南九州の片隅から
Nicha Milzanessのひとりごと日記
 





 熊本県玉名市で、老夫婦が心中したというニュースが流れた。
 脳梗塞で半身不随だった妻の介護に疲れた夫が妻の首を絞め、自分はマンションから飛び降りたという。
 とても残念だ…。

 4~5年前には、認知症の母の介護のために職を失い、生活保護も受けられずにとうとう困窮した息子が、最後の親孝行と母を連れて観光地を廻り、その後心中を図ったというニュースがあった。
 息子は何とか一命を取り留めたが、嘱託殺人に問われた裁判では温情判決が出たという。被告の献身的な介護ぶりに裁判官や検察官も目を赤くした、その裁判の調書や供述等を読み返すと、今でも涙があふれてくる。

 10年位前だっただろうか。やはり老老介護に疲れた老夫婦が心中したという記事が新聞に載っていた。
 その老夫婦は心中する前の日の晩、息子夫婦に「明日来てほしい」という電話をしていたという。息子が「明日は用事があるから無理だ」と言ったそうなのだが、「どうしても来てくれ」と言い張ったという。
 翌日、息子夫婦が実家を訪ねると、老夫婦は寄り添うようにして亡くなっていた。
 息子は「きっと遺体が綺麗なままのうちに早く見つけて欲しかったのだろう。普段、父は自分達を呼びつけるようなことはなかった。何故その変化に気づいて昨日のうちに行ってあげなかったのか…。とても後悔している…」と涙ながらに語ったそうだ。


 しばしばこのようなニュースを耳にする。そしてその度にとても居た堪れなくなってしまう。

 どうして日本はこのような冷たくて酷い、おかしな世の中になってしまったのだろうか。
 今のこの日本の発展があるのは、今の若者などとは比べ物にならないくらい一生懸命に働いてくださった今の高齢者のお蔭である。なのに、何で弱者となってしまった高齢者に手厚い福祉を捧げることができないのだろうか。
 根本的に世の中の仕組みを変えないと、日本は…、日本という国はなくなってしまうかも知れない…。

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