竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

点滴のひとつひとつに薄暑光 丈子

2023-06-15 | 第一句集「裂帛」自選


栄養補給での点滴
一滴一滴がリズムよく光って落ちる
なんとも心地よい薄暑光

コメント

夏は俺流ハーレーダビットソン 丈子

2023-06-14 | 第一句集「裂帛」自選


素肌に革ジャン
若きヤンチャな夏がずっと続くと思っていた

コメント

象も啼く鯨も嗤う雲の峰 丈子

2023-06-13 | 第一句集「裂帛」自選
雲の峰 
夏空に大きな入道雲がゆっくりと
象も鯨も時には嗤ったり啼いたりして

コメント

少年の海いつまでもラムネ色 丈子

2023-06-12 | 第一句集「裂帛」自選

はるけき少年期の海は
ラムネ瓶の色とあの香り


コメント

黄泉平坂どこまでもほたるほたる 丈子

2023-06-11 | 第一句集「裂帛」自選
 蛍の群舞

黄泉比良坂(よもつひらさか)とは日本神話において、生者の住む現世と死者の住む他界(黄泉)との境目にあるとされる坂、または境界場所。
ほたるが群舞じていそうではないか

コメント

語り部に太き静脈八月来 丈子

2023-06-10 | 第一句集「裂帛」自選
 原爆ドーム

八月は6日9日15日と悲惨な戦争の爪痕
その爪痕を語る語り部もみな老齢者
細い腕には静脈だけがやけに太い
コメント

ハンモック空の深みに運ばるる 丈子

2023-06-09 | 第一句集「裂帛」自選
 ハンモック

ハンモックに五体を浮かせての瞑目
異次元の別世界だ
空の深みへと心身が運ばれていくようだ

コメント

炎帝の覗きこんでる閻魔堂 丈子

2023-06-08 | 第一句集「裂帛」自選
 閻魔堂
炎天の鎌倉行脚
暑さ逃れに飛び込んだ閻魔堂だったが
狭く風の通らない堂の隙間から
真夏の陽光が鋭く差し込んでいた


コメント

片蔭の国際交流建長寺 丈子

2023-06-07 | 第一句集「裂帛」自選
 建長寺

建長寺は鎌倉五山のひとつ
外国人の姿も多い
参道や境内の日影に多くの参詣人がいて
外語に日本語が飛び交って
国際交流が行われている

コメント

美しき射位の少年夏袴  丈子

2023-06-06 | 第一句集「裂帛」自選
 弓道部 夏袴

長孫が中学生の姿である
部活が弓道部でその県大会でのワンシーン
その眩しすぎる姿を忘れない


コメント

蛇の衣昨日をすてる容かな 丈子

2023-06-05 | 第一句集「裂帛」自選
 蛇の衣

脱皮とは転生、別物になること
昨日までを捨てることなのだ
コメント

容赦なく柩車を打てり男梅雨 丈子

2023-06-04 | 第一句集「裂帛」自選


柩車の出る間際から突然の雨
容赦のない強い雨粒
逝く人の名残の挨拶のようだ

コメント

牧牛に呼名のピアス雲の峰 丈子

2023-06-03 | 第一句集「裂帛」自選
 牧場と雲の峰

夏の牧場
牛が牧草を食んでいる
その耳にはその名が記されている
それを読んで子供が名を呼んでいる
コメント

つらなりて黙のウエーブ川ほたる 丈子

2023-06-02 | 第一句集「裂帛」自選
 蛍の乱舞

旅行先での蛍狩りは川べりへのバス仕立て
バスは何台も連なっての大にぎわいだが
ライトを消してエンジンを切る
蛍が舞い始めるとなんとも不思議な沈黙のウィエr-ブが
何度も繰り返す
コメント

暑気払い女ざかりの男唄 丈子

2023-06-01 | 第一句集「裂帛」自選
 ビヤガーデン

ビヤガーデンに元気な女性群
宴も佳境となれば歌もでる
何故か元気な男唄

コメント