アヴィニョン中央駅から急行で20分、アルル(Arles)の街へ着きます。アルルの人口は約5万人。この南仏の小さな街が日本でも有名なのは、タイトルにも記した古代ローマ遺跡とゴッホのお陰。
まずは、古代遺跡から訪ねていきましょう。
アルルの街の歴史は、ケルト人が住み始めた頃に始まり、やがてギリシャの植民都市に、そしてシーザーの時代にローマの領土となりました。「ガリアの小ローマ」(la Petite Rome des Gaules)と呼ばれたこの時代がアルルにとっては最初の黄金時代。多くの古代ローマ遺跡が残っています。
古い城壁の間の道を通って街の中心へと向かうと、大きな円形闘技場の壁が見えてきます。
西暦90年頃に作られたというこの闘技場(l’Amphithéâtre)は、最も広い部分で直径136m、2万人を収容できるそうです。
単に遺跡として観光の目玉になっているだけでなく、今でも闘牛やイベントなどに使われているため、近代的な補修や増設が行なわれており、内部は外観ほどには古代遺跡という雰囲気を持っていないのが残念ではあります。しかし、文化遺産を今日の市民生活とともに生きたものとして活用していくとなると、どうしてもこうなってしまうのかもしれないですね。
円形闘技場から数分歩くと、そこには古代劇場の跡が。この古代劇場(le Théâtre Antique)は西暦1世紀末に作られたもので、当時は1万人ほどを収容できたそうですが、今ではひどく破壊されてしまっており、2本の高い柱と数本の柱の基礎部分、それに観客席の一部が残っているだけです。
しかし、壊された部分の一部が何気なく転がっていて、かえって「つわものどもが夢の跡」といった雰囲気を醸し出しており、古代ローマ人たちの叫びやささやきが聴こえてきそうです。
しかも、遺跡の陰ではイチジクの葉が風になびき、実が輝いています。キリスト教を迫害し、やがては受け入れた古代ローマの遺跡に、聖書の世界にあるイチジクが。出来すぎの感もしますが、悠久の時の彼方へ思いを馳せることができそうな空間です。
ローマといえば忘れられないのが、共同浴場。この街にもコンスタンタン(les Thermes de Constantin)という共同浴場跡が残っています。
西暦4世紀に造られたこの共同浴場は、いくつかの部分に分割されており、プールのようになっていたり、マッサージを受ける場所だったり・・・お風呂大好きな古代ローマ人たちの社交の場にもなっていたようです。
古代ローマの遺跡が多いアルルの街ですが、その中で中世の香りを漂わせているのが、サン・トロフィーム教会とその修道院(le Cloître Saint Trophime)。
12世紀から14世紀にかけて建立されたもので、ロマネスク様式とゴチック様式の回廊が残っています。
こうした古代ローマと中世の遺産は1981年にユネスコの世界遺産に登録されています。
そして、アルルで忘れられないのが、ゴッホ。跳ね橋(ヴァン・ゴッホ橋)があまりに有名ですが、それ以外にも彼の絵の対象となった風景があります。
ゴッホが治療を受けたという病院(l’Hôpital d’Arles)跡にできたエスパス・ヴァン・ゴッホ。その中庭はゴッホがいた当時のままに保存され、絵と同じ風景を今も見ることが出来ます。
他にも、『夜のカフェ』のモデルとなったカフェ(Café de Van Gogh:写真中央の黄色い建物)、
そして『星降る夜』など、
ゴッホの足跡を辿ることができます。
小さな街に多くの歴史遺産。そして今そこに暮らす人々は、とても親切です。地図を片手に歩いていると、わざわざ追いつくのを待ってまで、どこへ行くのか、闘技場ならこの先だよと親切に教えてくれたお年よりもいました。
(市役所前の広場です)
歴史と人情の街、アルル。ミストラルでしょうか、冷たい風が吹いていましたが、心は温かくなる街でした。
まずは、古代遺跡から訪ねていきましょう。
