亀鳴くや聞かば三途の渡し舟 2015-04-15 | 春 亀鳴くや聞かば三途の渡し舟 たけし 亀の声は聴いた人はいないらしい 実は聞いた人は仏様になるのではないか この世の修行を終えて 来世に迎えられる時に聞けるのではないか
夕づくや田に一叢の余り苗 2015-04-14 | 入選句 夕づくや田に一叢の余り苗 たけし 「余り苗」で一句をつくろうとしたのだが なんとも平凡で面白みがない 歳時記で例句をみても感動するほどのものがない やはり句材が古いということなのだろうか 難しい 入選 2015/5/4 下野新聞 速水峰邨選
清貧の怯まぬかたち犬ふぐり 2015-04-13 | 春 清貧の怯まぬかたち犬ふぐり たけし 「清貧の思想」なる書籍があったような記憶がある 古希をこえてしばらくになる 気づけば「清貧の日常」を実践している 「清」とはなんとも用意あらざるものと思っていたのだが 欲、五欲 から離れれば難しくはないものだと理解した 「貧」も他と比較する気持ちが消えればなんでもない 清貧 まだまだ未熟なものの自得したいものだ 犬ふふり はこんな気持を応援してくれている
連れだちの抑留ばなし桜冷 2015-04-12 | 春 連れだちの抑留ばなし桜冷 たけし いよいよ花狂いの季節も関東は終焉である 俳句仲間とは何回かの桜をみる機会があった 私と同じ干支の元国鉄マンがおられる 御年96才 花冷えのなかポツリポツリと小田高菜口調で話す シベリアでの抑留の話、話すも聞くも辛かった 戦後70年 天皇陛下のパラオでの戦没者慰霊の雄型も報道されている あえて花冷えに色を感じる桜の一文字を使用してみた
童心を吸いとるやゐるあめんぼう 2015-04-11 | 夏 童心を吸いとるやゐるあめんぼう たけし あめんぼうを見ると目は止まって動かない じっとその姿を凝視してしまう あめんぼうは私を知るや知らずや 試すかのように水面に 少し動いては止まってしばらくは動かない あめんぼうに気づいた他の人も私に並んで動かない あめんぼうは見る人をみんな道心にして その道心を吸い取っている
囀りに樹木のやうな呼吸(いき)をする 2015-04-10 | 春 囀りに樹木のやうな呼吸(いき)をする たけし 朝の散歩はたくさんの喜びがある 発見がある 下方がある それもこの春はおびらだしい この頃は小鳥の囀りが嬉しい 思わず足を止め 音のない樹木のような呼吸をしてみたりする
嬰児の耳日に透けて桃まつり 2015-04-09 | 春 嬰児の耳日に透けて桃ま たけしつり わたらせ渓谷鉄道の「はなもも祭り」が10~11日にあるという 混雑が予想されるのと天候の読みもあって 今日言ってこようと思っている 掲句はイメージの句 きっとこんな感じだろうか
もののけの停戦解くや春の雷 2015-04-08 | 春 もののけの停戦解くや春の雷 たけし 動植物は各々の種の保存にはたくさんの知恵が働いている 生命の連鎖 転生は神様の芸術かと驚愕することが多い 己の種を大切にしていることに例外はない 種の保存のために自己犠牲する種は珍しくない 共食いをしたり、同じ種を攻撃するのは 下等な原始的生物に限られているようだ それは同じ空間に共存したくない「もののけ 妖怪」だといえる 人はだんだん妖怪に近づいてはいないか
不機嫌な人ばかり会う戻り寒 2015-04-07 | 春 不機嫌な人ばかり会う戻り寒 たけし 4月に入って1週間が過ぎようとしている 桜の狂奔も終盤を迎えるというのに 今日は2月の陽気だという 冷たい雨も一日中降り続く予報である 現在の気温は8℃ 何人かの人に朝会ったが挨拶もそこそこで みな期限が悪い
卒業のたびにふくらむ隠しごと 2015-04-06 | 春 卒業のたびにふくらむ隠しごと たけし 一生のうちで何度卒業を経験するのだろう 保育園では卒園というらしいが 大学 大学院まで延々と入学卒業が続けて社会人 心身の成長は知恵と欲望をも増幅させるのだろう 卒業のたびに 家族や友人に隠し事が溜まっていったような記憶がある 同じ貌して甘え声の孫たちもすでに何度か卒業を体験済である クワバラ クワナラ
花は葉に一人の似合ふ東慶寺 2015-04-05 | 春 花は葉に一人の似合ふ東慶寺 たけし 桜の盛りも過ぎようとしている 「花は葉に」という季語があるのだが使いたくて使えない難しい 何度か尋ねた鎌倉の東慶寺 駆け込寺として名高い ここにも桜が何本かあったように記憶している 以前<花は葉におんなひとりの東慶寺>を詠んだが 添削してみた こちらのほうが広がりそうだと 自我自得
桜ごち出番の近く宮土俵 2015-04-04 | 春 桜ごち出番の近く宮土俵 たけし 花ちらしの風邪が吹きすさんでいる 姿はみえないが境内は小鳥の声が飛んでいる 夫婦杉のいただきには新緑 この神社の恒例の実や相撲は、おう直ぐだ その土俵の手入れも万端である 昨年の初案を推敲してみた 春の雷出番のちかき宮土俵 2014.4.28
菜の花の飽きない苦みジャパネスク 2015-04-03 | 春 菜の花の飽きない苦みジャパネスク たけし 今年は菜の花をtzくさん味わった 家内と菜の花を摘んだせいもあるのだが ともどもにこうしたものが若い自分から好みせあった 野草には種類によって独特の苦みがある どの苦みも調味料では表せない味覚である 飽きることはない そうだ日本人なのだ 日本の秋だ ジャパネスク 死語になっているような言葉が浮かんだ
老どちの呵呵大笑や花の門 2015-04-02 | 春 老どちの呵呵大笑や花待の門 たけし 長いようで短いと感じる人生の軌跡 志半ばで老境に入るこみ忸怩たる時期もあったが 時の流れはいよいよ早く いつかその思いも忘却している 花の門 は桜が迎えてくれる門だが 彼岸への門とも言われる 悪行の数々を忘れて呵呵大笑する老人 贖罪はもう間に合わない・・・・
殺生を許して大儀大野焼 2015-04-01 | 春 殺生を許して大儀大野焼 渡良瀬遊水地では毎年葦焼が行われる 東日本大震災から2年ほど自粛したようだが 生態系の変化や外来種の増殖で 希少な絶滅を危惧される植物を 保護できなくなるとの理由で再開されたと聞く 晴天で風のない日を選ばないといけない 近隣の世話役が多数で行うが見物人や報道関係者も多い 逃げ遅れた小動物は死ぬこともあるが 大義の前の折衝は咎める人はいない