南九州の片隅から
Nicha Milzanessのひとりごと日記
 





 NHKのバラエティ番組「ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!」。
 結構好きで視ている。

 最近は、よほどネタがないのか尽きたのか分からないが、日本人の姓名とは無関係の「焼肉の部位」だとか、「天気」だとか、「曲名」だとか、どうでもいい回が増えてきた。


 今回は、コロナの影響もあり、過去の再放送のようだ(2018年10月4日)。
 テーマは『名乗りづらい名字』とのこと。
 その中からいくつか印象に残ったものを。


●「禿(かむろ)」さん
 普通に「はげ」さんって読んでしまいそう(汗)。相手が薄毛の年配男性ならば、ちょっと声かけられないよね(汗)。
 しかし、「禿」さん一族は、この名前を嫌うどころか、誇りに思っているらしい。
 えっ、なんで???

 由来を聞いてちょっと感動。
 浄土真宗の開祖・親鸞が自分をへりくだって「愚禿(ぐとく)」と言っていたことに由来するんだって。


●「毒島」と書いて「ぶすじま」さん
 「毒」の字も嫌な漢字だし、「ブス」っていう響きは、女性は特に名乗りたくないよね…。
 小学生時代に、絶対に男子にバカにされそうな名前(汗)。

 でも、「毒」と書いて「ぶす」と読むと聞いて、不意にハッとさせられた。
 記憶をたどると…。
 昔、国語の教科書に「附子(ぶす)」っていう狂言…だったかな、が載ってなかったっけ?
 外出する主人が、隠したお菓子(かな?)を使用人に食べられないようにと、「毒(ぶす)が入ってるからあの箱は絶対開けるな」と言い残すも、結局使用人が食べてしまう…みたいな面白い話。

 ここでいう「毒」とはトリカブトのことらしい。
 で、トリカブトは確かに猛毒ではあるが、使い方によっては薬にもなるという。
 つまり「毒島」さんは薬を扱う一族に由来する名前だった。


●「指吸(ゆびすい)」さん
 依頼者の母親(故人)の旧姓が「指吸」だったそうだが、小さい頃、母親にその名字の読み方を聞いても教えてくれなかったらしい。
 赤ちゃんの指しゃぶりという捉え方もあるかもだけど、失礼ながら、正直なんかあまりイメージがいい名字とは言えないよね。なんかアダルトっぽいというか、エロティックというか…(汗)。
 きっと依頼者の母親も、何となくいいイメージを持っていなかったんだろうね。

 母親に本当の意味を報告したいと、由来を調べるため、その出身地である大阪・堺市に。
 すると、ご先祖は、
元禄(西暦1700年あたり)の頃、商業の都・堺の指吸善兵衛さんという人であることが判明。善兵衛は、本業は魚問屋でありながら金融業も営む豪商だったらしい。
 しかし、お金持ちによくいそうな私腹を肥やすような小人物ではなく、お寺に多額の寄付をしたり、100人規模の寄合いの出席者全員に食事や衣服などをふるまったりするような、出来た大人物ったとか。だから肖像画も残っているんだね。
 名字帯刀が許された際、他の商家では商いの屋号をそのまま名乗ったところがほとんど。しかし、善兵衛は自分の商いと関係のない「指吸」を名乗る。なぜ「指吸」なのか?
 その意味は、一族である子孫が作った堺の企業「ゆびすい」の社史に載っていた。

 「指吸」の由来は、『渇しても盗泉の水を飲まず』『食べるものがなければ、指をしゃぶって辛抱してでも不正不義はせぬ』という、善兵衛が残した家訓を示したものだったのだ。

 途中、涙で目が曇り、社史を読めなくなる依頼者。
 テレビを見ていた私も思わずもらい泣き…。

 「立派で誇らしい名字だったよ」と、依頼者は母親の墓前に良い報告ができたようだ。


 ちなみに「ゆびすい」を立ち上げたのは子孫の指吸千之助さんという方だが、現在の代表は一族の方ではないらしい。世襲ではないというところも、また素晴らしい。
 安易にカッコつけて、横文字の社名とかに変えていないのも素晴らしい。
 きっと、善兵衛さんの遺志が、ずっと受け継がれているんですね!



 とてもいい回でした。


 ところで、番組スタッフが着ているあの法被(ハッピ)がほしい!
 NHKグッズショップとかで売ってないかなあ…?
 って、ほしいと思うのは私だけかな?

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■今日の行動
 仕事

■今日の買い物
 ピカピカ古本
 ぐるぐる倉庫熊本本店
 CLランド白山店

■今日の献立
 朝:野菜ジュース、バナナ
 昼:お手製弁当
 夕:レバニラ炒め、焼売



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