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海老蔵十三役の「義経千本桜」七月大歌舞伎

2019-07-23 22:14:17 | 見る
七月大歌舞伎夜の部「成田屋の千本桜」7月22日に観た。
海老蔵が十三役を早替わりで見せる奮闘公演。
これは大変ですよ!
先週、海老蔵が声が出なくなり、二日間休演したのだが、無理もないと思える舞台。
終幕には顔がやつれてるもん。
おもしろかったです。
ですが、「義経千本桜」の名場面のダイジェスト集みたいになってるので、
これだけの労力を注いで、芝居としてはもったいないような気がする。

たとえば「鮨屋」だと、いがみの権太と弥左衛門と維盛の三役をやっている。
刺す弥左衛門と刺される権太が同じ人なので、どう早替わりするか。
代役の人と、さっきお里が使った枕屏風を使って入れ替わるのを、
苦労しながらうまく見せてるんですけどね。
権太が述懐するところをじっくり見せるというふうではないので、
こんなに苦労して早替わりしなくてもと思ってしまって。

宙乗りもあるの、二回!
渡海屋~大物浦も、知盛のほかに、ご注進と駈け込んできて自死する役もやる。
知盛は似合う役だし、いいと思うが、
碇の綱を体に巻いて、後ろへ引っ張られて、バーン!と落ちる、一番の見せ場、
そのあとがまだあるのよ。
幕切れに義経の家来のうち弁慶が一人残って、花道を引っ込んでいく、
その弁慶もやるの。
そのあとがまだあるの、入水した知盛の亡霊が宙乗りで花道から3階へ、
天空へ昇っていく姿を見せるんです。
これをやるんだったら、さっきの弁慶の引っ込み、いる?と思っちゃった。

宙乗りのもう一回は当然、狐です。
狐忠信を熱演したあと、花道から3階へ飛び去っていく。
私はてっきり、ここで終わりだと思って見てた。
3階の引っ込み口に入っていくところで、桜の花びらがバーッと散ってくるんだろう、
と思ったら、散らなかった。終わりじゃなかった。
そのあと、舞台に幕を下げてモニターにして、演じた役全部、映像で映した。
そのあと、まだあったの。
その幕を上げると、たくさんの襖を立てて、今度は本人がそれを使って早替わりして
いくつかの役を見せて、ええと、最後は何の役で終わったんだったかな?
ここで芝居として終わったあと、また幕を下ろして、え?どうやって終わるの?と思ったら、
幕が上がると、裃で海老蔵として正座していて、そこに、
ブワーッと大量の桜の花びらが落とされた!ひゃあ!
同時に、客席の上からも桜の花びらが散ってきた。コンサートみたい?

楽しかったけど、うーんという感じもあり。
でも、どうしてもやりたい、やりたかったのねと思いました。
客席はほぼ満席、よく入ってます。
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