バイクライフ・バイクツーリングの魅力を北海道から。
聖地巡礼-バイクライディングin北海道-
タイヤの空気圧の話。

昨日、仕事帰りに寄ったGPZ1100の主治医のバイクショップ、『ZOOM』のおやっさんが、フロントタイヤをチラッと見て、
「空気が少し少ないですね。」
と言いました。
私はびっくり。
そんなはずはない。
GPZ1100のタイヤの空気圧はオーナーマニュアルで、前2.5㎏、後ろ2.9㎏となっていて、私は割とこまめに空気圧は気にして時々チェックしていたからです。
「いや、指定圧入れてるはずなんですが」
おやっさんはタイヤを軽く撫でて、
「うん…でもやっぱり圧が低いです。」
決して指でぐわっと押したりしていません。軽く撫でただけです。
私は改めてタイヤをしげしげと見てみました。

(この写真は今日に日中撮ったものです。)
すると、フロントタイヤの中央やや右よりの部分の磨耗が、確かに滑らかでなく、段減りのようになっています。
この減り方は六月の風ツーリングのときは発見できなかったもの。
しかもあれから通勤で450㎞走っただけなんですが。
おやっさんいわく、
「道路は断面がかまぼこ型をしてますから、左側通行のバイクでは真ん中よりやや右がよく減るんですが、この減り方はやはり空気圧の不足が影響してますね。」
「でも、リヤ2.9.フロント2.5で、指定どおりの空気圧に調整してきたんですが。」
「いえ、このタイヤの適正空気圧は2,9です。」
「えっ?」
「タイヤのサイドウォールに書いてるんです。」
言われて改めて見てみたサイドウォールの文字が下です。

こっちは問題のないリヤタイヤ。
『MAX ROAD』は最大荷重。『355KG』つまり最大荷重355kgだよと。
『AT 290 KPA COLD』タイヤが冷えてるときに290キロパスカルの空気圧(=約2.9キロ)になるように入れてね。
ですね。これはOK。
GPZのマニュアルとも一致してます。さて、フロントは…

『MAX ROAD236KG』こっちの最大荷重は236kgまでだよ。
『AT 290 KPA COLD』(!!)
あら!
フロントも2.9kgが指定になってる!
でも、GPZのマニュアルだと前2.5だったのに!
「車体のマニュアルは乗り心地だとか、いろいろ考慮して決めてますから…。
でもハンドリングとか、タイヤにとっていい空気圧は、タイヤの方を見てみることも大事なんです。」
確かに、2輪のタイヤがラジアルになって以来、内部構造もコンパウンドも格段の進歩を遂げ、空気圧も高めになってきています。バイクの路面につく部分、トレッドをがっちり固め、しなやかなサイドウォールをたわませる考え方は、指定空気圧も高めになってきます。
私のGPZ1100は95年モデル。
最初からラジアルタイヤで開発された車体ではありますが、そのラジアルタイヤがこの14年で飛躍的に進歩したのであれば、基本は変わらないにしても、適正空気圧もタイヤとのマッチングにより変わってくることも十分考えられるのでした。
上のタイヤ正面の写真では、段減りの様子がわかりやすいように一番ひどい部分をそれとわかるようによく拭いて撮っていますが、
確かにこの減り方は、ブレーキ荷重に対して空気圧が不足して起こる段減りに見えます。
それを、最初にチラッと見ただけで見抜くとは、プロとはそういうものか。
さすがおやっさん。恐れ入りました。
そして、まだまだ勉強不足だったと認識しなおした一日でした。
ちなみにフロントタイヤは交換後1万キロ。
リヤタイヤは交換後5千キロ。
フロントはそろそろ交換時期が近づいています。
<<付記>>*******************************
お読みいただきありがとうございます。
今回の記事では、タイヤに記述されている空気圧とカワサキのマニュアルの指定空気圧の二つの空気圧についての話でしたが、空気圧については一律にどれがよいと決められるものではありません。
また、タイヤ表記の空気圧は指定圧という見方と、最大圧、つまり「最大荷重がかかった時にはこれだけ入れてあること」、という指定ととらえ、荷重が少ない時には適宜減圧していく方が適切だという考え方もあることを付け加えておきます。
例えばGPZ1100の場合でも、気温、路面温度、天候、走行速度・パターン、二人乗りを考慮するか一人乗り専用で考えるか、等により、厳密には最適な空気圧は変わります。
この記事の場合、あくまで私の乗り方、そしてメツラーのZ6ツーリングというツーリングユースをメインターゲットにしたタイヤ等を前提とした話です。
ワインディングでのスポーツ走行に特化して空気圧を車体の指定圧よりも若干落とすようなセッティングはよく行われており、極端でない限り、危険なことはありません。
ハンドリングやトラクション性能にわずかの減圧が有効な場合もあることは周知の通りです。
お読みいただいた方々には、御自分のバイク、ご使用のタイヤ銘柄、ご自分の使用パターンなどを考慮のうえ、できれば専門家のアドバイスの下で徐々に空気圧の変更にトライなさることをお薦めします。
くれぐれも一気に極端な変更はなさいませんように。
また段べりですが、2,9入れれば絶対に表れないかということは、今の時点では私は確定的なことはいえません。
また、ライフを重ねて、レポートしたいと思います。 (2008年9月10日追記)
「空気が少し少ないですね。」
と言いました。
私はびっくり。
そんなはずはない。
GPZ1100のタイヤの空気圧はオーナーマニュアルで、前2.5㎏、後ろ2.9㎏となっていて、私は割とこまめに空気圧は気にして時々チェックしていたからです。
「いや、指定圧入れてるはずなんですが」
おやっさんはタイヤを軽く撫でて、
「うん…でもやっぱり圧が低いです。」
決して指でぐわっと押したりしていません。軽く撫でただけです。
私は改めてタイヤをしげしげと見てみました。

