石田波郷の春の句10句を鑑賞(11)
散るさくら空には夜の雲愁ふ
嗽霞を見つつ冷たかりき
春暁のまだ人ごゑをきかずゐる
自動車の深夜疾走し散るさくら
花の下双猫夜の翳におぼれ
春日染まり自動車あふれゆき昏れぬ
花の路地老婆唄うたひ暁けはじむ
新聞をいらち断れば散るさくら
朝飯をわづかに食へり散るさくら
花の路地をとびだせり童女を見送れり
散るさくら空には夜の雲愁ふ
嗽霞を見つつ冷たかりき
春暁のまだ人ごゑをきかずゐる
自動車の深夜疾走し散るさくら
花の下双猫夜の翳におぼれ
春日染まり自動車あふれゆき昏れぬ
花の路地老婆唄うたひ暁けはじむ
新聞をいらち断れば散るさくら
朝飯をわづかに食へり散るさくら
花の路地をとびだせり童女を見送れり
10句の中で表題句を採った
夜の雲愁ふ が難解だ
散るさくらを雲が愁うという「だけではあるまい
波郷自身の療養の日常をも愁うのでは浅い
読者はどれを選句しますか
できればコメントを添えて選してくださいませんじか(丈士)
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