50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

アメリカの商業主義には乗らない・・・かな?

2008-02-14 04:52:15 | パリ
14日は、ヴァレンタイン・デー(la Saint-Valentin:ラ・サン・ヴァランタン)。日本では、義理チョコで大賑わいするのでしょうね。平均単価500円弱とか。3ユーロですね。「義理」ですから、貰っても心底喜べないものの、貰えないとこれまた寂しいという、厄介なものですね。では、フランスでは・・・

まずは、アンケート結果から。


フィガロ紙がネット上で毎日行なっているアンケートなのですが、11日の紙上で発表になったのは、ヴァレンタイン・デーを楽しみにしているかどうか・・・

ノンが68%、ウィは32%。三人に二人は関心ないと答え、楽しみにしているのは三人に一人だけです。具体的には・・・
・毎日がヴァレンタイン・デー。誰かを愛していれば、常に相手のことを考えるし、相手からの優しさはいつだって嬉しいもの。
・こんな商業主義のお祭りよりも、もっと美しい個人的なお祭りがたくさんある。結婚式に、誕生日に・・・数え切れないほど。
・もちろん、楽しみ。いくつになっても、愛情に勝るものはないわ。
・アメリカの商業主義の押し付けはもううんざり。誰かを愛していれば、毎日がお祭りよ。
・店にとっては売り上げを上げるちょうど良いチャンスを見つけたってところなんだろうね。でも、こんな方法で愛を得ようなんて、下品と紙一重だね。
・みんなが商業主義に毒されたお祭りだと言おうとも、若い子にとってはちょっとした気遣いはいつだって嬉しいものよ。愛を告白するのにこうしたお祭りが必要だとは思わないけれど、時として助けになる場合だってあるでしょ。なんていったって、ロマンティックになれるチャンスですもの。
・愛のお祭りなんて、お互いが必要だと思ったときにすべきで、プレゼントがあろうとなかろうと、年1回なんてけちなことは言わない。

・・・いかがでしたか。やはりアムールの国。愛は生きがい、一年中がヴァレンタイン・デーですから、特別に告白の日など必要ないのでしょうね。まして、義理チョコなど。この義理チョコほど、商業主義に乗ったものはないでしょうね。でも、日本社会では、義理を欠いては生きてはいけぬ!

さて、ヴァレンタイン・デーなんてアメリカ流の商業主義さという人が多いのですが、それでも商売としては、このチャンスを見逃す手はありませんよね。


アクセサリー・ショップの店頭です。ヴァレンタイン・デーの文字はないのですが、この時期にハートがあれば、間違いないですよね。でも、左下の切り絵のような男女のイラスト、さすが、愛の国ですね。


こちらはしっかり、2008年ヴァレンタイン・デーと明記していますね。しかも、「宝石の愛」と謳っています。


クリスタルガラスで有名なスワロフスキーの店です。愛する人へ、2月14日は、ヴァレンタイン・デー・・・スワロフスキー。さすが多くの国でショップ展開している企業だけあって、きちんとビジネス・チャンスにしていますね。でも、白地の文字だけ。品は保っています。


「愛は美しさの秘密」なんだそうです。ヴァレンタイン・デーの文字はないですが、このハートとキャッチフレーズが雄弁に語っていますね。パリは、まだ冬のソルド(バーゲン)期間中。香水は40%引きで、さらにシャワー用ジェルが付いてくるそうです。粗品も一緒にプレゼント、でしょうか。


では、デパートは・・・ギャラリー・ラファイエットのショー・ウィンドーです。この時期、クロエが独占しているのですが、多くのショー・ウィンドーの右端にお揃いのヴァレンタイン・デー用スティッカーが貼られています。香水やアクセサリーなどがやはりプレゼントとして売れるのでしょうね。なお、お隣のプランタンにはヴァレンタイン・デー用の装飾は何も見当たりませんでした。


さらにシックな店(つまり顧客層の年齢が若干高め)になると、ハートをデザイン化しています。同じデザインのスティッカーも白地でこっそりと貼ってありました。話題には乗るが、あからさまには乗らない・・・そんなぎりぎりな踏ん張りが見え隠れしているようで、健気です。そして、いくつになっても、愛! さすがです。

店頭ディスプレイをヴァレンタイン・デーに因んでデザインイしているところもありますが、そうした店の商品は、アクセサリー、香水・・・

若い読者が多い情報誌が推薦するプレゼント好適品も、やはりアクセサリーや時代を反映したマルチ・メディア・ディスプレイ、そしてフランス人大好きの花束などが多いですね。もちろん、チョコやクッキー、ワインなどもあるようですが、右を見ても左を見てもチョコレートというわけではないようです。日本とは違いますね。しかも・・・

そうなんです、プレゼントを贈るのは男性。貰うのは、いつも女性。さすがフランス男性はやさしい! と思いますか。残念でした。ヴァレンタイン・デーに女性がプレゼントするというのは、世界広しといえども、日本くらいなのではないでしょうか(日本と同じような国が若干あるかもしれませんが)。もちろん、女性から贈ってもいいのですが、やはり習性か、男性からが多いようです。同じアジアの中国でも、大多数は男性から女性へ。日本は・・・女性が積極的と捉えるべきか、男尊女卑の伝統と捉えるべきか、いやいや、ヴァレンタイン・デーとお返しのホワイト・デー、2回も商売チャンスにしようという商売熱心さと乗せられやすい国民性なのか・・・いずれにせよ、良くあることですが、これも日本が他の国々とちょっと違うということのひとつなのでしょうね。

さて、さて、季節の風物詩ともなっているヴァレンタイン・デー。フランスで、どこまで浸透するのでしょうか。アメリカの商業主義には毒されないと言いつつ、アメリカ文化や価値観がじわじわ浸透してきていますから・・・どうなりますか、今後が楽しみですね。日本は、アメリカの上手を行くほどの商業主義ですから、いまさら今後の推移、なんて言う必要はないですものね。

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