(この写真は今日に日中撮ったものです。)
すると、フロントタイヤの中央やや右よりの部分の磨耗が、確かに滑らかでなく、段減りのようになっています。
この減り方は六月の風ツーリングのときは発見できなかったもの。
しかもあれから通勤で450㎞走っただけなんですが。
おやっさんいわく、
「道路は断面がかまぼこ型をしてますから、左側通行のバイクでは真ん中よりやや右がよく減るんですが、この減り方はやはり空気圧の不足が影響してますね。」
「でも、リヤ2.9.フロント2.5で、指定どおりの空気圧に調整してきたんですが。」
「いえ、このタイヤの適正空気圧は2,9です。」
「えっ?」
「タイヤのサイドウォールに書いてるんです。」
言われて改めて見てみたサイドウォールの文字が下です。

こっちは問題のないリヤタイヤ。
『MAX ROAD』は最大荷重。『355KG』つまり最大荷重355kgだよと。
『AT 290 KPA COLD』タイヤが冷えてるときに290キロパスカルの空気圧(=約2.9キロ)になるように入れてね。
ですね。これはOK。
GPZのマニュアルとも一致してます。さて、フロントは…

『MAX ROAD236KG』こっちの最大荷重は236kgまでだよ。
『AT 290 KPA COLD』(!!)
あら!
フロントも2.9kgが指定になってる!
でも、GPZのマニュアルだと前2.5だったのに!
「車体のマニュアルは乗り心地だとか、いろいろ考慮して決めてますから…。
でもハンドリングとか、タイヤにとっていい空気圧は、タイヤの方を見てみることも大事なんです。」
確かに、2輪のタイヤがラジアルになって以来、内部構造もコンパウンドも格段の進歩を遂げ、空気圧も高めになってきています。バイクの路面につく部分、トレッドをがっちり固め、しなやかなサイドウォールをたわませる考え方は、指定空気圧も高めになってきます。
私のGPZ1100は95年モデル。
最初からラジアルタイヤで開発された車体ではありますが、そのラジアルタイヤがこの14年で飛躍的に進歩したのであれば、基本は変わらないにしても、適正空気圧もタイヤとのマッチングにより変わってくることも十分考えられるのでした。
上のタイヤ正面の写真では、段減りの様子がわかりやすいように一番ひどい部分をそれとわかるようによく拭いて撮っていますが、
確かにこの減り方は、ブレーキ荷重に対して空気圧が不足して起こる段減りに見えます。
それを、最初にチラッと見ただけで見抜くとは、プロとはそういうものか。
さすがおやっさん。恐れ入りました。
そして、まだまだ勉強不足だったと認識しなおした一日でした。
ちなみにフロントタイヤは交換後1万キロ。
リヤタイヤは交換後5千キロ。
フロントはそろそろ交換時期が近づいています。
<<付記>>*******************************
お読みいただきありがとうございます。
今回の記事では、タイヤに記述されている空気圧とカワサキのマニュアルの指定空気圧の二つの空気圧についての話でしたが、空気圧については一律にどれがよいと決められるものではありません。
また、タイヤ表記の空気圧は指定圧という見方と、最大圧、つまり「最大荷重がかかった時にはこれだけ入れてあること」、という指定ととらえ、荷重が少ない時には適宜減圧していく方が適切だという考え方もあることを付け加えておきます。
例えばGPZ1100の場合でも、気温、路面温度、天候、走行速度・パターン、二人乗りを考慮するか一人乗り専用で考えるか、等により、厳密には最適な空気圧は変わります。
この記事の場合、あくまで私の乗り方、そしてメツラーのZ6ツーリングというツーリングユースをメインターゲットにしたタイヤ等を前提とした話です。
ワインディングでのスポーツ走行に特化して空気圧を車体の指定圧よりも若干落とすようなセッティングはよく行われており、極端でない限り、危険なことはありません。
ハンドリングやトラクション性能にわずかの減圧が有効な場合もあることは周知の通りです。
お読みいただいた方々には、御自分のバイク、ご使用のタイヤ銘柄、ご自分の使用パターンなどを考慮のうえ、できれば専門家のアドバイスの下で徐々に空気圧の変更にトライなさることをお薦めします。
くれぐれも一気に極端な変更はなさいませんように。
また段べりですが、2,9入れれば絶対に表れないかということは、今の時点では私は確定的なことはいえません。
また、ライフを重ねて、レポートしたいと思います。 (2008年9月10日追記)
コメント ( 10 ) | Trackback ( 0 )

