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道成寺とぢいさんばあさん(十二月大歌舞伎)

2021-12-17 18:42:41 | 見る
道成寺とぢいさんばあさん(十二月大歌舞伎)

歌舞伎座第二部を観てきました。
「男女道成寺(めおとどうじょうじ)」は男女二人で踊る道成寺もので、男の狂言師を尾上右近、白拍子を勘九郎。勘ちゃんの女形の踊りは珍しくて、とってもうれしい!
お芝居の女形は、勘ちゃんは喉つぶしてから高い声が出ないから難しいかもしれないけど、舞踊はぜひお願いしたい。
最初の登場のところは二人とも白拍子姿。右近さんは美人さんだから、並ぶとどうかしらと思ったのですが、勘ちゃん美しかったのです!愛らしく華やかで、ちゃんとした女形で、それで動きが大きくて、一つ一つの振りがクリア。先代の芝翫さんのファンだった私としては、ところどころ芝翫さんを思い出すような感じがあって、そこもうれしかった。
右近さんも、踊りがへたな人じゃないのね。しっかり踊れてたと思います。ただ、狂言師は三つのお面(おかめ、えびす、ひょっとこ)をパッパと替えて踊る、非常に技巧的な部分があって、難しいね。
じっくり楽しく観ましたが、右近さんがどうとかじゃなく、私、勘ちゃんの一人立ちの「京鹿子娘道成寺」が見たいんですよね。
そのほかにも女の踊りはどんどん見せてほしいな。特に「年増」はいつかお願いします!粋でおしゃれで小道具が多いという大変難しい踊りで、歌右衛門~先代芝翫と続く、妙技の系譜があるので。

もう一本の「ぢいさんばあさん」は森鴎外の小説をもとにした芝居で、若い武士が、朋輩との言い争いから相手を斬ってしまい、他家にお預けとなり、新婚の妻と別れ別れになって37年。許されて、すっかりぢいさんばあさんとなった二人が37年ぶりに再会する、いまふうに言えば「ほっこりする」お芝居。
武士を勘九郎、妻を菊之助。それぞれのお父さんやおじいさんがやってきた役、でも、「ちょっとぼくらだと若いかなと」と勘ちゃんが言ってた。そうですねえ、でも、勘九郎さんは実は老け役がす~ごくうまいのよね!だいぶ前の三谷幸喜作・演出の新作歌舞伎で爺さん役で出てきて、声を出すまで誰だかわからなかった(笑)。
再会シーンの勘九郎ぢいさんは、やっぱり違和感なく老けてて、愛嬌があってほほえましくて、いい感じに「ほっこり」しました。
なかなか良い、年の暮れの歌舞伎観劇でした。
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