竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

いちまいの銀箔のごと寒波来る 富川直芳

2020-12-04 | 今日の季語


いちまいの銀箔のごと寒波来る 富川直芳

目に見えるはずもない寒さを
おしよせる波のようだと表現する
日本人の感性は深くきれいで雅な感じさえする
作者はそれに重ねてその波を銀箔と捉える
これに勝る表意を知らない
(小林たけし)


寒波】 かんぱ
◇「寒波来る」 ◇「冬一番」
マイナス30度、40度といったシベリヤ付近の寒気団が日本列島まで南下してくると、急激に気温が低下する。これが何度も周期的に波のように押し寄せるのである。一気に5度も10度も気温が下がることも珍しくない。大景を詠んだ作例が多い。

例句 作者

ぱりぱりの星が落ちそう寒波くる 十河宣洋
双頭の蛇解け脛をのぼる寒波 瀧春樹
寒波急日本は細くなりしまま 阿波野青畝
寒波来るばりばり破く包装紙 田中朋子
寒波来る夜の闇にゐて眼(まなこ)病む 大西岩夫
寒波来る日本列島軋ませて 中島美代子
月煌々寒波の都会砂漠めく 井上純郎
海融けがたしまなじりに寒波急 諸角和彦
片足立つ鷺しんしんたる寒波 石黒英進
百獣の雄叫び分だけ寒波来る 長内博
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