竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

穴を出る蟻の戸惑いきな臭さ たけし

2018-04-06 | 
穴を出る蟻の戸惑いきな臭さ




穴を出る蟻は
迎える春の大地を憧れているのだが
穴を出るたびに地上の臭いがおかしい
70年以上前のあのきな臭さを感じる
そろそろ地上での暮らしを放棄する時期なのか?


初案 2016/2/4
派遣先知らされぬ蟻穴を出る

蟻には戦いのための兵隊蟻がいる
否応もなく知らされぬままに戦地へ派遣される
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穴を出る十年ぶりの蟻もをり たけし

2018-04-05 | 
穴を出る十年ぶりの蟻もをり




冬眠から覚めた蟻が活発に動き出すようになってきた
巣からせわしく休みなく出たり入ったり
この中にはひょっとすると
10年も眠っていた猛者もと
ふと疑ってしまう
蟻の生命力としたたかさは人間の比ではないのだから



初案 2014/3/15
穴を出て参戦の是非蟻の老
穴を出た蟻
もう論議の時間はない
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さまざまに生命の多弁雪解風 たけし

2018-04-03 | 
 
さまざまに生命の多弁雪解風



雪解風はもう季節遅れの季語だが
初案の青葉風の不十分な取り合わせを救った

山からの雪解の風を受けると
生命はいよいよ活動を始めるようだ

風の音 川の音 樹木の息遣い 雪崩など
生命はかくも多弁なのだと思い知らされる


初案 2018/2/22
さまざまにゐのちの多弁青葉風


青葉風は夏の季語
「ゐのち」は「生命」で「いのち」と読みたい

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