太陽日記

北海道移住10年を機に、日記をこちらに引っ越しました。気が向いた時にひっそりと更新します(笑)

光回線

2021-06-13 12:15:51 | 日記
 7日の月曜日にやっと我が家にも光回線が開通しました。2021年の今頃に何言ってんの?とお思いでしょうが、九州と四国を足したよりもっと広い土地に540万人しかいない北海道(しかも、そのうちの200万人は札幌市民)では、ちょっと市街地から離れたら光回線が整備されていない地域はまだかなりあるのが実情です。
 思えば、町長以下、役場の課長級が町内各地域を回って町民と意見交換をする町政懇談会の場で自分が「NTTは採算が見込めない地域という事で光回線の整備はやってくれないみたいだけど、町として強くNTTに要望してほしい」と訴えたのが約15年前。当時の町長のKさんが答えたひと言目の「私はインターネットとかはあまりやらないので、そういった事はよくわからないのですが…」に絶望したあの日から苦節15年。ようやくネット環境が世の中の標準に追いつきました。これまで様々な動きがあって現在に至ったのですが、その経緯を簡単に書きたいと思います。
 まずは光回線の必要性を感じていた一人の町議さんからの提案で、「新冠町ブロードバンドを考える会」という有志の会が作られて自分も誘われて参加しました。そこで幾度となく開催された勉強会で、NTTが整備をしてくれる地域ではないので、町が自前で光回線網を整備し、運用をNTTに委託する方法しかない。ただ、その膨大な費用を補助してくれる補助金や制度があるという事を知りました。そしてその頃には町長のKさんも光回線の必要性に気づいて整備に前向きになってくれていました。また、その後は正式に町に要望を出すには有志の会ではなく期成会といった団体として要望を出す方がいいだろうという事で、町建設協会の会長に会長となってもらい、「新冠町光回線期成会」とカタチを変えて町に要望を提出しました。
 しかし、いくら町長が光回線整備に積極的になっても、町の予算を使って整備をするからには議会の承認を得なければなりません。補助金などを最大限に活用してもウン億円の予算をつぎ込まなければならず、なかなか議会の理解は得られませんでした。特に議会のドンと呼ばれる人は「光回線なんて、ネットで動画を見たりゲームをしたり、遊びで使いたい連中が欲しい欲しいと騒いでいるだけだろ?」というスタンスの人だったので、その壁を崩すのは至難の業でした。また、4年前に行われた町長選では光回線整備を訴えるKさんと、光回線整備には反対の立場をとるNさんの一騎打ちとなり、僅差で反対派のNさんが当選してしまいました。Nさんの主張としては「デジタル格差の解消は必要とは思うが、他にもっと予算を割くべき事がある。今後は携帯の電波ももっと速くなり、そちらが主流となるだろう」と、まるでこの問題は携帯会社に丸投げとも取れるもので、その時にはもう光回線が来ることは無いだろうと諦めていた。
 ところが、2年も経たないうちに突然Nさんがそれまでの方針を180度転換して光回線を整備すると言い出した。どういう風の吹き回しか分からないが、とにかく突然風が吹き始めた。その頃には議会の中で猛烈に反対する人もいなくなり、議会の承認も得られた。そして町長のNさんをはじめ、役場内の担当となったSさんなどが北海道や総務省などとやり取りを繰り返して無事に補助金も当たる事になり、令和元年度予算で町の東側半分、2年度予算で西側半分を整備する事が出来た。

 ウチの前の電柱に光ファイバーが敷設されたのは去年のうちだったけど、光回線の申し込みが始まったのは今年の4月5日。もちろん初日に申し込んだのだが、実際に工事をして開通したのは6月7日。広い地域で一斉に受け付けたので順番が前後してしまうのは仕方がないが、ウチのお隣さんは4月30日に開通している。そのお宅はNTTの営業マンが来たのでその人に頼んだと言っていた。つまり本丸のNTTフレッツ光だ。自分はドコモ光にしたのだが、このご時世、ドコモショップに行くにもまずネットで来店日時を予約しなければならない。なので接触機会を減らす意味でもネットから申し込んだ。するとなかなか工事日が決まらない。やがて役場のSさんから「ドコモ光の人でもドコモショップに行って申し込んだ人は5月中の工事がどんどん決まっている。でもネットで申し込んだ人は未だに決まってないという人がいるみたいです」と聞いた。そこでドコモ光サービスセンターに何度も電話した。すると「NTTからは『家の前の光ファイバーから自宅に引き込む設備の手配中』となっています」と分かったような分からないような回答があった。そこで、「今回は新冠町が光回線を整備し、町内全戸で使えるように路線設計もしているのですぐに工事に入れるはずだ。北海道の新冠町だという事を強く訴えてくれ」と要望した。すると4時間後に「工事できるそうです」と回答があった。なんなんだよ!
 しかも5月中の日程は全て埋まっているので最速でも6月7日になると言われた。結局、訪問してきたNTTの営業マンに直接頼んだ人は4月中に開通し、ドコモショップに足を運んだ人がその次、ネットで申し込んだ人はさらにその次。つまり対面で仕事した方がスムーズに事が運ぶという事だ。そりゃこの国でテレワークが普及しないワケだ。日本はいつまで経ってもIT後進国だな。なんたってサイバーセキュリティ担当大臣が「私はパソコンは使いません!」とドヤ顔で言っちゃう国だからな。

 そして6月7日に無事に工事が終わったのだが、近所では「auひかりに申し込んだけど、未だに工事日が決まらない」という人がいたので工事業者の人にも言ってみたけど、「確かに、この地域でもう何軒も工事してますけど、auひかりはまだ1軒も工事してないですね」と言っていた。つまり、NTT東日本のフレッツ光は本丸なので最優先。コラボ光は外様なので後回し。その外様の中でもドコモはNTTの完全子会社になったからちょっとは優先してあげるって構図が見え見え。これって厳密に言ったら独占禁止法に抵触すると思うんだけど。

 で、兎にも角にもやっと光回線が開通したワケで、さぞや速くなったんだろうなとPCでスピードテストしてみたら全然出てない。むしろスマホでテザリングしてた時より若干遅くなってる。スマホは4G回線よりもWiFiでつないだ方が速くなっているので、光回線はちゃんと開通している。どうやらPCのUSBに挿している無線LANの子機が一昔前の規格のヤツなのが原因みたい。そこで早速ネットで注文して翌日には届いたNEWアイテムをデスクトップのPCに装着。


 右下の矢印のパーツが今まで使っていた無線LAN子機。すぐ近くにスマホを置いてテザリングしてた時にはあまり気にならなかったけど、ルーターから10m弱も離れると全然ダメダメ。NEWアイテムのtp-link AX3000はPC内部のPCIスロットに挿すタイプで見るからに強そう(笑)
 そもそもルーターがWi-Fi 5規格なのでWi-Fi 6対応のこの商品はオーバースペックではあるんだけど、3年保証も付いてるしオマケの機能としてBluetoothも使えるようになるので、プリンターとつないでいるUSBケーブルがいらなくなる。また、次にキーボードとマウスを買い替える時はBluetooth接続のヤツにしようかな。


 結果、調子のいい時はこのくらい。実際はもう少し遅い時が多いけど、今までと比べたら10倍以上のスピード。そして何より、もうギガの残りを気にする必要が無くなったのが最も大きなメリット。今や高速ブロードバンドは電気・ガス・水道と同じような生活インフラ。ネットで動画を見たりゲームをしたり、遊びで使うためだけのモノでは決してないのです。
コメント (4)
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