任侠の一家の嫡男に生まれた喜久雄は父親が抗争で殺されてしまいその才能を見出した上方歌舞伎役者の花井半二郎に引き取られ半二郎の息子の俊介と共に歌舞伎役者の道を歩み始める。
ふたりはライバルの関係でお互いに刺激を与えあい才能を伸ばしていく。
世襲の世界で苦労する喜久雄、歌舞伎を愛しながら喜久雄の才能を見せつけられ悩む俊介、それぞれに思いを持ちながら生きていく。
公開されるまでテレビなどでかなり宣伝をしていた作品です。
私は歌舞伎が好きなので興味はあったのですが 歌舞伎の芸を突然役で演じる俳優さんがどれくらい演じ切ることができるのだろう?と不安に思って映画館に足を運ぶことをためらいました。
『国宝』を観に行くと周りの人たちに話したら「ああ、イケメンが主役やってるヤツね」という軽い反応でした。
しかし実際にこの映画を観ていくと演じる俳優さんたちの執念が伝わってきてゾクゾクしてきました。
あまりの執念の激しさに映画館を出るころにはぐったりしてしまいました。
もともと歌舞伎が好きだったのと監督の李相日監督の作品が観たいと思っていただけだったのでその衝撃はすごかったです。
キャストの皆さん、みんなすごい迫力でした。主演の吉沢亮さん、横浜流星さんはもちろんなのですが人間国宝の女形万菊の田中泯さんが特に印象に残りました。
3時間の長い時間を短く感じた映画でした。