この夏訪れた、街。パリからの小さな旅。いくつかご紹介しましょう。
まずは、アンジェ。パリから西へ300km。TGVで1時間半の距離のところに、アンジェの街があります。ロワール地方に属するメーヌ・エ・ロワール県の県庁所在地。人口およそ15万人。周辺地域を含めたアンジェ圏で約26万人。古い歴史を有する町ですが、今ではアンジュー・ワインやリキュールなどの農産品はもちろん、エレクトロニクス関連など新しい産業も発達しています。
アンジェは、紀元前、漁師や猟師たちの住む小さな集落でした。やがて、ローマ人、ノルマン人などに支配され、その後はイギリスとフランスとの間を振り子のように揺れ動いてきました。そうした歴史をもつこの街がアンジュー公国となったのは、1246年。聖王ルイが弟のシャルルにこの地方を与えたのがはじまり。しかし、時あたかも百年戦争の最中。正式にフランス領となったのは、1258年。そして1480年、善王ルネの死をもって幕を閉じるまで200年以上、アンジュー公国の首都として栄えました。
今日、この街の観光の目玉となっているのは、メーヌ川沿いにそびえるアンジェ城。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/0c/37d4485f9df0ab790e998864242f39c7.jpg)
基礎は、聖王ルイによって1228年から10年の歳月をかけて造営されたものです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/79/c4af1a776fe43b84cb4fde80cb934bab.jpg)
(説明用の模型です)
ロワール地方に建つ城ですから、華麗なイメージをいだきがちですが、上の写真でお分かりのように、隣国ブルターニュ公国からの攻撃に備える軍事目的の城として作られました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/9a/f98fdce8451486bac2650a2d6862ac8b.jpg)
城壁には高さ30m以上の塔が17基あり、矢狭間が取り付けられていて、いかにも戦いの城といった面構えです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/c2/804ebe859cd4e8d9c92ab45f274e7ded.jpg)
しかし、14・15世紀にはナポリ王を兼ねた王たちにより華麗な建築様式がつけ加えられ、華やかな社交が繰り広げられたそうです。今では、庭園、礼拝堂、王室居住棟など戦いとはかけ離れた施設を城壁の内部に見ることができます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/bd/d00c0b1034ceaebfc7208212ceb037e8.jpg)
(礼拝堂のステンドグラスです)
さて、この城の最大の見ものは、最古にして最大のタピストリーといわれる『ヨハネの黙示録のタピストリー』です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/87/85ae44e6986a11aec3fde1a0ca6c0c52.jpg)
高さ5m、幅130mという壮観さ。アンジュー公ルイ1世が竪機職人ニコラ・バタイユに依頼したもので、1373年から1383年にかけて制作されたのではといわれています。15世紀から18世紀途中まではすっかり忘れ去られていましたが、19世紀中ごろから修復されて、今日に至っているそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/64/bd4a850c1ce043e9f9bb10deae620cd6.jpg)
こうした図柄が70面以上。新約聖書の最後にある聖ヨハネの黙示録(新しい世界へ移る神の啓示)を見事な構図、豊かな装飾性で織り成しています。まさに圧倒的な美です。
建設当初、城壁には屋根が備えられていたそうですが、宗教戦争時に取り除けられてしまいました。しかし、城壁自体は破壊を免れて、その雄姿を今も見せてくれています。その城壁の上、今では、素敵な使われ方をしています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/73/2163530b690fee3a101e7d18af140901.jpg)
このように30mもあろうかという高い城壁の上は、いまや一面の緑に。コーナー部分は、きれいな花畑。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/50/db76dd1067d23b18eda889dc57bd602a.jpg)
そして、狭い通路部分は、なんとブドウ畑。城壁の上のブドウ畑です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/37/8c5dec6c6619ea26e37b2b4f9e688f39.jpg)
とびきりのアンジュー・ワインが生まれるのかもしれないですね。
アンジェの街は城でもつ・・・とはいっても、それ以外にももちろん見所はたくさんあります。ちょっと間をおいて、次回、いくつかご紹介しましょう。
