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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ゲティ家の身代金

2019年05月16日 | 映画(か行)

ドケチの見本!

* * * * * * * * * *


アメリカの大富豪、ジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐されるという、
1973年に実際にあった事件を基にしています。



17歳ポール(チャーリー・プラマー)はイタリアのローマで誘拐され、
母ゲイル(ミシェル・ウィリアムズ)のもとに1700万ドルという巨額の身代金を払うよう要求が届きます。
ゲイルはゲティ家の息子である夫とは離婚し、
養育費も何も受け取らない代わりにポールの親権を得ていました。
そのため、彼女には到底そのような巨額の身代金を払うことなどできません。
そこでやむなくポールの祖父であるゲティ氏(クリストファー・プラマー)に、援助を求めます。
そもそもこの大富豪の孫だからこそ誘拐されたわけですし・・・。

ところが、ゲティ氏はとんでもない吝嗇家、つまりドケチだったのです。
当然のように身代金の支払いを拒否。
ゲイルは元CIAの交渉人であるフレッチャー(マーク・ウォールバーグ)とともに、
なんとか息子ポールを取り戻そうと奮闘しますが・・・。

実話と知らなければ、なんと不出来なストーリーかと思ってしまうところです。
少なくとも本作中でゲティ氏は孫息子であるポールを結構気に入っていたようなのです。
しかるに、その命がかかっているというのに、
しかもお金など有り余っているというのに、身代金を出そうとしない・・・。
そんなさなかでも、彼が超高額な絵画を安々と購入する場面などもあって、
腹立たしいと言ったらありません。



ゲティ氏は、ポールがまだ幼いときに、
ある遺跡から発見された貴重なものだと、小さな像をプレゼントします。
ポールの身代金に窮した母はそのことを思い出し、
それを売ってお金にしようと思ったのですが・・・。
私ははじめからその像のことを思い出せばいいのに、と思って見ていたのですが、
なんとその思いをも裏切られる、ゲティ氏のどケチさには呆れさせられるばかり。
ホテルのルームサービスを頼むのがもったいないと言って、自分で洗濯をしたり、
来客に電話を貸すのも嫌なので、屋敷内に公衆電話を設置してみたり・・・、
徹底して節約して、どうするつもりだったのかな。
あの世に持っていけるわけでもなく、
結局高価な絵画を抱きしめて眠りにつくくらいしかできなかったのに・・・。



「お金は持てば持つほど余計に欲しくなる」と誰かが言っていました。
私はそこまでお金を持っていなくて幸い、と思うべきなのでしょうね・・・。

ゲティ家の身代金 [DVD]
ミシェル・ウィリアムズ,マーク・ウォールバーグ,クリストファー・プラマー
KADOKAWA / 角川書店

<WOWOW視聴にて>
「ゲティ家の身代金」
2017年/アメリカ/133分
監督:リドリー・スコット
出演:ミシェル・ウィリアムズ、クリストファー・プラマー、マーク・ウォールバーグ、ロマン・デュリス、チャーリー・プラマー

どケチ度★★★★★
満足度★★★★☆