(TOP画像提供:NASA)
2010年2月3日(木)10時39分 共同通信配信記事より
掲載先:47NEWS
この。
美しい画像を観たとき。
僕は、遥か昔に読んだ手塚治虫の漫画「ノーマン」を思い出していた。
子供の頃に読んだきりなので、記憶はもう殆ど無いのだけれど。
冒頭のシーンで、月に浮かんだある模様。
それは、地上からも目認出来るほどの大きさ。
その模様の意味は?
そして、それは一体誰が?どうやって描いているのか…?
確か、そうした出だしで始まっていたと思う。
ラストでまた、この月の模様の秘密が解き明かされるのであるが。
これは結構、唐突感があったような。
でも、途中のストーリーは非常に面白かったと言う記憶があるので、
また是非復刻版なぞ手に入るようなら、読んでみたいものではある。
さて。
そうした、月の模様を髣髴とさせたのが。
この、宇宙に浮かぶ巨大な「X」である。
「プロジェクトX」の新シリーズのタイトルロゴかと見まがうほどに、
それは見事なX像を成している。
(画像提供:NASA)
この画像にある小惑星同士の衝突が発生したのは、火星と木星との間。
地球からは、約1億4400万キロも離れた彼方。
今も、地球に向けて天駆けている小惑星探査機「はやぶさ」。
彼が、調査に向かった小惑星「イトカワ」があるところである。
はてなDIARYにある、本件に関するまとめ記事によれば。
この衝突で生き残った小惑星の核の大きさは、約140mほどと推察
されるとある。
「イトカワ」の直径が、約330mとされているので。
衝突前は、ちょうど「イトカワ」と同じ程度の大きさの小惑星同士が
ぶつかったのかもしれない。
まずは、そうした遥けき彼方で起こった天文ショーを、こうして画像に
捉えて公開してくれたNASAに感謝を。
それにしても。
なんというイメージだろう!
そりゃあ、銀河系同士の衝突に比べればスケール感は異なるものの。
(画像提供:NASA)
こちらは、遥か1億4400万キロ彼方とはいえ、我が太陽系内で
起こっている事象なのである。
真空の空間の中で。
小惑星同士の衝突は、音も無く繰り広げられるドラマ。
その移動スピードは、時速約1万8000キロ(約マッハ14!)
というから。
相対速度こそ、不明だけれど。
それだけのスピードで移動中の物体が、衝突するのだ。
この写真にあるように、コアが文字通り四散してX状に広がり。
宇宙に美しい弧を描く、この奇跡を。
こうして、眺めることが出来る。
この時代に生まれた幸せを噛み締めつつも。
もっと傍で。
今度は動画で。
最後は、直視で…。
と、夢は際限なく広がっていく。
しかし。
このXの見事さは、どうだろう。
これが、何者かの意思の発露で無いとは思えないほどの美しさではないか。
観れば、観るほどに引き込まれるこの絶佳から。
冒頭で紹介した「ノーマン」に引き続いて。
古い記憶が、触発されて蘇ってきた。
それが、水樹和佳の「月虹 ~セレス還元」である。
この。
実に繊細かつ壮大なSF漫画のラストを飾るものが、月虹。
空に輝く月虹を観て、交わされた台詞がこちら。
「ごらんよ、月虹だ。地球でも見られる。
地球の虹の伝説を知ってるかい?
そう・・・、二度と決して人類を滅ぼさぬという神の約束だそうだ。
・・・・今度は人間が神に約束するのかもしれないね・・・・」
ひょっとしたら。
このXは。
何者かによる、壮大な人類に向けたメッセージなのかも知れない。
上述の台詞を思い出しながら、そんなことをふと。考えていた。
それがどのような存在であろうとも。
いや、存在などしていなくても構わない。
僕たち人類が、そこに何かの意思を見て、感じ取ることが出来れば。
それは存在していたも同然なのだから。
そして。
その意思をどう解釈するかによって。
人類の価値は決まるのだろう。
勿論。
本件は、岩塊同士の衝突と言う物理的事象に過ぎない。
けれども。
人類よ。
1億キロ以上も彼方の、このメッセージに気が付けるほどにあなた方の
科学技術が発達しているのであれば。
どうか、それを有意義に活用していかれんことを。
かのXは、そう物語っているのではないか。
そう。
考えたくなる冬の夜があっても、また良いのではないか。
(この稿、了)
2010年2月3日(木)10時39分 共同通信配信記事より
掲載先:47NEWS
この。
美しい画像を観たとき。
僕は、遥か昔に読んだ手塚治虫の漫画「ノーマン」を思い出していた。
子供の頃に読んだきりなので、記憶はもう殆ど無いのだけれど。
冒頭のシーンで、月に浮かんだある模様。
それは、地上からも目認出来るほどの大きさ。
その模様の意味は?