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プロの目か…、いいですね、カッコイイです。
タイヤの空気は2.0㎏も入れると形のうえでは問題なく表面が張るので、見た目ではほとんど空気圧の多少については見分けがつきません。
例えばもっと少なければ接地面のつぶれ方で空気少なすぎるよってわかるんですが、2.5㎏入っているタイヤの空気が少ないと見抜くのは、タイヤ表面の磨耗状態からの判断です。
これは、バイクだけでなく、タイヤについても詳しくないと判断できません。
この「段減り」という症状は多かれ少なかれ、たいていのタイヤで発生するもので、その出方はメーカーや銘柄によっても違うし、バイクの重さによっても違うし、乗り手の乗り方によっても違いが出るのです。
おやっさんは、私のはいてるタイヤ、メツラーに関しては自分のバイクでの実走も含め、かなりの実例やデータを持っており、私のGPZ1100の主治医としてバイクの状態や私の乗り癖も(私の話を聞かなくてもバイクの状態から)理解しているので、タイヤの表面の状態から一目で空気圧の不足を言い当てたわけです。
奥様と2人でやってる小さな店ですが、納得のいくオイルを求めて自らフランスに赴き、オイルを直輸入してしまう、バイクを心から愛する人のショップです。
尊敬できる人と付き合える、信頼できる店と付き合える。これは本当に幸運なことだと思います。
羨ましいです。ってか、類は類を呼ぶではないでしょうけど、樹生さんのバイクに対する姿勢におやっさんも気付いて付き合ってるんでしょうね。
当方はもっと勉強しなきゃ。^^
この記事を読んでから自分のバイクの空気圧が気になっていました。
先の週末に確認したら・・・
バイクの指定圧=250(前後とも)
タイヤの指定圧=290(前後とも)
でした。
慌てて、290まで空気を入れ足しました。
タイヤの指定なんて、今まで気にしていませんでした。
ありがとうございました。
空気圧は不足しすぎると危険ですが、2.2も入っていれば危険ということはありません。
車体指定の2.5、タイヤ指定の2.9、どっちに合わせるかですが、これはその車体とそのタイヤの組み合わせからおそらく2.5と2.9の間で適正値が見つかると思います。
よく言われるのは、メーカーの指定空気圧は二人乗りでの高速走行を考慮して決めているから、一人乗りのときはメーカー指定空気圧より少なくてもいいというもの。
また空気圧が高いと、タイヤの変形量が減り、燃費にはいいものの、乗り心地が固くなったり、グリップ感が摑みにくくなったりすると言うものです。
バイク雑誌「バイカーズステーション」での箱根テストでは、全てメーカーの標準値で試乗を行いますが、たまにハンドリングなどでメーカー指定地では上記の理由でひとり乗りの峠走りに向いていないと判断したときには、セッティングを変更し、空気圧もいじることもあるようです。
私の場合、GPZが重量車であること、標準設定ではフロントタイヤがリヤの半分の寿命しかない(早く減る)こと、(そのため、フロントフォークを少しいじっています)、私自身限界グリップよりもロングライフを重視し、今では高速、高荷重の走行をほとんど行わないことなどから、おやっさんは私の場合空気圧不足気味だといったわけです。
また、私の履いているメツラーのZ6はツーリングタイヤで、タイヤメーカー、銘柄などによっても車体との相性や適正空気圧は若干変わるかもしれません。
やまださんのバンディット(名車です!)は車重もやや軽めですので、もしかしたらタイヤ指定の2.9まで入れなくてもいいかもしれません。(入れてはいけないということはありません)
まずは2、9と2,5を乗り比べてみてそれからその間で2,6や2,7 2,8などを試し、自分の好みの空気圧を探っていくのがいいのではないかと思います。
タイヤの指定が2,9だと言っても、2,9まで必ず入れろ!という訳ではないので、今までのままでも問題はありません。まして私の場合も含めて、車体の指定が2.5なら、それで危険ということはないのですから、ここから先は好みの問題でしょう。
