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FREAKY 13 DEAKY

酔いどれの誇りと踊る熊へ

馳星周「ゴールデン街コーリング」読みました

2019-01-25 18:33:48 | 読書感想
酔いどれの街。ゴールデン街の一角にあるお店「マーロウ」で働く人とそこに集った仲間たちの人間模様であり青春小説。


「マーロウ」はゴールデン街に実際にあった伝説のコメディアン内藤陳の店「深夜プラス1」がモデルだ。


馳星周は処女作「不夜城」を上梓しその名をあげた作家。


ボクはこの「深夜プラス1」に大学生のころ通ったことがあった。


冒険小説や推理小説や冒険小説が好きな連中が毎夜集まって来た。


ボクも本読みの端くれを自負してこの店に行ったが連中の比ではなかった。

映画も本もスゴイ量だった。またその洞察力も舌を巻いた。


バー「マーロウ」のオーナー斉藤顕は昔その名を馳せたコメディアン。

無類のオモシロ本好き。そして筋金入りの酒乱だ。

ボクもこのモデルとなった内藤陳がお客とケンカになったところに遭遇したことがある。


もうかれこれ30年前の話しだ。まだまだバブル真っ最中。地上げ屋が跋扈していた時。


ゴールデン街もその波に呑まれそうになっていた。


そこに放火事件と殺人事件が起こる。

主人公がその犯人探しと「本の雑誌」で連載を持って物書きとして生きていく方向が定まってくる様子を描いている。



馳星周の自伝小説だから殺人事件が起こるとは思わなかったけど。


そしてお客としてあの店に飲みに行くのとそこで働くのとでは天国と地獄の差があったとは…。


突然ですがあなたは気づいていらっしゃると思うけど、ボクはベロベロに酔っぱらってうちに帰れなくなった時

会社のベンチシートで仮眠してから帰宅します。


その時に卓上パソコンを使ってこのブログを書いています。


書いたことも書いた内容も全て忘れているのに酩酊状態で書くのです。


むかしは次の日に削除していましたがそれをやめました。


酔っぱらっていようが恥ずかしいだろうがそんな自分自身を笑ってやれと考えるようになり削除をやめたのです。


頭が馬鹿になっている自分を無かったことにしないようにすると決めました。


アル中は病気です。


お酒で人間関係を壊したらその時点でアル中です。


お店で出会った仲間と絶交になったことも沢山あります。

そしてこの手紙を読んでくれたあなたもボクを嫌いになるかもしれません。


アル中は人間関係を破たんする病気です。


だけども自分の姿の一部です。無かったことにしないわけにはいきません。


酔いどれの誇り、なんてカッコイイもんじゃありません。バカなだけす。


でもボクは書き続けようと思います。


この本を読んでその気持ちが強くなりました、というのがボクの正直な感想です。






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志賀直哉の短編「剃刀」に鳥肌

2018-12-24 16:13:09 | 読書感想
ストーリーはざっとこうだ。

芳三郎は麻布六本木の床屋の親方。

先代の親方が自分の娘を配して跡継ぎにしたくらい一流だ。

とくに顔剃りの腕前。

「癇が強い」性格は完璧な仕事ぶりに現れている。

妥協を許さない性分が今日まで顧客の顔を一度も傷付けずにこさせた。

しかし自分に厳しく他人にも厳しい性格にかつての仲間は離れていき

おそらく弟子の定着も悪いのだろうなかなか育たない。

すべて自分でやってきたが秋季皇霊祭前の繁忙期に重い風邪に罹ってしまう。

ぶっ倒れてしまう。

当然店も回らない。

芳三郎の腕を見込んでお得意さまから仕事が入ってくる。

店を閉めろという女房の声も聞かない。

精神的にも追い詰められとうとう震える手を騙しだまし使って砥ぎの作業をする。

だがいつもの切れが出ていない刃を顧客からやり直せと突き返されてしまう。

半分気を失う様に眠っていたが無理を押して砥ぎ直す。上手くいかない。震える。

イライラ…イライラ…イライラ…

そこに運悪く粋がった若造が突然来店。

やめろと言う妻の注意に耳も貸さず顏剃りの注文に応じた芳三郎。

手も震えて思い通りにならない自分自身というよりもその若者に苛立ちを

向けていた矢先とうとう手もとが狂って…

緊張の糸がぷっつり切れた芳三郎は…



(;一_一)どうですか?

これ純文学ですよ。文学の神様が書いた。

ぼくの駄文ではとうてい伝わらんでしょう。

そうなんです。

志賀直哉はこの10ページ前後の短編で


人間の持つ闇を見せてくれるのです。

悪人じゃないのです。普通の市井の人間のです。

でも凡百のスプラッター映画より血糊を浴びるでしょう。

髭一本の剃り残しだって許さないし剃り跡もツルツルでヒリヒリしない一流の職人。


でも一流の経営者ではない。

一つのミスも許さない妥協できない人間に組織の人間はついていけない。

癇癪持ちの破滅の経緯を静かな冷たい文章で読ませるのです。

志賀直哉は「和解」でも「城の崎にて」でも他のものでも「死の匂い」が漂う。


口語文体の一つの完成形ともいうくらい完璧主義の小説家と芳三郎がシンクロするのです。


こんなヒリヒリする小説を

一人部屋でフライドチキンとサッポロ黒ラベルをやりながら読むんです。

世間様がイベントで大盛り上がりしているこの日をねらって。













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ある夫婦のかたち岩下志麻

2018-04-24 19:42:36 | 読書感想
十人十色なれどやっぱり夫婦を続けていくとはお互いが認め合えること。

尊敬できるひとが自分の旦那だったらやっぱりいい関係で続いていくんだな。

いやその逆もありき。

山あり谷ありで空中分解にならないのはそこか。

どっちかが未熟で譲らない関係になっていったらゲームオーバー。

こんな才能あふれる夫婦でなくてもいいんだけど。


我が身を振り返って反省しきりのインタビュー本。

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「輝ける闇」開高健著は傑作中の傑作である(断言)

2018-01-18 19:49:24 | 読書感想
開高健を初めて見たのは、月刊「PLAYBOY」の広告写真だ。

まだ12歳の童貞の妄想爆発の時代。

親の目を盗んで、買いに行った金髪ガイジンのNUDEと「OPA!」という当時すでに伝説になっていたルポルタージュを

読みたくて恥ずかしさをこらえて書店で買った。

あれから38年。

ウィスキーならリザーブ級。…なに言ってるのか、よく分からないんですけど。


( 一一)

(^_^;)。。。

初めて射精した感覚も、遙か一万年光年の別世界のゲンジツ。

あらゆる事に、鈍感になってしまった五十代の男に一杯の冷たい水が染み込むよう読み通した一冊。

これで生涯三度目。読破。

茅ヶ崎に久しぶりに行きたくなった。

あらゆることに、頭よく、賢く、素直に、スマートに、やりこなす今の20歳に是非とも読んでもらいたい

珠玉の一冊。



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