goo blog サービス終了のお知らせ 
goo

長距離ライディングで疲れないために(4)

         (こんなところでの休憩もいいものです。)

長距離ライディングで疲れないために。ポイントの3は、「こまめな休憩、給油」です。
これも当たり前のことですが…。

昔、若かった頃はあまり方も凝らず、とにかくできるだけ止まらずに、給油したらタンクが空になるまで休憩なしで走る…くらいの時もありました。
高速道路を使えば、一日に1300km、1400kmと走ったことも何度もありました。
それは、例えば広島に住んでいて、北関東のサーキット壮行会へ自走で行って、また自走で帰ってくる…みたいな時や、九州一周ツーリングを土曜日の午後から出発して日曜の夜までにかえってくる(月曜は仕事だから)…なんて、体力まかせのこともしてたりしたんですね。
それはGPz400F-Ⅱという、疲れにくいバイクが愛車だったことも大きかったと思います。
SRV250も、250ccとはいいながら、味わいぶかく、連続1000km以上のツーリングも高速道路の連続走行も難なくこなし、林道でも大概のところはかなりのペースで走れてしまう、そんな総合性能の高いバイクでしたので、それに助けられ、若さの体力もあり、できていたことでした。

私は単独転倒事故歴があり、骨折が肋骨7本、鎖骨2本、肩甲骨、頸椎と腰椎がずれ、右肺が破れて肺活量も以前の値には戻らない…という、恥ずかしい過去があります。

その事故いらい、以前は草野球ではピッチャーをしたりもしていたのですが、セカンドからファーストへも球が届かず、重いリュックを背負うこともできなくなり、激しい肩凝りは生涯の友となりました。

SRV250は事故後のリハビリもかねてのバイク、既に体は痛んでいましたが、それ以上に走らずには生きていけないという、ひどい性癖というか、社会不適合というか、馬鹿というか、そんな状態で、まだ30代になり立ての若さもあって、走っていました。
GPZ1100を買ったのは1995年、これが重くて、ノーマルのポジションが合わず、非常に苦労したことは以前も書いたと思います。

それでも走りたい。時々走らないと精神バランスが崩れて社会生活が維持できない…そんな状態で、やはりかなり無理しつつも走り回っていたのが若い頃です。

しかし、今年50になりましたが、40代も後半の頃からは体力の衰えを感じ、また、予告されていたのですが、事故の後遺症である肋間神経痛も襲うようになり、無理はきかない体になってきました。

と、なれば、戦略的になるしかないのであります。


(時には枯葉の中に腰を下ろして、愛車を見上げながら一息入れるのもまた、贅沢な休憩のひと時)

体力がないのに長時間、長距離走りたい、しかも重いGPZで走りたい、となると、どうするか。
私の場合、肩凝りがひどくなると、肩が痛んで首も回せなくなり、頭痛が激しく、目も開けられなくなります。そうなるともちろん肩を回すこともできず、少し腕を回そうとするだけで顔面の筋肉が勝手にゆがむという、ひどい状態になります。
こうなっては危険でバイクの運転はできません。事故を起こせば自分だけ怪我して終わるのは本当にラッキーなときで、なんの関係もない人を巻き込むことも多いのですから。

そうならないために、痛みを取るにはどうするか、とか、いろいろやってみたのですが、結論は、痛くなってしまってからではツーリングを続けながら痛みを軽減してい行くのは、ほぼ不可能ということでした。
それは、肩でも、腰でも、お尻の痛みでも、手首やてのひらの痛みでも、全部そうです。
痛む前に、痛くなる前に対策するしかない。
それが私の場合鉄則のようでした。

そのために一番効くのが、走行を中断してバイクから降り、歩いたり、場合によっては体操したりして筋肉をほぐす、つまり、休憩することだ!という、当たり前の結論にたどり着いたのです。

