いつもと違う、今年のバレンタイン。

記：無記名
２０１０年１月２９日　ＩＳＡＳ　トピックスより


※　このページは、こちらで閲覧できます。





以前のブログで。
ＪＡＸＡの有り様について、以下のような記事を書いたことがあった。


　「今、国民目線からみて、何が本当に必要なのか。

　　それをきちんとプレゼン出来るロビイストと。
　　並行して、民意の認知を高めていくための広報活動と。

　　今のＪＡＸＡには、何よりそれが必要だと思うのだ。」


ハヤブサの地球帰還という、一大イベントに際して。
現地の混乱を避けるために、着陸予定地点であるオーストラリアは
ウーメラ砂漠への渡航を自粛してもらうことを目的として。

地球帰還予定日を公表しない、と発表したＪＡＸＡに対する思いを
綴ったものである。


けれど。
ここ暫くのＪＡＸＡを見ていると。
どうやら、上記のコメントは撤回しなければならないようである。


その理由は。
ＪＡＸＡの広報活動が、えらく盛況になってきていることに由来する。

今月に入ってからでも。
例えば。

■ソーラーセイル「君も太陽系をヨットに乗って旅しよう！」
■JAXA副理事長と理事を公募します
■宇宙を旅したアサガオ、ミヤコグサを育てませんか？
■新番組「JAXA Podcastスペースアカデミー」配信中
■JAXA協力のリュージュ日本代表選手団が表敬訪問

と、様々な情報がＪＡＸＡ　ＨＰのＺＯＯＭ　ＵＰ欄にＵＰされている。


その中でも。
思わずニヤリとさせられるのが、こちら。

■最先端☆宇宙バレンタイン～「きずな」が愛を届けます


「きずな」は、

　『衛星を用いた新たなインターネット社会
　　「いつでも、どこでも、誰でも」必要な情報が得られる社会に』

をキャッチフレーズにして、２００８年２月２３日に打ち上げられた
大容量通信技術実験用衛星である。

（※　画像は、ＪＡＸＡ　ＨＰより）


この「きずな」の通信能力を用いた一般開放型実験としては。
先のクリスマスに、メッセージカードを届けようというものがあったが。

更に、今回は。
バレンタインに因んで、宇宙経由でカードを届けよう！という実験である。


メッセージを送りたい人は。
ＪＡＸＡのＨＰにある専用登録サイトから、送信先のアドレスと一緒に
送りたい画像を選択する。


※　■配信申込み締切日時：　平成22年2月12日（金）　午前9時

　　■メール配信予定日：　平成22年2月14日（日）


メッセージ自身は、悪用防止の観点から固定メッセージとなるが。
同封される画像は、数種類の中から好きなものをチョイス可能である。

その画像も。
ＴＯＰ画像に貼り付けたように。
ハートに満ち満ちた、如何にもバレンタインなものから。
シンプルで美しい画像のものまで、バリエーションに飛んでいる。



ああ。君よ。
官費で何をやっているんだ？
と、目くじらを立てるなかれ。

勿論。
この実証実験で得られた大量データの多対地発信実験の成果は。

災害時の情報伝達等を迅速に、かつ確実に行えるようにするための
貴重なデータとして、活かされることになるのだから。



そも。
バレンタインとは。

日本でこそ、女性から男性への愛の告白の日にちとなっているが。

欧米では、もう少しフランクに、親しい友人達間での「Ｈｉ！」
という挨拶に近いレベルのメッセージの交換Ｄａｙとして定着
している、という。


ＪＡＸＡも、それを見越して。

メッセージの送信者は、男女を問わず登録可能です。と歌っている。

送られたメッセージは。
はるか36,000kmの宇宙空間に浮かぶ「きずな」を経由して。

２月１４日に、指定されたアドレスへ配信されるのだとか。

さて。
このバレンタインに。

いつもと変わった、宇宙経由のメッセージを送ってみては如何だろう？


そこに籠められたメッセージは。
宇宙経由の。
いつもとちょっぴり違うテイストに、満ちているかも知れない。


それだけの距離を飛んでも、料金の心配はご無用。

ちゃんと、ＪＡＸＡの関連ページの最下部に、次の注意書きが書かれてある。

　「※メール受信時に発生するパケット料金は「きずな」の距離とは
　　関係ありません。」


この後に続く、（）書きが又。
実にふるっている。

　「（愛にも距離は関係ありません）」


やるなあ。ＪＡＸＡ。


さて。
あなたは、誰にメッセージを送りますか？

（この稿、了）

（付記）
昨日。
スペースシャトルが、宵闇を裂いて地球を旅立っていった。
その、美しい画像がこれ。

（※　元ネタは、ＴｗｉｔＰｉｃにＵＰされていたもの）

愛をこめて、ヴァレンタイン (ミステリアス・プレス文庫) トム サヴェージ The Mysterious Press このアイテムの詳細を見る