南九州の片隅から
Nicha Milzanessのひとりごと日記
 



一時

 熊本市は平成24年4月に政令指定都市への移行を目指しており、現在その準備に追われている。
 合併特例法の期限ギリギリで周辺の3町と合併を果たして人口約72万人となり、特例の人口70万人(通常は80万人)以上の条件を何とかクリアし、全国20番目の政令指定都市へ滑り込みセーフとなった訳だ。

 2006年4月1日に大阪の堺市が政令指定都市に移行して以降、熊本市は中核市としては最大の人口を擁し、もっと早くに政令指定都市へ移行できるかと思われていた。
 しかし、周辺市町村との合併話はなかなか進まなかった。一説によると、熊本市は中核市では5本の指に入るほどの財政赤字を抱えており、周辺の財政状態が比較的豊かな市町村(特に熊本空港を擁する益城町や有名企業を擁する菊陽町など)から敬遠されていたようだ。それもそうだろう。県庁所在地との合併となれば、間違いなく対等合併ではなく吸収合併となるだろうから、住民が黙ってはいないだろうし。
 そうこうしているうちに、中核市としては格下だった静岡市、新潟市、浜松市、岡山市、相模原市などに先を越されてしまった…。
 危機感を抱いた熊本市は本腰を入れて周辺市町村と協議に及ぶ。
 その結果、住民投票など紆余曲折を経て、平成20年に下益城郡富合町と、平成22年に下益城郡城南町、鹿本郡植木町との合併を果たし、ようやく人口要件をクリアしたのだ。


 だが、今度は行政区をどう分けるかで揉めることになった。
 市が示した案は「5区案」と「6区案」の2つ。
 ●5区案…旧3町を旧熊本市と区分けせずに新市全体で、北・西・中央・東・南に分けた案。
 ●6区案…旧植木町で1区、旧富合町・城南町で1区、旧熊本市を西・中央・北・東の4区に分けた案。

 しかし、どうやら、市は初めから「5区案」以外は考えておらず、意見をその案に導きたいだけのようである。
 「6区案」にすると、市内に満遍なく存在している市役所出張所の機能を持つ既存の総合支所(7ヶ所)や市民センター(10ヶ所)の取り扱い可能業務を減らし、今より不便にすると言うのである。で、「5区案」にすればそのようなことはないと。うーん。

 そもそも、熊本市は他の政令指定都市と比べても面積がごく小さく、行政区をたくさん設ける必要性がないように思われる。
 また、市の中心部に日本最大級のバスターミナルである「熊本交通センター」を擁しており、一部の環状線を除いてすべてのバスがこのセンター発着であるため、市のどこに住んでいても市の中心部へ出かけることには不便さを感じないのだ(センターから市役所までは徒歩約5分)。そのため、高額の建設費をかけて区役所を設置してまで区分けをする必要がないのではとの意見もあるほどである。
 それなのに市が示す案は「5区案」と「6区案」の2つだけ。それらより少ない「4区案」「3区案」などはなぜか示されないのだ。行政区の数が減れば区役所も減り、その建設費も少なくて済むのだが、多額の財政赤字を抱えながらそういう考えは浮かばないのだろうか…。
 市民説明会などで市民からそのような意見が出ても「そういう意見があったことを協議会に伝えます」とオウム返しするだけ。うーん…。

 また、旧植木町役場を区役所にすることは、熊本市と植木町の間の協議で決まっていたらしい…。なんじゃそれ~??? 合併条件としてのアメってことですか?
 じゃあ、3町の中でいち早く合併に応じた富合町、そして城南町の住民は無視ですか?

 結局「5区案」が採用されることに。
 どうも初めから決まっていたような気がしてならない。
 それに「5区案」の採用は、近年、政令指定都市に昇格した他の元・格下の都市より行政区の数を増やし、かつてのプライドを維持したいだけなんじゃ?


 まあ、賛否両論あろうとも、ともかく区割りが決定し、政令指定都市に向けてまた一歩前進したのだ。
 上でいろいろ書いたが、私も熊本市の一市民として、市のさらなる発展を切に望んでいる。
 まだまだ問題や課題は多いだろうが、是非、政令指定都市の名に恥じない大熊本市になるよう、県・市には頑張ってもらいたい。

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