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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

かもめ食堂

2008年04月03日 | 映画(か行)

(DVD)
日本作品でありながら、舞台はすべてフィンランド。
ヘルシンキで一人の日本女性サチエが開いた食堂が、かもめ食堂。
彼女はここの看板料理を「おにぎり」とし、
ごく庶民的な日本の料理を提供しようとするのですが、全くお客が入らず閑古鳥。
始めてきたお客がフィンランド青年トンミ。
なんと彼は日本かぶれ。
ガッチャマンの歌の歌詞を教えてほしいとサチエにせがむ。
ヨーロッパではすっかり日本アニメが蔓延し、
”オタク”まで出没しているということか。
でも、自慢じゃないけど、私、ガッチャマンの歌はかなりおぼえてますねえ・・・。
TV放映時リアルタイムでは20歳前後のいい年だったですが、
”コンドルのジョー”に結構入れ込んでましたので・・・。

さて、話はもどりまして、初めてのお客なので、彼へのコーヒーは無料と決める。
そして日本からふらりとやってきて、店のお手伝いを始めた女性二人。
小林聡美・片桐はいり・もたいまさこ、この個性的な三人がそれぞれいい味を出し、ゆっくりした時間の流れの中での変化を共にしてゆきます。

こんな人の入らない店に、お手伝いが2人もいてどうするの~!
・・・と思ったのですが、徐々にお客は増え始め、
次第に、サチエの夢見たとおりの、あったかい感じの小さなお店が実現していく。

豚肉のしょうが焼き、鮭の塩焼き、鳥のから揚げ・・・ライスを添え、
フィンランドの人々はお箸を使ったり、ナイフ・フォークを使ったり、
思い思いに食事を楽しんでいる。
その調理シーン、食事シーンを見るにつけ、すごくこちらの食欲が刺激されてしまいました。
わ~ん、おいしそうだったよ~。
でもそんな人たちも、おにぎりは警戒気味。
ちょっと、不気味な食べ物に見えるようですね。
さすがムーミンの国、ちょっぴりの不思議を混ぜ込みながら、
淡々と、そしてほんのり温かく、何よりも、おいしそうな香りに包まれた、
大事にしまっておきたい気にさせられる作品です。
フィンランドの風景と、もたいまさこさんのおっとり味は絶品!

2005年/日本/102分
監督:荻上直子
出演:小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、マルック・ペルトラ