強面の漢の急ぐ芒原 2015-09-15 | 秋 強面の漢の急ぐ芒原 たけし 芒原へでると顔は自然と強張って これからくる季節への身構える 長い来し方から 同じ幸運がずーっと続かないことを悟っている 季節のうつろいは環境心境の移ろいと同じ ひとつところに留まらない
秋天の編隊飛行見え隠れ 2015-09-14 | 秋 秋天の編隊飛行見え隠れ たけし 台風過の水害の惨状はいたましい限り 東日本大震災の復興はまだ途についたばかり 原発の処理は暗中模索 こんな中での「集団自衛権」の国会論議 今週中には国民の多数の反対意見を無視して採決するという 秋空に「編隊飛行」が見え隠れしているようだ
墓洗う不肖なるともひとりつ子 2015-09-13 | 秋 墓洗う不肖なるともひとりつ子 た 秋の彼岸が近い 墓を生地から今の居住地に映してより15年になる 墓地を購入し墓石をあつらえた 自分は一人っ子なのでいずれは 墓守をしながらここに入ることになる 決して孝行な子供ではなかったが 墓を洗うときは間違いなく血脈を感じる
年寄るは月にむかひて歩むこと 2015-09-12 | 秋 年寄るは月にむかひて歩むこと たけし 職場をリタイアして10年を超えた 家庭でも子供たちが自立して 家長としての責任と義務は終了した感懐がある 孫たちももうまとわりつくようなこともない 自分のためのたっぷりの時間がある 月に向かって一歩づつゆっくり進んで行けば良い
ひと癖が賛否両論木の実独楽 2015-09-11 | 秋 ひと癖が賛否両論木の実独楽 木の実独楽」言葉のひびきだけで懐かしい なんでも安易に手に入る時代だが 自分で木の実を拾い 真中に穴を空けて芯を通す 各々が自分の独楽を回して競う それぞれに癖があって大変に愉快 笑いこけたり悔しがったり 今の子供は本当に幸せなのだろうかとさえ思う
退屈に出番の増えて放屁虫 2015-09-10 | 秋 退屈に出番の増えて放屁虫 たけし 仕事も家庭でも自分の領分が減少すると 自由時間が増大するが退屈な時間が増えることになる 放屁虫 ところかまわず出番が多いのには閉口する
鯖味噌煮不味い話も舌鼓 2015-09-09 | 秋 鯖味噌煮不味い話も舌鼓 たけ 秋の味覚はさまざまだ 山の恵み、海の幸に限りがない 松茸などの高級食材も美味ではあるが 秋刀魚や鯖などの庶民の定番こそ極みといえる 鯖の味噌煮は好物で 少々の不味い話も気にならず 合槌がわりの舌鼓を打っている
秋灯し始末に思案悪書奇書 2015-09-08 | 秋 秋灯し始末に思案悪書奇書 たけし 秋めいてくると書棚を整理するのが習慣になっている いつかは廃棄しようと決めている 写真は良書の類だが 奇書悪書がいくつかあるのだが 目立たぬところに隠すように 今年も捨てない
自分史の捨てる一章秋燈下 2015-09-06 | 秋 自分史の捨てる一章秋燈下 たけし 秋になると 自分の来し方をふりかえることが多くなる 幼年時代からの記憶を辿ると 思い出したくない事象がいくつかある 頭を振ってその記憶を振りほどく 自分史にはこの1章は削除する
ふうわりとうらにおもてに桐一葉 2015-09-05 | 秋 ふうわりとうらにおもてに桐一葉 たけし 桐の葉はゆるやかに落ちる 「終の舞楽」では大げさに巣フィルか ふんわりでもなくふわりでもない ここはふうわりとしてみた
ふいうちの秋の初風通し土間 2015-09-04 | 秋 ふいうちの秋の初風通し土間 「通し土間」で一句をと思っていたのだが ひとこの句が浮かんだ 「秋の初風邪」も一度は詠んでみたいフレーズだった 推敲はまだはのだがなんとか自得の一句にしたいものだ
送り舟流れの先に鬩ぎ合い 2015-09-03 | 秋 送り舟流れの先に鬩ぎ合い 精霊流しは日本的でしみじみとした趣がある 都会ではほとんど習慣としては亡くなった感がある 最近は観光の臭いまできつくなって本来の目的にはそぐわない それでも闇の中の無数の送り舟の灯りは 見事に死者を弔っている 冥界に争いはないと信じるが 流の先の舟は鬩ぎ合っているようにみえる
祇園橋桜紅葉の濡れそぼつ 2015-09-02 | 秋 祇園橋桜紅葉の濡れそぼつ たけし 昨日の吟行会での1句 あいにくの雨もようだったが 城跡の秋時雨は風情があって愉しめた 桜紅葉には少し早かったが この祇園橋の落葉はまぎれなく桜葉である ただの報告でつまらないとの厳しい評価もあったが 俳句は自得と嘯いている自分が少し恥ずかしい
秋気配耳敏くして水呑場 2015-09-01 | 秋 秋気配耳敏くして水呑場 たけし 公園の水呑場 朝夕の犬の散歩で立ち寄ることがある 公園の四季のうつろいは顕著だ 公園の水呑場 口を近づけると 聴覚が敏感になる木がする 秋の気配がきこえたような