ここ1週間で3個もの台風が北海道に上陸した。観測史上初の事らしい。
で、今朝5時過ぎに消防署から消防団員への緊急招集メールがケータイに届いた。某牧場からの救助要請とのこと。恐らく水が来て避難も出来ない状況なのだろう。しかし、ウチの前の道路も茶色く濁った水が道路を流れている。とりあえず向かいの沢と裏手の川の水位を確認し、相当高くなってはいるものの、自分が避難しなければならない程ではないと判断。現場に向かった。
もう間もなく現場というところで道路が冠水していた。他の団員の人もいて「こりゃ乗用車じゃ無理だ」となり、分団の庁舎に戻ろうとしたら、分団の機材車とKくんの4WDピックアップトラックと落ち合った。実はここまで来る途中、もう一軒床下浸水状態になっている家があり、機材車はそちらの救助に向かった。自分はKくんと最初に救助要請のあった牧場に向かった。乗用車だと危険な冠水場所も、ピックアップトラックだとなんとか行けた。しかし、玄関のあたりは腰くらいまでの水位があり、玄関までの距離も道路から15メートルほどある。水はほとんど滞留しているので歩いて行けないこともなさそうだが、どこに用水路などがあるか判らないので危険だ。そうこうしているうちにどんどん水かさが増してきた。このままでは自分たちもここから脱出できなくなる恐れが出てきたので、家の人には2階に避難してもらっている事を祈って一旦撤収。つい10分ほど前には多少の余裕もあった冠水場所だが、今度はホントにギリギリで通過できた。二次被害の一歩手前だった。
とりあえずもう一軒の現場に救援に行くと、近所の牧場の人がトラクターを出してくれて3人を救出していた。そこでKくんは自分の家からタイヤショベルを持って来る事を決断。同じく団員で、家が隣どうしでもあるMくんの積載車にタイヤショベルを乗せて、先ほどの現場の救助に再トライするという。そこで、自分たちも道路が冠水している場所まで戻った。すると、Sさんが堤防上を車で行ける事に気付いた。家の人を救助したら避難場所である地域の会館まで運ぶ必要があるので、機材車で堤防上を走り、家の近くまで行く事にした。堤防のてっぺんまであと1メートルほどに迫った茶色い濁流は、ちょっと恐ろしさを感じる。
ようやくタイヤショベルが到着し、無事におばあさんを救出。雨も小降りになり、水かさも減りつつあったが、とりあえず無事に救出できてよかった。機材車に乗っている時、消防無線が飛び交っていた。消防隊員はあちこちで活動していて、こちらには来られない様子。結局、消防団員と住民だけで2家族4名を救出した。普段は別に仕事を持っている地域住民が消防団員となっているが、農家が多いこういう地域だからトラクターやタイヤショベルなどの機材を活用してこういう活動が出来る。やっぱり消防団って大事だね。
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冠水した道路を迂回し、堤防上を行く機材車。川の水が堤防を越えるまであと1メートルくらいだが、おそらくこの頃がピークで、救助者を搬送する時には少し減っていた。
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人が立っている場所は歩道で、その右は道路。左は排水用の側溝だが、排水が追い付かずこの状態。
川が氾濫したわけではないが、近くに沢があってしかもこの辺りが一番低い地形なので、どうしても水が溜まりやすい場所なのだ。
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タイヤショベルでおばあさんを救出。先ほど自分たちが身の危険を感じて撤収した時は、壁のモザイク状のタイルが隠れてしまうほどの水位だった。