50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

ジャパン・デー。

2008-02-02 05:10:54 | マスコミ報道
こちらの新聞に目を通していると、時として日本関連の話題が同じ日にいくつも取り上げられていることがあります。日本スペシャル・デー、といったところでしょうか。以前にもご紹介したことがありますが、1月30日もそんな日でした(記事等はフィガロ紙から)。


①盆栽
生け花をやっているフランス人は多いようで、パリ日仏文化会館などで時々展示会をやったりしています。でも、盆栽は・・・盆栽を栽培したりしているフランス人は多いのでしょうか。いるにはいるでしょうが、さて、どのくらいいるのでしょう。

その盆栽に「美」を見出している人といえば、日本贔屓のシラク前大統領。


今年は日仏交流150周年、何かとイベントの多い年になりそうで、日本に興味のあるフランス人は、今から楽しみにしているようです。そうしたイベントのひとつが、5月から6月にかけてヴァンセンヌの森で開催される皐月の盆栽展。芽吹くところから花の盛りまで、低い植栽の変化をじっくり楽しめる・・・素晴らしい展示会になるのは間違いなし、とシラク氏も太鼓判だそうです。

150周年に関していろいろアドヴァイスをしてくれたらしいシラク氏。長年にわたって日本とは親密な関係を築いてくれていましたので、大統領就任中に記念の年が迎えられれば良かったのでしょうが。そのシラク氏がもっとも楽しみにしているという盆栽展。日本人の縮み志向の具体例に持ち出されたりしたこともありますが、その小さな世界にまさに「日本の美」が凝縮されている、と見る人も多いようです。さて、フランスの人たちには、盆栽、どう映るでしょうか。


②明治安田生命保険
新聞やテレビのニュースでも連日トップニュースになっているソシエテ・ジェネラルの不正行為問題。社長の責任は・・・辞意を理事会に提出するも拒否され、任に留まると社告でも発表していたのですが、サルコジ大統領から責任を指摘され、30日に再度理事会を招集。しかし、理事会は、続投を再確認。


経済面で、理事会の構成メンバーが紹介されていました。16人の理事の中に一人、アジア人(右下の端です)。名前を見ると、明治安田生命保険の松尾憲治社長です。ソシエテ・ジェネラルの監査役のようですが、どうしてここに・・・明治安田生命はソシエテ・ジェネラルの株主。それも、2.97%の株を持っている3番目の大株主なのだそうです。日本では、報道されていましたでしょうか。ネットで文字検索したら、出ていなかったのですが・・・

ソシエテ・ジェネラル社長のダニエル・ブトン氏。1950年生まれの超エリート。1974年にエリート養成所ともいえる国立行政学院(ENA)を卒業し、最年少で財務監査官に。財務官僚として陽のあたる道を歩み、1991年にソシエテ・ジェネラルの役員に。93年にアメリカ流にいえばCOOに。そして97年にCEO。10年に亘ってソシエテ・ジェネラルに君臨してきたわけで、その間には東欧諸国への進出なども果たし、2007年5月には、自社株を過去最高の株価に引き上げたそうです。

そのブトン氏の続投を決定した理事会で、日本の明治安田生命はどのような意見だったのでしょうか。日本企業では、欠席・委任状なんて事がよくありますが、今回は・・・


③1.5%
社会党の重鎮、ドミニク・ストラス=カーン氏が専務理事を勤める国際通貨基金(IMF)が2007年と2008年の主要国の経済成長率予測を発表しましたが、アメリカ、ユーロ圏に次いで日本も三番目に紹介されていました。


サブプライム問題や資源価格の上昇などで、昨年10月時点での予測を引き下げた国が多くなっているようです。日本も1.7%から1.5%へ。引き下げ幅が最も大きかったのは中東欧ですが、ユーロ圏も0.5%引き下げられています。アメリカ、ヨーロッパ、そして日本も多少加わって、弱い経済の輪を形成しそうだとか。

一方、新興国や途上国は、あまりサブプライム問題などの影響も受けず、好調さを持続するようです。中国は二桁成長。インドも好調。人口の多い新興国は内需がしっかりしているからでしょうか、右肩上がりを続けるようですね。世界全体では4.1%、新興国と途上国だけだと6.9%の成長が予想されているとか。その内、こうしたリストにも、インドやブラジル、ロシアも加わってくるのでしょうね。中国は、もう加えられています。G8や蔵相会議なども新しいメンバーを加えることになりそうですね。ダボス会議で意気消沈していたアメリカと意気軒昂な新興国。多極化が進行して行くのでしょうか・・・


④日本企業も元気です!
最後は広告。ニコンのカメラです。

デジカメは日本企業のシェアが非常に高い。日本経済がどうとかいっても、やはり日本は現場が頑張る国。それぞれの企業が生き残りをかけて頑張っています。片やフランスは、原子力、兵器、航空機など強みのある分野で政界、財界、企業が一体となってセールスを展開しています。リビアで、アルジェリアで、モロッコで、インド、中国で・・・そして4月には、原子力関連で共同歩調をとるべく、フィヨン首相と財界が日本へ行くようです。日本以外はサルコジ大統領が率先して行っていたのですが・・・G8で夏に北海道に行くので、今回は首相で、ということでしょうか。いずれにせよ、国挙げてのセールス。イギリスでも確か最高のセールス・ウーマンは女王とか言われていますね。しかし、日本では多くの場合、企業独自。政財官一体となった展開は、日本では何かと難しいのでしょうか・・・


・・・ときどきある「日本の日」。今回は盆栽と経済という、特に関係のない話題が4つ揃いました。いろいろ言われたり、自ら経済一流国の看板を下ろしたりしても、フランスからは日本はまだまだ元気に見えるようです。

↓「励みの一票」をお願いします!
 すぐ下の文字をクリックすると、ランキングにアクセスし、投票になります。

人気blogランキングへ