活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

幼馴染みの想い出は 青いレモンの味がする♪

2009-06-11 00:02:31 | Webの海
ば○こう○ちの納得いかないコーナー
2009年5月26日の記事より

※ 元サイトは、こちらとなります



5月23日がキスの日だって知っていた人、手を挙げて!ハイ!


寡聞にして、僕はこのサイトの記事を読むまで、全く知らなかった。

気になって少しググって見ると、確かに昭和21年のこの日。
邦画で初めてキスシーンがあるものが、上映されたとある。

ごく軽い、フレンチキスのようなものだったそうだが。
それでも、映画館は押すな押すなの大盛況だったとか。

それを記念してキスの日とは、まあなんと純真というか、
安直というか…(笑)。

だがまぁ。
これくらい軽く笑えるような日が、もっと有ってもいいよね。
ということで、少し調べてみると…。
あるわ、あるわ
ちなみに、今日(6月11日)は「傘の日」だったりする。

さて。
元記事に触発されて、自分なりにマイフェバレイト・キスを
記憶を頼りに手繰ってみた。


第一位 「クリスティーン」 S・キング
 この中で、ラストのクライマックス寸前に描かれた、主人公と
 ヒロインのキスの、なんと純粋で、なんと切なく、なんと美しい
 ことか。

 二人の愛は、この時を頂点にして、やがてそれぞれの道へと
 歩みを違えていくのだが、それでもこの刹那の輝きは、まごう
 ことなく本物だったと思う。

 一応言及しておくが、これはホラー小説である。

 その中において、ここまでのシーンを描ききることが出来る
 キングは、やはり天才だと思う。


第二位 和歌山県白浜は鎌倉商店のキャッチコピー
 ここでは、逆さまタマゴなる、奇妙奇天烈なものを売っている。
 まあ言わば温泉タマゴなのだが、白身はまだとろとろな状態で、
 真ん中の黄身が固まっているタマゴの天頂を割って、そこから
 スプーンを入れて食べるのは、いと美味し。である。

 だが、この店の恐ろしさは、そこにあるのではない。

 「初恋の味 キッスの味 これぞ天下一品!」

 このキャッチフレーズに、全てが凝縮されているのだ。
 しかも、売り子は齢70の古希を遥かに越えていると推察される
 おばあちゃんなのである。

 あなたの青春は、何時ごろだったんですか?
 そしてそれは、どんなものだったのですか?
 あなたの初恋は、キッスは、どんなだったのですか?
 そして。
 あなたは、どんな思いを籠めて、このキャッチフレーズを
 書かれたのですか?

 聞けない。恐ろしくて、僕には聞けない(笑)。

 味は美味しいので、是非南紀白浜に行かれた際には、トライして
 みていただければと、切に願う。


第三位 「伝説巨人イデオン 発動編」
 あの映画の中盤。
 ヘルメットをつけたまま、コスモとカーシャがキスをしようと
 して、ヘルメットが邪魔してしまったというエピソードが
 あった。

 「駄目ね。私たち」「ああ」

 短い会話の後。
 カーシャがおもむろに言った言葉。

 この闘いが終わったら、私達、もっと仲良くやろうよ。

 もう十分過ぎるほどに、人の死に触れてきた彼らだから。
 今生きているということを大切に。そう考えたときに、自然に
 沸き起こってきた感情なんだ、と思う。

 もっとも、その直後の戦闘で、カーシャは還らぬ人となって
 しまうのだけれど。

 地球人も、バッフ・クランも。第六文明人も。
 凡そ、命有るものは、それだけで哀しい。
 そうした厭世観に基づく、皆殺しの富野の面目躍如といった作品
 だった。

 あの作品を越えるアニメは、まだ僕の前には現れていない。
 恐らくこれからも。


ちなみに、番外編。「ミッドナイト・エクスプレス」
 この作品。実話を基にした映画である。
 トルコで大麻を国外に違法に持ち出そうとしたアメリカ人が捕まり、
 刑務所に入れられた。
 ここまでなら、まあ自業自得。
 4年の刑を食らい、地獄のような獄中生活を送った末に、
 漸く後二月弱で釈放というときに、いきなり再裁判。
 その結果、無期懲役へと刑が変わってしまう。

 こんな、とんでもない目に合った主人公。
 絶望の淵に沈む彼を訪ねてきた、やはりアメリカ人の彼女。
 面会室で、ガラス越しに彼女と見えた彼は、彼女に服を脱ぐように
 懇願する。そして、その気迫に押されるように服を脱いだ彼女の
 裸を見ながら、彼はオナニーをする。
 ガラス越しのキスが売り物となった映画が有ったが、その次元を
 遥かに越えた究極の関係の一つが、ここに在る。
 
 その絶望感たるや!
 その弧絶感たるや!

 もう二度と触れることの適わぬ彼女(それは勿論、外界の象徴
 でもある)をガラス越しに見ながら、彼は何を思っていたのだろう。

 恐らく彼は、性的欲望など感じてはいない。
 ただそこにあるのは、足元が抜け落ちていくような圧倒的な
 虚無の前に立ちすくむ、哀れな魂のみである。

 もう一度書くが、これは実話である。

 彼が、その後どのような運命を辿ったのか…。
 それは是非、皆さんの目で確かめてみて欲しい。


さて、そろそろ稿を閉じる時が来たようだ。

ん?
おまえ自身の、実体験に基づくキスの話はどうなんだ?って。

チッチッチ(と、エースのジョー風に)。
想い出は、深く心の中に刻み込んでおくものさ。
間違っても、人様にお見せするような代物じゃあない。
そして、折に触れ、取り出して、一人涙するためのものさ。


(この稿、了)


僕の中でキングといえば、この作品は間違いなく5指に入る。
映画版は、敬愛するJ・カーペンターがメガホンを取ったのだが、
残念ながら駄作。

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もうそろそろ、ブルーレイで再販されないかな?
もっとも、究極の厭世映画だからなぁ。心身不調時には観れないす(笑)
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この映画に匹敵する脱獄モノといえば。
「ショーシャンクの空に」「パピヨン」位なものなのだ。
僕の中では。
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2 コメント

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Unknown (宇宙ハンター55)
2009-06-11 22:52:31
あまりMOLTA氏と意見が合うことはありませんが、イデオンが一番には同意いたします。
イデオンは名作だという人は多いのですが、あまり話題にのぼらない不思議なアニメだと思います。
それはさておき、今回は最後の4行が言いたかっただけでしょう。
返信する
Unknown (MOLTA)
2009-06-11 23:51:57
チッチッチ。
うんにゃのっと。
#その昔、東大通が使っていた最大級の否定形。もはや知っている人も少ないと思われ(笑)。

最後の四行は、自分的には蛇足です。
ほんとだよ~。

少しは、卑近な話も触れないとなと思って入れただけで。
あんなことは、言わずに胸に秘めておくのが男の生き様ってもんです。はい。(笑)
返信する

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