いろいろ試してみてください。
それからスズキのマシンに詳しいプロの意見を聞いてみてください。
あっちこっちに書いてすいません ^^;
先週車検があがってきました。
今回の大きな作業は
・ステムベアリングの交換
・FフォークのOH
・アクセルワイア交換
でした。ハンドリングが信じられないくらい軽くなりました。アクセルも戻しは相変わらずちょっと鈍いですが引きの反応が良くなって、走ってると気持ちいいです。
購買店の中古車屋で見てもらうのも、もう限界となり、今回は近所のショップに預けました。ヨシムラの元メカニックのA氏の有名ショップです。最初にGPZがトラブったときに、丁寧に対応していただきました。価格もそれなりであることを覚悟したうえで、我が家に最も近いこともあり、お願いしました。
車検をあがったGPZを前に、そのA氏から指示された適正空気圧はF2.5、R2.4でした。タイヤはミシュランPR2です。
メーカー指定の空気圧は限界近くでの高速走行や二人乗りを想定しているから通常走行ではこれが適正だととのこと。また、リアの方が暖まりやすいから、走っていればFRとも2.6くらいになる、とのことです。
実際に私のGPZを何回か彼が試乗したうえでのコメントなので、理論値ではなく経験による確信だと思います。
私には、ハイ!と答えるばかりですが、確かに空気が減った状態のほうか乗りやすい(曲がりやすい)な、と思ったことが何度かありました。
昨日今日と高速700キロほどと山道を走りましたが、フロント周りをリフレッシュしたことによる影響とタイヤの空気圧変更の影響がどの辺りにあるのかはわかりませんが、とにかくすべての動作が軽快でした。
樹生さんとはタイヤの種類もちがいますし比べることはできませんが、同じプロでもさまざまな見方があって面白いですね。奥が深いです。
コメント、ありがとうございます。
Aさんのお店とは、「A川○○ード」さんではないでしょうか。
前の方が高い指定は、初めて聞きました。
しかし、Aさんならば、間違いないことと思います。
最終的には常に私たちライダー本人が安全を優先させ、決めていくことだと思いますが、goroさんおっしゃるとおり、本当にいろんな考え方があるんですね。
ちなみにズームさんの考え方は、私の乗り方に合わせた、タイヤの段べりを防ぐことを優先させた設定だと解釈しています。
タイヤの空気圧ひとつでも、本当に奥が深いですよね。
私も車検終えました。
忙しくて記事にできませんが、また少しずつ書いていきます。
レスありがとうございます。
これだけで的中するとは。樹生さんのバイクに関しての情報量はサカナ以上かと。恐れ入りました。
彼についてはWebでこんな記事をみつけました。
http://www.asahi-net.or.jp/~qx3k-situ/ZRX/72.html
本物の職人にはどんな世界の人でも心惹かれますが、この記事のとおり、会って見るとバイク好きの少年がそのまま大人になって初老の入り口を迎えている。そんな方でした。
空気圧も規定でなくても良いとわかれば、これをいじって試行錯誤するのも楽しみですね。
車検のレポート楽しみにしています。
比較対象がちょっと違いましたね ^^;
Aさんは、何年か前にその仕事が雑誌で紹介されていたのを見ました。
明るく、やんちゃで、しかし、しかし非常に誠実な、売らんがためにバイクをだめにするようなことは決してしない信念を強くお持ちの方のように思えて、記憶に残っていたんです。
いろんな世界で、尊敬できるプロがいる、というのは、素晴らしいことだと思います。何に関しても、我々ユーザーも、ただ安さや手軽さだけを求めるのでなく、規模が小さくても志の高い人や、その人たちの作り出すものを大切にしていかなければならないと思います。
今とても忙しくて記事がなかなかかけませんが…(^^;)
もうちょいでかけると思います。
北海道は最高に気持ちのいいシーズンを迎えています。