人生の雑記帳bytamatiyamaru

終活もそろそろ考えながら…日々の瞑想(迷走?)を大切に
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「村上海賊の娘」和田竜

2014年05月25日 23時24分43秒 | 読書感想


和睦が崩れ、信長に攻められる大坂本願寺。
毛利は海路からの支援を乞われるが、成否は「海賊王」と呼ばれた村上武吉の帰趨にかかっていた。
折しも、娘の景は上乗りで難波へむかう。
家の存続を占って寝返りも辞さない緊張の続くなか、度肝を抜く戦いの幕が切って落とされる! 
第一次木津川合戦の史実に基づく一大巨篇。


歴史物は大好きでよく読むほうですが、これほど脚色度の高い作品は読んだことがありません。
それもそのはず・・・作者和田竜さんは最初すべてをシナリオで書かれているそうです。
それから地道に資料を集められたり、実際の場所へ出向いて想像を膨らませて小説に仕上げていくと言われていました。
映像化、テレビ化するといかにもヒットしそうで、そこが狙いの作品とも思われます。

図書館で5ヶ月以上待ってやっと読むことができました
3年前にしまなみ海道を渡り大山祇神社にも詣でた私にとってはあこがれの作品です
いろいろな歴史小説に登場する強い海賊・・・村上水軍
瀬戸内を自在に操り自由で生き生きとした一族は海の覇者として長く君臨していた史実に興味がすごくあったわけです
上巻はまだ前フリで、下巻はどんどん戦闘シーンが満載でスペクタクル度の高い内容となっていきます
出だしはいろいろ背景設定描写が多く歴史が詳しくない人にとってはとっつきにくく退屈かもしれませんが、
だんだんとおもしろくなっていき、上巻の最後が織田方と本願寺方の戦闘シーンでド派手に織田信長が登場、本願寺側が敗走というところで、下巻に期待をもたせるところで終わっています
主人公の景は当時の一般的な日本人の美人の価値観では醜女なのですが、実は長身スレンダーで出るべきところはしっかりと出・・・くびれるところはぎゅっと絞れた外人のような容姿なのですよ!!
男まさりのめっぽう剣の腕もたつ格闘技能力の高い、弟もやりこめてしまうようなじゃじゃ馬で、この景を通しての石山本願寺合戦スペクタクルが、独特のタッチで描かれています
上巻は、景がたまたま地元で助けた一向宗門徒に頼まれ上乗りとしてこの合戦場所にやってくることになり、
途中織田方の泉州の眞鍋という海賊に遭遇、門徒を木津川砦に無事おくった後、眞鍋家も籠もる天王寺砦で最後に信長が登場という合戦の様子を見ているところ・・・
景自身も活躍、毛利・村上水軍も登場しての戦闘シーンは下巻ということになります
泉州の武士の様子が泉州弁(大阪弁)の応酬で描かれているのは関西出身の私にとってはおもしろかったです
ちなみに泉州(海賊)の価値観では景のような彫の深い濃い顔は美人ということで、それを門徒の源爺から聞き、それは面白いと期待を胸に婿探しにと行ったのが景の大阪行きのそもそものきっかけなのです
後半の七五三兵衞との格闘シーンはターミネーターを彷彿とさせ・・・切っても切っても起き上がってくる・・・
ちょっと恐ろしかったです
和田さんの作品はのぼうの城でも感じたのですが内容を面白おかしく膨らませるだけ膨らませておいて
ラストが尻すぼみなんですよね
結局景も全然知らない愛媛の海賊と結婚したらしい・・・というような不確かなラストでやや不完全燃焼気味でした
でも心底夢中にさせてくれる熱い作品であることには間違いありませんでした

私の中での景は大好きな女優   吹石一恵さん・・・かなぁぁぁ(笑)

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5 コメント

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村上水軍 (ゴチ)
2014-05-26 21:38:46
村上水軍の発祥地は因島あたりかと思われますが来島海峡から因島と言う瀬戸内海の最重要地点を抑えていたようです。沖を通る船の監視と海賊まがいの行動をしていたようです。最終的には毛利家に仕えて周防灘あたりを本拠地にしていたようです。景さんは吹石一恵さん似と言う事ですが吹石さんは奈良県出身、背が高くてかっこいい女優さんだと思います。
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Unknown (タヌ子)
2014-05-27 08:17:48
歴史小説は苦手ですが、読みながら映像が浮かぶような小説なら、どんどん引き込まれて一気に読んでしまいそうな気がします。
私もこの手の小説を読む時は、自分の中で勝手に配薬を決めて、映画仕立てにしてしまいます(笑)
読んでるうちに、自分が映画監督になった気分が楽しめますよね。
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ゴチさ~~んありがとう~~ (玉茶丸)
2014-05-28 23:30:43
瀬戸内の村上水軍は歴史小説によく登場します
やはり陸とは違い海には海の掟があるのがおもしろいです
やや野蛮すぎるとも思いますが、めっぽう強いのでとても気持ちがいいですね
しまなみ海道の島々を拠点にしていたそうで
鳴門の渦潮なんて朝飯前に漕ぎわたっていたみたいです

吹石さんは現代美人ですが戦国時代では洋風すぎて
かえってブスとみられるかもしれないところが景そのものなんですよ
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タヌ子さ~~んありがとう~~ (玉茶丸)
2014-05-28 23:33:55
歴史小説好きなんですよ
最初に名前とか役職を覚えるのが時間かかるんですが
サムライJapanの血が騒ぐんですよね・・・
これは2014年本屋大賞受賞作品で面白かったです
目が老眼でなかなか活字が読みにくくなっています
こうしてどんどん脳みそが劣化していきます・・・
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Unknown (thumoria)
2014-05-29 22:08:08
こんばんは~
私もこの本読みました。
本屋大賞ですよね~
私は上巻の方が熱中しましたね~
特に景と兄者とのやりとりが
むちゃくちゃ面白く
会社の昼休み一人読んでて
笑い転げて周囲をびっくりさせてしまいました。
玉ちゃんと同じ、最後が尻すぼみで
読み終わったときの満足感がいま一つでした。
でも戦国時代を、戦国大名ではなく
村上水軍の女性の目で描いた小説。
堪能させていただきました。
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