12月9日に2度目の臨時国会が閉会となりましたが、今国会で野田政権は「民主主義のルールを壊す政権」であることが、明らかになりました。
というのは、何でも民自公3党で決め、国民の声も地方の声も聞かず、いきあたりばったりの国会運営で国会をますます形骸化させているからです。成 立した法案は全政府提出法案のたった34%。過去20年間で最低水準だそうです。それもそのはず。こんな民主主義のルール無視の「民自公政治」に 国民は信任を与えた訳ではないのです。11月24日の衆議院本会議で、野田総理を「かくも曖昧で全てが藪の中では、国民は到底納得出来るはずもな く、総理としての根本的資質に欠けると判断せざるを得ません。」と厳しく断じました。
今国会では、第3次補正予算と復興増税、復興庁・復興特区の設置、国会の原発事故調査委員会の設置などは決まりましたが、政権交代の目玉だったは ずの郵政民営化の見直しや労働者派遣法の改正はまたも持ち越しに。労働者派遣法に至っては、厳しい雇用情勢に背を向けて、民自公3党で政府案を骨 抜きにする修正を決め、わずか3時間で委員会採決する始末でした。方向性を失った政権の末期を見る思いです。
非正規雇用は働く者の4割近くに達し、生活保護の受給者は過去最高の206万人という状況なのに、有効な手を打とうとはしません。逆に野田政権が やる気を見せるのは消費税の増税やTPP協定交渉への参加、そして事故の収束見通しもないままの原発輸出…。どれも、国民の今の状態を見つめ、そ の声を誠実に聴くのであれば出来るはずがないものばかりです。
福島原発事故による放射能被害についても、除染の本格的実施にはほど遠く、食品の放射能測定や表示も対策が遅れるばかり。野菜から始まった汚染は 牛に拡がり、主食の米や子どもが毎日飲む牛乳に至るまで、放置されたままです。食品の放射能測定と表示体制すら未確立のまま年を越すことになって しまったことに、本当に憤りを覚えます。
あたり前ですが、しっかりと足もとを見る政治を取り戻したいと思います。大震災と原発事故で日本各地の弱った経済の足腰が直撃をくらった今年を経 て、来年2012年は、復興と消費税、TPP…日本の本当の進路がまさに問われる年です。年明けからの国会でも、全力を尽くしてその先頭に立ちます。
阿部知子
2012年1月1日
2012年 新年のメッセージ
社会民主党党首
福島みずほ
3月11日の前と後で世界は変わってしまった。
私たちは、あまりに大変な経験と現実を経て、「今までとは違う社会」をつくらなければならないと思う。政治の優先順位も変えなければならない。
被災地では、まち全体がなくなっていて、港は破壊され、雇用の場も失われていた。
また福島原発の近くに住む人たちは、着の身着のまま避難し、ふるさとに戻れず、実に多くの人たちが今も放射性物質に脅えている。待ったなし。だからこそ政治の出番である。
政治が大奮闘しなければならないときである。
そして原発推進から脱原発へ。
しっかりと自然エネルギーの促進へと政治の舵を切るべきだと考えている。原発はいったん事故が起きると人間がコントロールできないものとなる。事故が起きなくても大量の放射性廃棄物の処分について解決策はない。今も、放射性物質が海や山や大地や水に降り注ぎ、空気や食べ物を通じて、私たちは内部被曝していく。
私はある子どもに言われた。
「あなたたちが大人がエネルギー政策を転換できなかったから、私たち子どもが未来へ向かってツケを払わなければならない。あなたたち大人のせいだ」と。その通り。現在と未来の命に対する侵害行為を引き起こしている。
原発がなくてもやっていける。社民党は、「脱原発アクションプログラム」を発表した。
今こそ、「国策」としてやってきた原発推進を変え、自然エネルギーを促進していこう!
そのためにあらゆる人と力を合わせたい。新しいたくさんの出会いに感謝し、2012年もよろしくお願いします。
2012年が少しでもいい年になりますように!