竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

抱くほかはない白菜を渡される 田中いすず

2020-12-17 | 今日の季語


抱くほかはない白菜を渡される 田中いすず

渡されたのだから買ったのではなくいただいたものだろう
見事な立派な白菜である
持ち合わせの袋も篭もない
抱くようにして家路をいそぐ
作者のこみあげてくる笑顔が目に浮かぶ
(小林たけし)


【白菜】 はくさい
◇「白菜漬」
ハクサイの漬物は、冬の食卓には欠かせない。鍋物にも絶好の蔬菜である。農家の縁先や庭に並べ干されたハクサイの白さは、間違いなく日本の冬の風物詩といえよう。しかし、このように日常的な冬菜として定着しているハクサイではあるが、実は普及してまだ100年ほどにしかならないのである。

例句 作者

空広くなりし白菜漬けにけり 中村わさび
白菜を割る激浪を前にして 大野林火
白菜洗ふ死とは無縁の顔をして 寺田京子
洗ひ上げ白菜も妻もかがやけり 能村登四郎
真二つに白菜を割る夕日の中 福田甲子雄
白菜を抱へゆく肘やはらかく 石原舟月
何のむなしさ白菜白く洗ひあげ 渡辺千枝子
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