アルルの街の歴史は、ケルト人が住み始めた頃に始まり、やがてギリシャの植民都市に、そしてシーザーの時代にローマの領土となりました。「ガリアの小ローマ」(la Petite Rome des Gaules)と呼ばれたこの時代がアルルにとっては最初の黄金時代。多くの古代ローマ遺跡が残っています。
古い城壁の間の道を通って街の中心へと向かうと、大きな円形闘技場の壁が見えてきます。
西暦90年頃に作られたというこの闘技場(l’Amphithéâtre)は、最も広い部分で直径136m、2万人を収容できるそうです。
単に遺跡として観光の目玉になっているだけでなく、今でも闘牛やイベントなどに使われているため、近代的な補修や増設が行なわれており、内部は外観ほどには古代遺跡という雰囲気を持っていないのが残念ではあります。しかし、文化遺産を今日の市民生活とともに生きたものとして活用していくとなると、どうしてもこうなってしまうのかもしれないですね。
円形闘技場から数分歩くと、そこには古代劇場の跡が。この古代劇場(le Théâtre Antique)は西暦1世紀末に作られたもので、当時は1万人ほどを収容できたそうですが、今ではひどく破壊されてしまっており、2本の高い柱と数本の柱の基礎部分、それに観客席の一部が残っているだけです。
しかし、壊された部分の一部が何気なく転がっていて、かえって「つわものどもが夢の跡」といった雰囲気を醸し出しており、古代ローマ人たちの叫びやささやきが聴こえてきそうです。
しかも、遺跡の陰ではイチジクの葉が風になびき、実が輝いています。キリスト教を迫害し、やがては受け入れた古代ローマの遺跡に、聖書の世界にあるイチジクが。出来すぎの感もしますが、悠久の時の彼方へ思いを馳せることができそうな空間です。
ローマといえば忘れられないのが、共同浴場。この街にもコンスタンタン(les Thermes de Constantin)という共同浴場跡が残っています。
西暦4世紀に造られたこの共同浴場は、いくつかの部分に分割されており、プールのようになっていたり、マッサージを受ける場所だったり・・・お風呂大好きな古代ローマ人たちの社交の場にもなっていたようです。
古代ローマの遺跡が多いアルルの街ですが、その中で中世の香りを漂わせているのが、サン・トロフィーム教会とその修道院(le Cloître Saint Trophime)。
12世紀から14世紀にかけて建立されたもので、ロマネスク様式とゴチック様式の回廊が残っています。
こうした古代ローマと中世の遺産は1981年にユネスコの世界遺産に登録されています。
そして、アルルで忘れられないのが、ゴッホ。跳ね橋(ヴァン・ゴッホ橋)があまりに有名ですが、それ以外にも彼の絵の対象となった風景があります。
ゴッホが治療を受けたという病院(l’Hôpital d’Arles)跡にできたエスパス・ヴァン・ゴッホ。その中庭はゴッホがいた当時のままに保存され、絵と同じ風景を今も見ることが出来ます。
他にも、『夜のカフェ』のモデルとなったカフェ(Café de Van Gogh:写真中央の黄色い建物)、
そして『星降る夜』など、
ゴッホの足跡を辿ることができます。
小さな街に多くの歴史遺産。そして今そこに暮らす人々は、とても親切です。地図を片手に歩いていると、わざわざ追いつくのを待ってまで、どこへ行くのか、闘技場ならこの先だよと親切に教えてくれたお年よりもいました。
(市役所前の広場です)
歴史と人情の街、アルル。ミストラルでしょうか、冷たい風が吹いていましたが、心は温かくなる街でした。
ゴッホの有名な絵画を、思い浮かべながら、楽しく読ませていただきました。
今年も、GWには多くの日本人の方たちがフランスに行かれるのでしょうね。
最近、日仏交流150周年の記念のHPのお蔭か、旅行で旧街道を歩く方たちの中に、フランス人の姿を見かけるようになりました。たくさんの方がいらしてくださると嬉しいです。
私事ですが、ブログの中で、一年近く前の記事にリンクを貼らせていただきました。事後承諾で、申し訳ございません。