医大生・たきいです。

医大生的独言。

医大生の僕がアイスバケツをかぶらなかった5つの理由

2014-08-27 16:28:49 | 人気記事
もうちょっとダラダラ関西旅行ネタを続けていく予定でしたが、いま流行の「ALSアイスバケツチャレンジ」が回ってきたのでそちらを今日の記事にしてみます。医大生・たきいです。


まずは医大生的にALSについて。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)については既習事項でありまして、先日の大学の定期試験では、以下のような問題が出題されました。

筋萎縮性側索硬化症について正しいのはどれか。
a.膀胱直腸障害を示す
b.脳神経系は冒されない
c.筋電図で低振幅電位を示す
d.約5%の症例が遺伝性を示す
e.CPKは通常、著明高値を示す


筋萎縮性側索硬化症は、1次運動ニューロン・2次運動ニューロンともに障害されているのが特徴。陰性4徴候の「感覚障害」「眼球運動障害」「膀胱直腸障害」「褥瘡」がみられません。このことより、a,bは誤り。また、筋萎縮性側索硬化症は筋原性ではなく、神経原性。神経原性では筋電図が高電位で、血清CK高値は筋原性の所見です。故にc,eも誤りと導けます。よって正答肢はd。消去法で解いてしまいましたが、わたくしのような勉強不足な学生にとって積極的には選びづらい選択肢でした。難しい問題です。「ALSの多くは孤発性であるが、5~10%程度に家族性の発症をみる(田崎義昭,斎藤佳雄,坂井文彦(2013)「筋委縮の診かた(25)」,『ベッドサイドの神経の診かた』, pp.441, 南山堂.)」とのことです。
因みに試験本番ではcを選んで間違えました(笑)



珍しく医大生っぽいことを書いてしまいましたが、こういう医学的事項は本ブログの主旨とは逸れるのでこのへんにとどめておきます。

慶應義塾大学に通っている友人から、Facebookで「ALSアイスバケツチャレンジ」が回ってきてしまったわけですが、結論から言うと、アイスバケツ被りはしませんでした。その代わりに一般社団法人日本ALS協会様にわずかではございますが寄付をさせていただきました。

どちらかというとお調子者のわたくしですから、どうしてやらなかったんだという声が飛んできそうですが、氷水を被らなかった理由は以下の5点。

1.今日は寒かった
正直これが水を被らなかった一番の理由かもしれません。8月とはいえ、20℃くらいまでしかあがらなかった本日。

「アイスバケツチャレンジ」で、冷たい氷水をかぶることや、寄付をすることなど、すべて強制ではありません。 皆様のお気持ちだけで十分ですので、くれぐれも無理はしないようにお願いします。特に氷水について、これから涼しくなりますので心配しております。

と、日本ALS協会HPにありましたが、その文言に甘えさせていただきました。今風邪ひくとやばいし。


2.もともと知っていました
この運動は、「そんな難病があるなんて知らなかった(-_-;)、力になりたい!」という方々の声の集積という側面もあるかと思います。恐らくこれまでそうした支援はなかったでしょうから個人的には評価すべきことと思います。この運動の始まりはアメリカだと聞きましたが、この盛り上げ方は流石アメリカというところでもあります。しかし、医大生であるわたくしが「知らなかった!」と言って氷水を被っていようでは、医大生としての見識が疑われてしまいうると判断しました。


3.広めるより勉強する立場
iPS細胞の山中教授もチャレンジしたとニュースで見ましたが、あれだけ優秀で、あれだけの社会的影響力をもつ方がやるのは大きな意味があると確信します。しかし、筆者のような学生は医師になるべく勉強中の身であります。氷水を被ってパフォーマンスをするよりも、疾患についての正しい医学的知識をよく勉強することが社会から我々医大生に要求されていることだと判断しました。


4.ALSだけじゃない
医学部に入ってから痛感しましたが、病気というのは山のようにあります。覚えるべき知識が多すぎて、勉強中は苦しい瞬間もかなり多く、これがどれだけ大変なことかといえば、心身ともに健康な医学生でも「死にたい」と呟きそうになることもあるくらいです。何を隠そう試験直前に筆者もよく「死にたい」と言って気を紛らわせています(笑)


厚いテキスト。ALSが載っている大学配布の教材はこれですが、他にも数十冊の単位でいろんな科目、いろんな病気を勉強しなければいけません。

これは医大生だからハッキリ言えることかもしれません。難病というのは、ALSだけではありません。暖かな支援を送るのは、ALSだけに固執すべきではないように思います。自分のようなしがない医大生は、氷水を被るより、もっと多くの病気について学ぶべきと判断しました。


5.5000円を日本ALS協会に!

上記の通り、確かに寄付金をお送りさせていただきました。

正直、5000円というのはぼくにとって大金です。本ブログの読者の方はご存知でしょうが、つい先日まで関西旅行に行って豪遊してきたせいでただいまお金がありません。親からの現物支給の米で凌いで、もやしを茹でて食べている状況です。100ドルの寄付が正式らしいですが、今の僕にはその額は無理です。それでもなんとか、今日のバイト代分だけ振り込みました。それでも、細やかな支援の気持ちが届いてくれればうれしく思います。



ALSアイスバケツチャレンジに指名してくれた、我がラーメンの師と仰ぐ慶応義塾大学のSくんありがとうございました!
激しいパフォーマンスを求められていたかもしれませんが、ご期待に沿えず申し訳ございません。

次の人の指名をする文化があるようですが、特に指名などはいたしません。でも、ブログ村で、ちょっと支援の輪が広がったりしたら面白いかなと個人的には思います。




●一般社団法人 日本ALS協会
http://www.alsjapan.org/jp/index.html







(ここ数日ブログに気合いれすぎな気がしている人(笑))







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