活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

輝く流星となって、なお。 大阪市立科学館 特別プラネタリウム その6

2010-07-10 23:03:17 | 自然の海

     (TOP画像は、(C)JAXA,大阪市立科学館。飯山学芸員撮影)

タイトル:帰ってきた「はやぶさ」
上映場所:大阪市立科学館
上映日時:平成22年6月27日(日) 午後4時~(45分間)
解説者:飯山青海学芸員(JAXAによるはやぶさ回収部隊光学撮影班員)




■輝く流星となって、なお。

先ほどの、静止画によるワイコン画像が消えると。

次はいよいよ、動画での紹介である。
(※ 映像は、こちらからダウンロードできます

全天周とはならないものの、やはり正面に広がる映像は迫力がある!
まるで、実際にウーメラの砂漠で自分もはやぶさを待っているかのような
気分にしてくれるようだ。


映像は、真っ暗な中、星が点在しているところから始まる。
バックに流れる音は、映像記録機器用のポータブルエンジンなんだろう。

もしくは、車のエンジンを回して、そこからDC電源を取っているのだ
ろうか?


しばらくは、エンジン音だけが響く中…。

突然。

 「リエントリー! あと30秒ほどで見える筈!」

という声が響く。
この声は、飯山氏? かなりテンションが高く、良く分からなかった。

恐らく、リエントリに伴うはやぶさからの信号を受信した本部からの
通信を受けた方の発言と思われる。


その後は、10秒毎にカウントダウンとともに、未だ見えない!という
声が2回ほど続いた後で…。

 「来た!」

との声が!

目を凝らすが、モニターではまだ視認出来ない。

モニターの輝度調整の問題なのだろうが、非常に歯がゆい。
必死に、目は光点を求めてモニター内を彷徨う。

だが、そのときは不意に訪れた。

画面左下部(第三象限)の中央辺りに。

最初は、他の星の瞬きと区別が付かない程の小さな火球が現出。
そして、カメラがパンすると同時に、みるみる大きく膨れ上がっていく!

既に。
何度か見ている筈の、この映像だけれど。
改めて、この全天周ドームで見ると、万感胸に迫るものがある。

あっと言う間に、火球はばらばらに。

そして、その火球の中からまるで生まれ出たかのように。

リエントリ・カプセルが光球となって飛んでいく。

その道を、背後から精一杯照らすかのように。
はやぶさ本体は、最後に精一杯明るく輝いた後で、ばらばらに砕けて
急速にその輝度を下げていく…。

 「はやぶさ、おかえりー!」

観測員のどなたかの声が、聞こえてくる。

その声は。

彼の7年の旅路を振り返るかのごとく、何度も繰り返し叫ばれている。

その間も。
カメラは、必死にカプセルを追っていく。


そして…。

時間にして、僅か1分弱にして。

はやぶさ本体も。
リエントリ・カプセルも。

画面から消えていった…。

映像が終わった時。

場内にいる人の殆どが、ほぉっと肩から力を抜いたような気を
感じたのは、あながち僕の気のせいでも無いと思う。


映像投影中は、殆ど解説が無かったこともあって。

音声が途絶えて、静まりかえったドームの中。

おもむろに、飯山氏の声が響く。

映像の中の声とは異なり、落ち着いた響きが先ほどの映像を観終わった
心に、優しく染みとおっていく。


曰く。
われわれ光学撮影班は、はやぶさの最後を看取るのではなく、あくまで
カプセルがダークフライト(大気圏再突入による大気爆圧縮の輝きが
滅光した状態)状態になるまで、カプセルをトレースし続けるように
本部から命じられていたこと。

ただ、予想では大気圏突入3時間前にカプセルは放出されて、はやぶさ
本体の1Kmほど前を飛翔していく姿が現認される筈だったこと。

しかも。
リエントリ・カプセルは、当初本体よりもはるかに輝度が強いと予想
されていたため。

最初に現れた光球を、てっきりカプセルだと思ったこと。
もっとも。
そのすぐ後に、本体の光球の少し前方にカプセルがあることに気づいて
叫ばれていたが…。


では、なぜカプセルの輝度が高いと想定されていたのか。

それは、以下のカプセルの構造に秘密が内包されている。

(提供:JAXA)


(この稿、続く)

(補筆)
中でも触れましたが、今回投影された飯山氏が撮影された映像は、
こちらからご覧になれます


また、JAXAクラブでは、面倒な解凍作業やコーデックの心配
無しに、Webサイトで同様のシーンを観ることが出来ます。

(またこちらが、うまくはやぶさの人生?をまとめているんだ!)




惑星探査機 はやぶさ (1/32 スペースクラフト NO.01)
クリエーター情報なし
青島文化教材社

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オカエリナサト 大阪市立科... | トップ | 白熱のプラズマは、彼の帰還... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

自然の海」カテゴリの最新記事