽しいレースをどうもありがとうございました!

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本日のメンバー = 2人(当たり前だっちゅーの!)
ヘルム: わたし  それ以外全部(^_^;) :ひーさん

 


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