活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

OBPの森にて…  60億Kmを旅して -「はやぶさ」の帰還、そして新たなる旅立ち-(その1)

2010-07-18 01:17:44 | 自然の海
                (TOP画像提供:JAXA)

日時:平成22年7月8日(木) 午後4時~5時
場所:NEC関西支社(大阪市OBP内)
講座タイトル:NECソリューション公開講座 in 関西2010
       「『はやぶさ』の帰還、そして新たな旅立ち」
話者:小笠原雅弘(日本電気航空宇宙システム株式会社 
                   宇宙・情報システム事業部)

サブタイトル:
 2010年6月13日、深夜。
 ウルル・カタジュの上空を二条の流れ星が西から東へ流れた。
 一個は途中で爆発を繰り返しながら砂漠の闇に消えていった。
 そして小さな輝きだけが残った。
 60億Kmもの旅をして「はやぶさ」が届けてくれたものは…



■OBPの森にて…

その日。その時間。
僕は、OBPで迷子になっていた。

事前に、目的地であるNECの関西支社ビルの場所は、ちゃんと
地図で確認してきた。

…筈だった。

講演会の参加許可証のメールにあったURLを辿って、その地図も
ちゃんと打ち出して持ってきている。

なのに。
なのに、ビルの場所が分からない。

大阪城ホール側から見ると、それらしいビルがあるのだけれど。
入り口は硬く閉ざされ、中でイベントをやっているらしき気配の
欠片も無い。

時刻は、既に午後4時を少し回っている。
今頃は、講演が始まってしまっている頃だ。

せっかく近くまで来ていると言うのに、これで聞き逃したのでは
苦心して平日の午後4時と言う時間に、わざわざ会社を離れて
OBP界隈まで出向いた甲斐が無くなってしまう!

もう、こうなったら。
NECに電話して聞くしかないか!

と、切羽詰ったそのときに。
不意に、眼前に現れたソレらしき入り口!

やはり、自分が目星をつけていたビルで正解。
後は、入り口が一箇所しかないことに、もっと早く気が付くべき
だったのだ。

逸る気持ちを抑えつつも。
入り口脇で、プリントアウトしてきた受講証を提示。
その確認と引き換えに、セキュリティエリアに入ることの出来る
ゲストカードと、その保持用のネックストラップを頂く。

その横にある文字を見て、心は慄(おのの)く。

 「本日の午後4時からの講演は、満席となりました。
             悪しからず、ご了承ください。」
 
こちらは予約してあるのだから、これはあくまで当日に参加を
希望した人向けのガイダンス。

そう思いつつも、更に気は焦る。

貰ったストラップを、首にかける手間ももどかしく。
一気にゲートを通過。
講演会場は地下との声を聞くや否や、眼前に口をあけていた
エレベーターに飛び乗る。

お約束なら、ここでエレベーターは上昇して…と成りかねない
ところだけれど。

さすがに、ここはきちんと地下1Fまで送り届けていただいた。

1フロア分とはいえ。
結構エレベーターは、下降したと思う。

そうして着いた地下は、さながら広大なダンジョン。

既に人影もまばらな状況で。
一瞬、どちらに行けばよいか迷いそうになったけれど。

壁に、講演会場はこちら、との案内が張られているのを見て、
そそくさと会場と思しき方向へと足を運ぶ。


そして。
やっと着いた講演会場。
既に、入り口のゲートは閉ざされていて、中の様子を伺いしる
ことは出来ない。

入り口脇に、サービスのお茶(これが、「いぶき」だったことは
絶対偶然ではなかろう!)が有ることに気が付いて。

1パックを貰った後に、意を決して扉を開ける。


…と。
眼前には、想像をはるかに超える広さの空間が広がっていた。
このホールは、何人収容なんだろう?

そして。
凄いのは、その広いホールのテーブルが、殆ど満席となっている
ことである。

席についている顔ぶれは。
どう見ても、そこここのビジネスマンばかり。

これまで、自分が参加してきた様々な科学技術系の講演会とは
顔ぶれの質から年齢からオーラから、まったく異なる層である。

そうした人たちも、はやぶさの物語に興味を持って、この講演に
参加しているんだ。

…と、思いながらも、目は必死で空いている席を探す。

会場には、長テーブルと椅子がセットに設置されており。
さすがに通路側の端などは、どこも空いていなさそうだ。

壇上では、既に講師の方が「おおすみ」のスライドを映しながら
話をしている。

どうやら、日本の衛星史の総括が始まったところらしい。

早く座って、じっくり聞きたい!

焦る心を抑えつつ、じっくりと辺りを見渡す。

と、一番端にはテーブルが無く、椅子だけが並べられている。
その一角に、空いているところを発見!

そそくさと詰め寄り、周囲にいる人に「ここ、空いていますか?」
と小声で訪ねる。

微かな首振りの了承を期待した僕の想定は、だがあっさりと覆え
された。

その人は、少し困った顔をした後で。

目線を中央席に移してから、僕に向かって「あちらにどうぞ」と
誘うのである。

その先を良く見ると、長テーブルの間席ではあるが、確かに空きが
あるところがある。

謝辞を述べて、その席へと向かう。

手前の席の人にお詫びながら、何とか着席。

やれやれと腰を落ち着けて、眼前のスクリーンを見る。


こうして、約5分遅れにて。
ようやくと、僕のこの講演が始まった。


(この稿、続く)


(付記)

後で気が付いたのだが…。

最初に僕が座ろうとした、ホール端のテーブルが無い椅子席
ゾーンは、NECの関係者用だったのである。

そこに、いきなりGUESTカードを下げた人が座りに来た
のだから、さぞかし向こうの人も困惑されたと思う。

知らなかったとはいえ、ご迷惑をおかけしました。




惑星探査機 はやぶさ (1/32 スペースクラフト NO.01)
クリエーター情報なし
青島文化教材社

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 60億Kmを旅して -「は... | トップ | 宇宙を識るということ  6... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

自然の海」カテゴリの最新記事