https://hatenokorojp89.hatenablog.com/
笑美人レス-1
・お母さん、ぼくの頭のなかにあるクスクス笑いを取り除いて
・真っ白なノートは何かで埋め尽くさなければいけない
・コメディー映画が世の中に足りない(泣くか、タイムトラベル)
朝の喧噪。駅のホーム。
バイきんぐ西村さん風男、電車のドアから突き飛ばされるように押されて同時に女性も飛び出す。
背中から「このひと、チカンです」春菜さん風女性、つかんだ手首を突き上げる。
「こんなブス、触んねえよ」
「いま、ブスって言った、ちょっと駅員さん」
礼二さん風駅員さん登場。一しきりネタをする。
「このひとが? ほな、駅長室まで」
「なんでだよ、弁護士呼べよ」
駅長室。
ウーマン村本さん風弁護士登場
「何でも、解決できないことがあっても、わたしが来れば、もう解決済みといっても過言じゃない」
「わたしが被害者ですからね」
「わたしは、そもそも、どちらの弁護を?」
「ぼくですよ、疑われている、ぼくですよ」
「すみません」岩井ジョニ男風男、ドアを細目に開けて声をかける。
「わたし、後ろにいたんですけど、これが当たっていたみたいで、勢いにのまれて、つい、言いにくかったもんで、こんなことに」とがった荷物を取り出す。
「まぎらわしいもの、満員電車で」と、駅長。「じゃあ、これで解決だね。よかった、よかった。一件落着」
「なんだよ、わたし、ブスって言われただけじゃんか」
弁護士。「トラブルが残っていませんか? なんでもいいんです。小さなものでも、おこぼれでも」
駅長、「ないよ、お引き取り下さい」
駅員のホームアナウンスが流れる。
あの日を望んだわたし-4
次の日の夕方。壁の時計をにらむA。
C:「どうかしたの? 時計ばっかり見て。昨日、あんなに残業うれしそうだったのに。終わったら、おごりとか簡単な条件出されただけで」
A:「うん、まあ」
C:「肌、つかれた?」
A:「え?」
次の日の夕方。壁の時計をにらむA。
C:「どうかしたの? 時計ばっかり見て。昨日、あんなに残業うれしそうだったのに。終わったら、おごりとか簡単な条件出されただけで」
A:「うん、まあ」
C:「肌、つかれた?」
A:「え?」
あの日を望んだわたし-3
Aの部屋、夜
B:「疲れた、初出勤日。大学生がやっぱり、いいな」バッグを置いて、テーブル前に座る。Aはキッチンで慌ただしく準備している。「マコトラブと記念日のパス、何回、使ったんだろう」
A:「ありがとう、たまってた家事も片付いたし、図書館で調べ物までしちゃった。有意義、有意義。ついつい後回しにしていた資料に使えそうなものも発見できたよ」
B:「よかったね、そうだ、明日、残業、頼まれた」
A:「え、ダメじゃん。デート入っているから」カレンダーを見る。「断りの電話いれるか、ほら、スマホ返して」
B:バッグからスマホを取り出して渡す。「わたし、行くよ」
A:「えっ?」
B:「デートぐらい、行けるよ」
あの日を望んだわたし-2
A:「なんかよかった。平日の思いがけない休みになって。二重生活ばんざい」天をあおぐ。「そうそう、鍋でも作ってやるか。仕事、一日、任せちゃったし。あれ、わたし、妹みたいなの欲しかったのかな。世話やきたいのかな」
豆腐屋の前を通りかかる。
「湯豆腐でいいか。あのころのわたしも、好きだったし」
店主:「こんにちは、あれ、今日、休み? 珍しいね」
A:「まあ」
奥から店主の妻、顔をのぞかせる。「あれ、朝、いつもの時間にみゆきちゃん、店の前、駅の方に向かってたの見たと思ったけど、あれ、今日だったよね」
A:「そうですか。似てる人、この辺にいるって聞いたことあるかも。美容院でも、この前、そんなこと言われたし」
店主妻:「そう」首を傾げる。
A:「今晩、湯豆腐にしようと思って。何丁ですかね?」
店主:「湯豆腐ね、あったまるし、いいね。ひとりなら、これぐらいで充分でしょう」
A:「もう少し、もらおうかな」
店主妻:「こんなに食べられる? 彼氏さん、くるの?」
A:「ひとり、ひとり。でも、余って困らないのが、豆腐の良さですよ。ヘルシーだし」
おつりの受け渡し。
店主:「まいど」
店主妻:「似てる子、いるのね」