1ヶ月くらい前の夕方、愛犬ココアを散歩させてた時
ある公園に入った。
薄暗くなりかけた公園のタイルとタイルの間に生えた
雑草を 必死の形相で抜いている中年の女性を見た。
異様な雰囲気に圧倒され、そっと通りすぎようとしたが
その女性と目が合ってしまった。
知らん顔して横を抜けるのも感じ悪いなあ、と思い
「ご苦労様です。」とひとこと言って 横を抜けようと
したら「これくらいしかすることがないの。 家にいても
全然時間が過ぎてくれないの。 もうつらくてつらくて。
ここで こうしてると少しは時間が過ぎてくれるでしょ。」と
切なくもどかしそうに彼女は話した。
時間が過ぎていってくれないなんて きっとすごく
孤独で苦痛なことだと思う。
彼女がどこで誰と暮らしているかなんて知らないけど
ガランとした居間に座っていたら時計の秒針だけが やけに
大きな音で響いてるんじゃないだろうか、なんて想像して
しまった。
忙しくて 落ちつけないのもたまらないけど 時が過ぎて
くれないのなんて やっぱり嫌、というより怖い気がする。