痛くなってからでは遅いので、痛くなる前に、最低でも予兆がしたら、すぐにでも停まって休憩し、血行を促し、眼精疲労の軽減にも努める。


それが必須条件なのでした。

休憩は、私の場合は、1時間に一回はとった方がいいようでした。
連続で1時間以上は走行しないようにする、ということです。
これは、その人毎に、乗っているマシンや体格、体力、その他さまざまさな要素が絡んで、長時間走り続ける際の最適のインターバルは変わると思います。
インターバルが長いと疲労が蓄積し、解消できずに難しくなりますし、インターバルが短すぎても、リズムが取れずに疲労します。
短ければいいというものではない、というところが難しいですね。
これは、やはり経験を積みつつ、自分にとって最適な休憩リズムをつかんでいくしかないのではないかと思います。

ちなみに、ハーレー・ダビットソン社のバイク、タンクが小さいのが多いのですが、あれは広大な国土で単調なライディングが続くかの地でのバイクライドをいかに楽しく、安全に、続けられるかを地道に探究した結果だと効いたことがあります。
何時間走っても風景に大きな変化がなく、直線路が続くようなところで、時速200キロ超で巡航しても飽きてきますし、楽しくありません。それよりは、55マイルくらいの巡航が気持ちよく、飽きにくく、走りの実感が豊かに伝わるようなエンジン特性とシャシーにし、ガソリンタンクの容量をあえて少なめにすることで、給油のために停まることをライダーに促し、それを旅のリズムとしてもらうためだというのです。
これは、80年代に雑誌月刊『ライダースクラブ』に書いていたことでした。

…と、いうことで、私の場合は、走行時間が6時間を超えるような走りの場合、1時間に一回の休憩が必要です。


(休憩のために、国道からちょっとだけ寄った漁港。50mの寄り道で、素敵な出会い。)

グループツーリングのときはどうするか。
それはメンバーの中で最も短い間隔で休憩を必要とする人のリズムに全員が合わせます。
リズムが短くなることは、休憩時の仲間との会話等でマイナスを相殺できますが、連続走行の疲労や疲労からくる痛み、眠気などは、時として文字通り致命的になることもあるからです。

もしも二人で走るなら、もしも気心が知れた人との走りなら、流れに任せて気ままに走り、片方が止まりたいと思った時には遠慮なく停まる、ということにしてもいい時もあると思います。

3人、3台以上になると、計画的に休憩を入れることが必要になってきます。
そうしないと、なんとなく走り続けてしまうことが圧倒的に多いからです。
休憩して発進するときに、次の休憩地はどこそこ、と決めて、それまでにも緊急休憩(またピットインとも言います)する時はするが、何もなくても、休憩予定地にきたらほんのわずかの時間でも必ず停まるようにします。

休憩時にすべきことは、トイレ、水分、ミネラルの補給、軽い食事などですが、毎回必ずしなくてはいけないということではないですね。

1時間に一度は必ず休憩をプランすることのメリットと言えば、次回の休憩がほぼ一時間後だとイメージできるので、トイレに行くべきか、行かないべきかを判断しやすいこと、同じように、水分を摂るべきか、カロリーを摂取すべきかなどを判断しやすいことなどがあります。
ついでに言えば、ツーリングでトイレが近くなるのを避けるために水分摂取を抑え気味にすることもあるかと思うのですが、長時間、長距離のライディングのためには、この抑え気味はよくないと思います。
気づかずに軽い脱水状態になっていることもあり、それは危険な領域まで行かない程度でも疲労を増し、足が攣ったり、肩が凝ったりすることの原因の一つにもなります。

しっかり水分は取り、こまめにトイレに行く。
それが長時間ライディングの秘訣だと思います。


(長距離長時間連続ランの場合、あまり満腹にすると後で眠気が来るし、胃に負担もかけたくない。軽食を回数多めに摂ることになることも)

さらに、肩凝り持ちの私の経験からいうと、これも言い古されたことですが、
短い休憩時間でもヘルメットを脱ぎ、頭を軽くして、耳周りや頭皮に風を当てる(最近よく当たるんだこれが^^;)ことも効果ありです。必ず脱ぐようにします。その方が首回りのストレッチも利きますしね。