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まずは、アンジェ。パリから西へ300km。TGVで1時間半の距離のところに、アンジェの街があります。ロワール地方に属するメーヌ・エ・ロワール県の県庁所在地。人口およそ15万人。周辺地域を含めたアンジェ圏で約26万人。古い歴史を有する町ですが、今ではアンジュー・ワインやリキュールなどの農産品はもちろん、エレクトロニクス関連など新しい産業も発達しています。
アンジェは、紀元前、漁師や猟師たちの住む小さな集落でした。やがて、ローマ人、ノルマン人などに支配され、その後はイギリスとフランスとの間を振り子のように揺れ動いてきました。そうした歴史をもつこの街がアンジュー公国となったのは、1246年。聖王ルイが弟のシャルルにこの地方を与えたのがはじまり。しかし、時あたかも百年戦争の最中。正式にフランス領となったのは、1258年。そして1480年、善王ルネの死をもって幕を閉じるまで200年以上、アンジュー公国の首都として栄えました。
今日、この街の観光の目玉となっているのは、メーヌ川沿いにそびえるアンジェ城。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/0c/37d4485f9df0ab790e998864242f39c7.jpg)
基礎は、聖王ルイによって1228年から10年の歳月をかけて造営されたものです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/79/c4af1a776fe43b84cb4fde80cb934bab.jpg)
(説明用の模型です)
ロワール地方に建つ城ですから、華麗なイメージをいだきがちですが、上の写真でお分かりのように、隣国ブルターニュ公国からの攻撃に備える軍事目的の城として作られました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/9a/f98fdce8451486bac2650a2d6862ac8b.jpg)
城壁には高さ30m以上の塔が17基あり、矢狭間が取り付けられていて、いかにも戦いの城といった面構えです。
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しかし、14・15世紀にはナポリ王を兼ねた王たちにより華麗な建築様式がつけ加えられ、華やかな社交が繰り広げられたそうです。今では、庭園、礼拝堂、王室居住棟など戦いとはかけ離れた施設を城壁の内部に見ることができます。
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(礼拝堂のステンドグラスです)
さて、この城の最大の見ものは、最古にして最大のタピストリーといわれる『ヨハネの黙示録のタピストリー』です。
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高さ5m、幅130mという壮観さ。アンジュー公ルイ1世が竪機職人ニコラ・バタイユに依頼したもので、1373年から1383年にかけて制作されたのではといわれています。15世紀から18世紀途中まではすっかり忘れ去られていましたが、19世紀中ごろから修復されて、今日に至っているそうです。
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こうした図柄が70面以上。新約聖書の最後にある聖ヨハネの黙示録(新しい世界へ移る神の啓示)を見事な構図、豊かな装飾性で織り成しています。まさに圧倒的な美です。
建設当初、城壁には屋根が備えられていたそうですが、宗教戦争時に取り除けられてしまいました。しかし、城壁自体は破壊を免れて、その雄姿を今も見せてくれています。その城壁の上、今では、素敵な使われ方をしています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/73/2163530b690fee3a101e7d18af140901.jpg)
このように30mもあろうかという高い城壁の上は、いまや一面の緑に。コーナー部分は、きれいな花畑。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/50/db76dd1067d23b18eda889dc57bd602a.jpg)
そして、狭い通路部分は、なんとブドウ畑。城壁の上のブドウ畑です。
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とびきりのアンジュー・ワインが生まれるのかもしれないですね。
アンジェの街は城でもつ・・・とはいっても、それ以外にももちろん見所はたくさんあります。ちょっと間をおいて、次回、いくつかご紹介しましょう。
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パリと地方、両方を知ってはじめてフランスが理解できるともいいます。地方ごとの多様な表情・・・ぜひ、ご自分の目でご覧になるチャンスを! LIPRIVERさんの素敵な写真で見れるのを楽しみにしています。
パリのデパートのSamaritaineは、去年行ったとき、
工事中だったのですが、新装オープンになったのでしょうか、それとも、あのまま?
ほかと比べて庶民的で好きなんですよね。
アドレスは、www.lasamaritaine.comです。仏・英語で出ています。ご確認ください。
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お役に立てて幸いです。
どうも、残念ながら、「工事中」のままのようですね。