橋下市長「グッとくるものない」と辛口文楽批評(読売新聞) - goo ニュース
橋下徹大阪市長は26日、4年ぶりに同市中央区の国立文楽劇場に足を運んだ。
集客に努める文楽協会の姿勢を評価し、初鑑賞後に「二度と見ない」としていた態度を一転、人間国宝の竹本源大夫さんらが出演する「曽根崎心中」を鑑賞した。しかし、「守るべき古典芸能だとはよく分かったが、ラストシーンでグッと来るものがなかった」と相変わらずの辛口批評。鑑賞後は技芸員(演者)とあいさつを交わしたものの、協会への補助金支給につながる進展は見られなかった。
鑑賞後は竹本さんら人間国宝の3人の楽屋を訪ね、あいさつ。市からの補助金支給の条件とする公開での意見交換を再度求めたが、いずれの演者からも明解な回答は得られず、逆に「文楽は大阪でしかできない、大阪でやっていく芸能だ」と文楽保護の必要性を強調されたという。
橋下市長は今まで芸術や古典芸能に親しんできていないのでしょう。
スポーツに理解を示しても文化的な事には興味がない様子です。
それは幼少時からの環境に左右されるでしょうし、
学校教育でも古典芸能に触れる機会もなかったのではと思います。
古典芸能や日本の古典音楽について殆ど教えない学校教育。
それが問題なのではないでしょうか。
好き、嫌い。
面白い、面白くない。
感激した、感激しなかった。
そんな白黒で物事を決めるのは短絡的です。
「ラストシーンでグッと来るものがなかった」とかですが
それは橋下氏に感動するだけの感性が培われていないからではないでしょうか。
文化的素養が無いと自ら公言しているようなものです。
自分の感性だけで物事を判断されてはたまりません。
もしかしたら、スーパー歌舞伎の様なものを文楽にも求めているのでしょうか。
また橋下市長は補助金カットについて、文楽側からの主張を聞きたい、
「言いたいことがあるなら言うべきだ」との気持ちなんでしょう。
ですが、文楽の演者の方は、芸能一筋で師匠から厳しい指導を受け、一人前になっています。
そこには理屈はなく、あるのは模倣だけではないでしょうか。
そんな演者の方々に公開での意見交換の場を求めても尻込みするだけです。
だいたい古典芸能もわからなく、弁護士で政治家である橋下氏を説得するのは無理です。
古典芸能を社会に広める工夫をしなかった関係者が悪いのではなく
日本固有の古典芸能を親しむ環境を整えてこなかった政治家や
教育の場でそれを教えてこなかった学校教育に問題があると思います。
文化的な事を否定する橋下氏の主張を聞いても説得力がありません。
その点、洋の東西を問わず古典芸術に造詣が深い小泉元首相。
一度小泉さんの意見を聞いてみたいですね。