よむよま

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崇徳上皇、鬼となる

2012-07-30 18:31:14 | 見る
「大河の清盛」30話は、
怨念によって鬼となる崇徳上皇と、
その怨念を鎮めようと豪華絢爛な「平家納経」を製作して、安芸の宮島へ乗り込む平氏一門を、
また対比して描いておった。
両方を交互に出して描くの、好きなのね、このドラマ。

そして、このドラマは敗者をていねいに描きますね。そこんとこ、いいね。
頼長、源氏、今回は崇徳上皇を。

流された讃岐で、心静かに「あきらめて」暮らしていた上皇だったのに、
後白河院の皇子誕生のお祝いに贈った写経がすげなく送り返されてきた上に、
都で出家した息子(ほんとうは天皇になるはずだった人)の急死の知らせを受けて、
怒りと恨みで、鬼になってしまう。
髪も爪も伸び、血の涙を流し、生霊となって都へ飛んでいく。

井浦新はおどろおどろしい特殊メイクして、凄かった。
自分でも提案したり、入れ込んで演じたというから、
この人はほんとにやりきろうとする演技者なんでしょうね。
「日本国の大魔王となりて、皇を民に、民を皇にせん!」と言うのも、迫力。

写経を積んで安芸へ向かう平氏の船が、怨念の嵐に翻弄されて沈みそうになるんだけど、
清盛はむかしを思い出して、海賊たちと一緒になって乗り越えるの。
お経を海へ捨てれば助かるんじゃないかとか、
気弱なことを言う弟たち息子たちは、
やっぱりダメなのよね。

崇徳上皇の側に感情移入して見てたから、
「平氏一門など、沈んでしまえーっ!」と思っちゃった。
まあ、後にほんとにそうなるわけですわね。

最後の瞬間に、朝の光が射して、こどもたちの声が聞えて、
上皇は文字どおり憑き物が落ちたように、
すーっともとの顔に戻って死んでいきました。
「遊ぶこどもの声聞けば わが身さえこそゆるがるれ」を体現した感じ。

グロテスクだったけど、かわいそうで、涙が出た。
悲しい人。

今日の歩数計:5,809歩
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