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明るいときに見えないものが暗闇では見える。

映画を消費モノにさせないための咀嚼用ブログ。自己満足風。
それと苦手な文章の練習用。

【最強のふたり(2012)】

2012年12月16日 | 映画
 


噂のフランス映画をやっとこさ鑑賞しました。真反対の境遇二人によるバディものなので基本的には安牌ですね。もちろん十分期待した通りの作品でしたが、結果それ以上のものを魅せていただけた気がします。

社会的通念や常識、差別や偽善を越えて、人と人が出会い自然に感情が紡がれていく様が気持ちよく描かれています。映画的に楽しいドリスの破天荒な魅力はもちろんですが、フィリップのドリスへの接し方、例えば寄り添うところは寄り添い叱るところは叱るという、一人の人間として彼を尊重する距離の持ち方の素晴らしさに唸りました。そんな中でドリスも成長していく様がとてもステキに思います。

そんな感動作ではありますが、それ以上にこの手の障害者を扱った映画としては大変非凡な出来となっています。全編earth wind & fireのディスコサウンドが散りばめられ、冒頭から「September♪」に載せてマセラティが疾走、刑事サスペンスものにも負けないカーチェイスが繰り広げられます。時にはクラッシック音楽から一変し「boogie wonderland♪」で皆が踊りまくったりと終始ノリノリのシーンが楽しいです。また二人のやりとりもまるで漫才の掛け合いのようで最高です。障害者ものとしては不謹慎と思われかねないシーンも多いですが、それがそのまま二人の絆の深さを魅せる場面となっていますね。しかし若干シモネタが多いのはドリス故のご愛嬌ということでww。数年前のフランス映画『潜水服は蝶の夢を見る(2007)』も同系の作品と言えますが、どちらも観客の心に重荷を感じさせず個人の尊厳についてサラリと魅せてくれるところはさずがオシャレの国の映画といったところ。日本でもハリウッドでもなかなか作れない空気感かと思います。

原題は『INTOUCHEABLES / UNTOUCHABLE』ですので意味が何重にもかかっていて深い題名と思いますが、これを『最強のふたり』とした邦題は、安易なようでいて実はよく考えらておりこれも成功した要因かと思います。またそもそもフランス映画らしくないフランス映画ですので、ハリウッドのリメイクもうまくいくのではないかな。そちらも楽しみです。

最後の映像は反則ですよ~。現実と映画がリンクして涙が止まりません。


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