2013年4月5日
沖縄県の嘉手納基地以南の米軍施設・区域および
普天間飛行場の返還計画の日米合意について(コメント)
社会民主党党首
福島みずほ
日米両政府は本日、「沖縄県の米軍嘉手納基地以南の5施設・区域を2015年から2030年にかけて返還する」、「米軍普天間飛行場についても2022年度またはその後に返還する」ことで合意した。
嘉手納以南5施設の返還を進めることは当然である。しかし、牧港補給地区の大部分である倉庫地区の返還が2025年度とされるなど、返還のスピードはいかにも遅い。昨年4月の日米安全保障協議委員会(2+2)共同発表で、「速やかに返還可能」とした区域はただちに返還するべきだ。那覇港湾施設の返還が28年度までかかるなど理解に苦しむもので、より早期の返還を求めたい。
普天間飛行場の返還は、辺野古の新基地建設を前提に「2022年度またはその後の返還」とされたが、新基地建設とリンクされた返還計画は普天間飛行場の固定化につながるものであり到底容認できない。オスプレイの配備によって県民の不安はかつてなく高まっており、普天間飛行場は早期かつ無条件に返還するべきである。
守谷武昌元防衛事務次官当時に作られた、辺野古新基地建設と嘉手納飛行場以南の土地返還のパッケージは、すでに「2+2」決定によって正式に切り離されている。普天間飛行場の移設計画の進捗いかんにかかわらず、嘉手納以南の全施設は速やかに返還されるべきである。普天間飛行場の移設を名目に辺野古に新たな基地を建設する計画は、「沖縄の負担軽減」とはいえず「新たな負担の押しつけ」にほかならない。
安倍政権は、米国の意向を優先し、淡々と沖縄県に対する手続きを進めている。普天間問題はあくまで「返還問題」であり代替施設の建設を前提とした「移設問題」ではない。安倍総理は、沖縄県民を言いなりに出来るという驕った考えを捨てるべきだ。社民党は、沖縄の皆さんとの連帯を強化し、県民の望む負担軽減に向けて全力をあげる。