竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

大田螺種田山頭火と似たり 大串 章

2019-03-21 | 今日の季語
大田螺種田山頭火と似たり 大串 章




句意は明解だ
田螺があの種田山頭火にそっくりだというのだ
作者の山頭火への憧憬が伺える
ただの田螺ではなく大田螺にしてこそ
山頭火への畏敬までもが推察される (小林たけし)

【田螺】 たにし
◇「田螺取」 ◇「田螺鳴く」
タニシ科の淡水産巻貝。貝殻は卵円錐形で暗褐色、殻口は広く角質の蓋がある。卵胎生で6、7月頃子貝を生む。水田・池沼に産し、食用。古い時代の農村の動物性蛋白質の供給源として貴重な食品であった。
例句 作者
静さに堪えて水澄む田にしかな 蕪村
籠をもる小さき田螺や水に落つ 高浜虚子
民宿の椀の重さよ田螺汁 小路紫狹
水入れて近江も田螺鳴くころぞ 森 澄雄
白凰の塔の真下の田螺かな 宮岡計次
月の出のおそきをなげく田螺かな 久保田万太郎
田螺見えて風腥し水のうへ 太祇
拾ひのこす田螺に月の夕べかな 蕪村
蓋とぢし田螺の暗さはかられず 加藤かけい
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