goo blog サービス終了のお知らせ 

映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

バンテージ・ポイント

2008年04月02日 | 映画(は行)

異なる8つの視点から見た大統領狙撃事件の顛末。
ということで、これがなかなかスリルに富んでいまして、
同じ時点から何度も話が巻き戻され、
しかも、少しずつ新しい事実が見えてきたりするのが大変面白くて、息を呑む90分。

スペインで開催されるテロ撲滅のための国際サミット、というのが舞台です。
欧米と中東が始めて結ばれるための話し合い・・・という、実際にあって欲しいようなサミット。
これは日本なんて、蚊帳の外かい?と思ったら、ちゃんと日の丸の旗も私は見ました!・・ひそかに、安堵。

さまざまな人の視点が入れ替わるのですが、中心になるのは、米大統領のシークレットサービス、バーンズ。
彼は以前大統領に向けられた銃弾を受けてしまったことがあり、
そのトラウマでやや、精神が不安定。
この人で大丈夫なのかい?と、はじめ思わせられるのですが、
事件の渦中では、そんなことも忘れ、本来の彼の力量を発揮し始めます。
スペイン街中でのカーチェイスもなかなかの迫力でした。

米大統領の狙撃。
ここにまた、一つの大きな秘密があるのですが、これは言ってしまうとネタばらしになっちゃうので、やめておきましょう。
しかし、闘う大統領。
これもいいですね!

私が感じたのは、ただ単に、視点が切り替わるのではなくて、場面の切り替え方がうまい。
たとえば、バーンズがTVの中継車で、VTRのとあるシーンを見る。
「そんな、ばかな」と走り去る。
そのシーンは、観客には見せない。

道路の真ん中で、泣いて立ちすくむ女の子。
猛スピードの車が迫る。
危ない、どうなる!
そこで、カット。

安全なはずのホテルの一室。
意外にも、そこに銃を持った男が侵入。
片端から撃ち殺され、最後に残った重要な一人にも銃が向けられて・・・
そこでカット。

この監督は、TVで活躍している方なんですね。
だから、これは、CMのためのカット、もしくは、次回へ「つづく」ためのカット、
そういう手法が思い切り使われているような気がしました。

そしてまた、それが別の人の視点でちゃんとつながっていくというあたりが、実に計算づくしで心地よいです。

2008年/アメリカ/90分
監督:ピート・トラビス
出演:デニス・クエイド、マシュー・フォックス、フォレスト・ウィテカー

「バンテージ・ポイント」公式サイト