そして、それは一体誰が?どうやって描いているのか…?
確か、そうした出だしで始まっていたと思う。
ラストでまた、この月の模様の秘密が解き明かされるのであるが。
これは結構、唐突感があったような。
でも、途中のストーリーは非常に面白かったと言う記憶があるので、
また是非復刻版なぞ手に入るようなら、読んでみたいものではある。
さて。
そうした、月の模様を髣髴とさせたのが。
この、宇宙に浮かぶ巨大な「X」である。
「プロジェクトX」の新シリーズのタイトルロゴかと見まがうほどに、
それは見事なX像を成している。
(画像提供:NASA)
この画像にある小惑星同士の衝突が発生したのは、火星と木星との間。
地球からは、約1億4400万キロも離れた彼方。
今も、地球に向けて天駆けている小惑星探査機「はやぶさ」。
彼が、調査に向かった小惑星「イトカワ」があるところである。
はてなDIARYにある、本件に関するまとめ記事によれば。
この衝突で生き残った小惑星の核の大きさは、約140mほどと推察
されるとある。
「イトカワ」の直径が、約330mとされているので。
衝突前は、ちょうど「イトカワ」と同じ程度の大きさの小惑星同士が
ぶつかったのかもしれない。
まずは、そうした遥けき彼方で起こった天文ショーを、こうして画像に
捉えて公開してくれたNASAに感謝を。
それにしても。
なんというイメージだろう!
そりゃあ、銀河系同士の衝突に比べればスケール感は異なるものの。
(画像提供:NASA)
こちらは、遥か1億4400万キロ彼方とはいえ、我が太陽系内で
起こっている事象なのである。
真空の空間の中で。
小惑星同士の衝突は、音も無く繰り広げられるドラマ。
その移動スピードは、時速約1万8000キロ(約マッハ14!)
というから。
相対速度こそ、不明だけれど。
それだけのスピードで移動中の物体が、衝突するのだ。
この写真にあるように、コアが文字通り四散してX状に広がり。
宇宙に美しい弧を描く、この奇跡を。
こうして、眺めることが出来る。
この時代に生まれた幸せを噛み締めつつも。
もっと傍で。
今度は動画で。
最後は、直視で…。
と、夢は際限なく広がっていく。
しかし。
このXの見事さは、どうだろう。
これが、何者かの意思の発露で無いとは思えないほどの美しさではないか。
観れば、観るほどに引き込まれるこの絶佳から。
冒頭で紹介した「ノーマン」に引き続いて。
古い記憶が、触発されて蘇ってきた。
それが、水樹和佳の「月虹 ~セレス還元」である。
この。
実に繊細かつ壮大なSF漫画のラストを飾るものが、月虹。
空に輝く月虹を観て、交わされた台詞がこちら。
「ごらんよ、月虹だ。地球でも見られる。
地球の虹の伝説を知ってるかい?
そう・・・、二度と決して人類を滅ぼさぬという神の約束だそうだ。
・・・・今度は人間が神に約束するのかもしれないね・・・・」
ひょっとしたら。
このXは。
何者かによる、壮大な人類に向けたメッセージなのかも知れない。
上述の台詞を思い出しながら、そんなことをふと。考えていた。
それがどのような存在であろうとも。
いや、存在などしていなくても構わない。
僕たち人類が、そこに何かの意思を見て、感じ取ることが出来れば。
それは存在していたも同然なのだから。
そして。
その意思をどう解釈するかによって。
人類の価値は決まるのだろう。
勿論。
本件は、岩塊同士の衝突と言う物理的事象に過ぎない。
けれども。
人類よ。
1億キロ以上も彼方の、このメッセージに気が付けるほどにあなた方の
科学技術が発達しているのであれば。
どうか、それを有意義に活用していかれんことを。
かのXは、そう物語っているのではないか。
そう。
考えたくなる冬の夜があっても、また良いのではないか。
(この稿、了)
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月虹―セレス還元 (ハヤカワ文庫 JA (661))水樹 和佳子早川書房このアイテムの詳細を見る |
ノーマン (1) (秋田文庫―The best story by Osamu Tezuka)手塚 治虫秋田書店このアイテムの詳細を見る |
なるほど、そう書くのか・・・メモメモ。
ただ・・・銀河の写真、それ衝突銀河?かなぁ、違うような気がする。子持ち銀河のように見えるけど。
この銀河。
どうなんでしょうね?
一応、衝突と書かれてあるものをチョイスしたつもりなのですが、僕の語学力の成せる結果なのであまり自信はありません(笑)。
まあいずれにしても、壮大ですよね~。