また、休憩時に乗車姿勢とは大きく違う格好をしたり、大きく筋肉や関節を動かして、よどんだ血流をしっかり流してやることもかなり効果的です。
私の経験では、NHKのラジオ体操やNHKTVのみんなの体操はかなり効果ありです。
他にもっといい体操やストレッチのプログラムがあるのでしょうが、本人が気軽にできてしかも短時間で姿勢を大きく変える動きのあるものが最適のようです。

もしも先がとても長く、距離を稼ぎたいときだったなら、当然ですが休憩は短めにします。
私の場合
最短で5分。停止、体操のみ。
標準で12分程度、トイレ、水分補給、体操など。
長めで15分程度にします。

50分走って10分休憩のリズムなら、距離の読み方も、時間の読み方もルーティン的になるので、簡単になり、リズムをとりやすくなります。
60分走って10分、よりも経験上はいい感じでした。
ただし、走る土地柄や、休憩場所の確保など、もちろんそうきっかり行くわけがありません。
大体の目安と考えて、こだわり過ぎないのがいいと思います。



さてさて、給油。
GPZのタンク容量は22ℓ。精神的に、使用限界が20ℓくらいですが、ツーリングでは1ℓあたり20~24kmくらい走りますから、計算上、満タンから400キロは無給油走行が可能です。

実際、300キロ超程度の日帰りツーリングの際は前日に満タンにして無給油で走るのですが、400キロを越える場合は、やはり途中給油になります。
これも、目安としては、早めの給油。できれば、200キロ走ったら給油するようにしています。
なぜかと言えば、ガソリンが残り少なくなってからガソリンスタンドを探すように走るのは、気もそぞろで景色やライディングを満喫できなくなるからです。
もちろん、ガソリンを気にしながら走るのも、ある意味、ツーリングの楽しみの一つではあります。
しかし、今回は長距離、長時間連続走行する場合の想定ですので、不要な注意力や体力の消費はなるべく避けておきたいのです。
余裕を持ち、ガソリンタンクの半分くらいまで使ったら早めに給油。
これも走行リズムを崩さないための大事なノウハウの一つになります。
いかに北海道といえ、100キロ走れれば給油できそうなどこかの町に着くことは可能。これが50キロだと、場合によってはアウトになってしまいます。

早めの休憩、早めの給油。

あたりまえで、平凡なことですが、結構重要度の高いノウハウです。


次回は「 4 体力温存の装備」です。
(つづく)
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
« 長距離ライデ... 今年もおいし... »
 
コメント
 
 
 
参考になりました (kaori)
2012-08-12 07:00:21
おはようございます~
朝連準備しながら読んでます。

体力温存はツーリングの途中に
休憩でバイクから降りれなかったり
降りたら足がもつれたりする最近に
ほんとうに愕然として
真剣に考えるようになっています。
毅然と風を受けてきたワタシが
最近布垂れ風防を取り付けたのも
その一端でした。

休憩時間は自分の体力を
想定比較して、もう少し短い時間で
休むようにしてみます。
給油も参考になりました。
Z2はだいたい220キロくらいでリザーブに
入り、いつも200キロめで給油としています。
これももう少し余裕をもったほうがいいですね。

大けがをされてますね。
わたしは大きな転倒はありません。
でも阪神高速で走行中に身体が4輪と接触して
左足の向う脛にヒビをいれました。
しっかりしたロングブーツを履いていたので
足は砕けずにすみました。
足が治って筋肉ももどったころに一番最初に
したことが愛車CB360Tのセンスタ掛け練習で、
さすがに兄も親も呆れていました^^;



 
 
 
なんでこう…。 (樹生和人)
2012-08-12 07:37:52
怪我明けの最初がセンタースタンド掛けとは。
しょうがないなあ…。
私は事故で入院してやっと手が動くようになって本が読めるようになったときに、最初に買ってきてと頼んだのがライダースクラブでした…。
さすがに彼女(=今の妻です)もあきれていました。
なんでこう、バイク乗りっていうのは、おかしいのでしょうか…。

さて、朝練!ですね。私は今から仕事です。
週間予報では雨だった日曜ですが、今、空は晴れているようです。
気を付けて、楽しんでいらしてください。
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。